元気で活動的な施主らしい家を設計しました。
これから工事に入ります。
光の入り方を模型で検証しました。
ん・・・吹抜けから、光が綺麗に入っている。
階段から、1階にもっと光が入ると良くなるな。そうすれば奥行き部分もバランス
よく、自然光が家の中をうつろう住処になりそう。
南側からしか、光が入らない敷地。かつ、1階に日当たりが無く、2階からしか光が
入らない住宅密集地。飛び道具の天窓を使わず、1階のダイニング・リビングが明る
く快適な暮らしの場になる様、光の掴み方が一番大事なポイントです。
年配の施主らしい生き生きした家。
もちろん、バリアフリーで安全で、フィジカルに合わせた使い勝手の良い住まいだけど、変に妙に、優しい家にはしていません。
設計図面が仕上がった後、予算の調整をしました。
コスト削減=正義、では無い。
という事を、心にとめて予算調整は行っています。
安く出来たけど、ただ寝泊りする場所になってしまい、自分たちらしい暮らしを紡げるとは思えない。そんな住まいになってしまう場合があるから。
減額上手=誰も幸せにならない
若かりし頃、勤め先の設計事務所で痛感したことです。
今回、無い知恵を絞って作り方を工夫した結果、デザインも仕上材も殆ど原型を残して工事に入れることになりました。
(ウッドショックで、今、木材高騰しているのに。)
さあ、着工です!
一見シンプルですが、都心に住む為の大切な要素だけをピックアップした設計で、私なりの、都市型住宅の決定版になるはず。
これから、半年の工事、楽しみだ。
住宅設計で、光の入り方を検証する方法
住宅設計において、光の入り方を検証することは、快適な室内環境を作り出すために非常に重要です。以下のような方法で、光の入り方を検証できます。
1. 現地調査
方位と建物の配置: 家の敷地の方位や、周辺の建物や樹木の位置を確認することから始めます。これにより、光がどの方向から、どの程度入るかが把握できます。
日の出・日の入りの位置: 季節ごとの日の出・日の入りの位置を確認し、それに基づいてどの部屋がいつ太陽光を受けるかを予測します。
2. 日照シミュレーションソフトの使用
専用ソフトウェア: SketchUp、Revit、Rhino、AutoCADなどの3Dモデリングソフトウェアに組み込まれている日照シミュレーション機能を使うと、時間や季節ごとの光の入り方を視覚的に確認できます。
年間シミュレーション: ソフトウェアでは、1年を通じた太陽の動きに基づいて、室内に入る自然光の変化をシミュレートすることができます。特に夏と冬の違いを把握するのに役立ちます。
3. 物理的なモデルの作成
スケールモデル: 建物のスケールモデル(縮尺模型)を作成し、これに光を当てて影の変化や光の入り方を確認する方法も有効です。これは特に、設計初期段階で光の入り方の感覚をつかむために役立ちます。
太陽光を再現する照明: 模型に対して人工的に太陽光を再現できる照明を用いることで、異なる時間帯や季節の光の状況を検証できます。
4. 試作的な設置やテスト
窓のサイズと位置の調整: 実際の建物の設計段階で、窓のサイズや位置を調整して、光の入り具合をテストする方法もあります。たとえば、建設前に仮設の窓や壁を設置し、光の入り具合を確認します。
日除け装置の検討: 庇(ひさし)やブラインド、シェードなどの日除け装置を使用し、光の制御を実験することで、室内の快適さを確認できます。
5. 過去の気象データの利用
日射量データ: 気象庁や他の気象サービスが提供する過去の気象データを使用して、年間を通じての地域の日射量を理解します。これにより、どの程度の光が期待できるかがわかります。
6. スマートフォンアプリの使用
簡易シミュレーション: 最近では、スマートフォンのアプリを使用して簡単に日照シミュレーションができるものもあります。これにより、設計の初期段階で素早く光の入り方を確認することができます。
7. ガラスの種類と透明度の選定
ガラスの選択: 窓に使用するガラスの種類(例:ローイーガラス、曇りガラスなど)によって光の入り方が変わるため、設計段階で異なるガラスを検討し、最適なものを選ぶことも重要です。
以上の方法を組み合わせることで、住宅設計における光の入り方を効率的に検証し、最適な居住環境を実現することができます。光の入り方は季節や時間帯によって変わるため、長期的な視点での計画が求められます。
光の入り方を模型を製作して検証する方法
光の入り方を検証するために物理的な模型を製作することは、設計プロセスの中で非常に効果的な方法です。以下に、模型を製作して光の入り方を検証する具体的な手順を詳しく説明します。
1. 準備段階
スケールの決定: 模型を作成する際の縮尺(スケール)を決定します。一般的な縮尺は1:50、1:100、1:200などですが、詳細な検証を行う場合は1:50が適しています。大規模なプロジェクトの場合は1:100や1:200も使用されます。
材料の選定: 模型製作には、スチレンボード、紙、プラスチックシート、バルサ材などの軽くて加工しやすい材料が適しています。窓部分には透明なプラスチックシートやアクリル板を使用することが多いです。
必要な道具の準備: カッターナイフ、定規、接着剤、切断用マットなど、模型製作に必要な道具を揃えます。
2. 模型の製作
設計図の用意: 実際の建物の設計図(平面図、立面図、断面図)を元に、模型の図面を描き起こします。縮尺に合わせて図面を縮小して印刷し、作業しやすいようにします。
壁や屋根のカット: 図面に基づいて、壁、屋根、床などの各パーツを材料から切り出します。窓やドアの開口部も正確にカットします。
組み立て: 切り出したパーツを接着剤で組み立てます。壁の垂直を保ちながら、しっかりと接着していきます。組み立てが進むにつれて、構造が強固になるように注意します。
窓の取り付け: 窓部分には透明なプラスチックシートやアクリル板を貼り付けて、光が入る様子を再現します。
3. 光源の準備
太陽光を再現する照明: 太陽光を模倣するために、白色LEDライトやスポットライトを使用します。これらの光源は、模型の上部から光を当てるように配置します。
可動式の光源装置: 日の出から日の入りまでの太陽の動きを再現するため、可動式の光源装置を用意します。これにより、時間の経過に伴う光の変化をシミュレートできます。
4. 日照のシミュレーション
時間帯のシミュレーション: 模型に光源を照射し、異なる時間帯(朝、昼、夕方)の光の入り方を確認します。光源の角度を調整して、太陽の高度や方向を再現します。
季節のシミュレーション: 太陽の軌道は季節ごとに異なるため、光源の位置を変えて、夏至や冬至の太陽光の入り方をシミュレートします。これにより、季節による影の長さや光の強さの変化を検証できます。
光の反射と拡散の観察: 窓から入る光がどのように室内で反射・拡散するかも観察します。内装材の色や質感が光にどのように影響するかを考慮して、模型内に小さな家具やインテリアも配置することがあります。
5. 観察と記録
写真撮影: 各時間帯や季節のシミュレーションごとに写真を撮影し、記録を残します。これにより、光の入り方の違いを視覚的に比較しやすくなります。
動画撮影: 光源の動きをリアルタイムで撮影することで、時間の経過に伴う光と影の動きを観察しやすくなります。
6. 結果の分析
快適性の評価: 日照時間や光の強さがどれくらいのものであるかを評価し、居住空間としての快適性を考慮します。特定の部屋が夏の午後に過度に熱くなるか、冬の朝に十分な日照が得られるかなどを検討します。
改善点の検討: 必要に応じて窓の位置やサイズ、庇の追加などの設計変更を検討します。模型を使ったシミュレーションは、設計の改善を具体的に考えるための重要なフィードバックを提供します。
7. フィードバックを基にした設計の修正
模型を使って得られたデータや視覚的なフィードバックに基づいて、設計図を修正します。これにより、実際の建物での光環境を最適化することができます。
物理的な模型を使った光の検証は、直感的で視覚的に理解しやすいため、特にクライアントとのコミュニケーションにも役立ちます。手間と時間がかかる方法ですが、リアルな光の入り方を直接観察できるため、精度の高い設計を行う上で非常に有効です。
南側からしか光が入らない敷地で明るい住宅を設計
南側からしか自然光が入らない敷地で明るい住宅を設計するためには、光の取り込みを最大化し、光を効率的に室内に分散させる工夫が重要です。以下に、具体的な方法を詳しく説明します。
1. 窓の配置とサイズの最適化
大きな南側の窓: 南側に大きな窓を設けることで、最大限の自然光を取り込むことができます。フロアから天井までの全面ガラスの窓や、ガラスのスライドドアを設置することで、室内全体に光を広げることが可能です。
高窓(ハイサイドライト): 南側の高い位置に窓を設けることで、光がより奥まで届きやすくなります。高窓はプライバシーの確保にも役立ち、上部に設置することで通風も改善されます。
2. オープンプランの導入
間仕切りの最小化: 壁や仕切りをできるだけ減らし、オープンプランを採用することで、光が建物全体に広がりやすくなります。リビング、ダイニング、キッチンなどを一つの大きな空間にまとめることで、南側の光が家全体に届きやすくなります。
ガラスの間仕切り: 必要な間仕切りには、透明または半透明のガラスを使用して光の透過を確保します。ガラスパネルやスライディングガラスドアは、空間の分割と同時に光の流れを妨げません。
3. 採光窓の活用
天窓(トップライト): 屋根に天窓を設置することで、直射光を室内に取り込むことができます。南側だけでなく、中央部や北側の部屋にも自然光を供給するのに有効です。特に、建物の奥まった場所や階段、廊下など、通常の窓から光が届きにくいエリアに天窓を設けると効果的です。
光井戸(ライトウェル): 天井に光井戸を設けて、上部から光を取り入れる設計も有効です。光井戸は、建物内部の深部まで自然光を届けることができるため、暗くなりがちな部屋を明るく保つのに役立ちます。
4. 中庭(コートヤード)の設置
内部の中庭: 建物の内部に中庭を設け、周囲の部屋が中庭に面するように配置することで、自然光を効率的に取り込むことができます。中庭を囲むようにガラス窓を設置し、内部に光が届くようにすることで、南側以外のエリアも明るく保つことができます。
吹き抜け空間: 中庭と組み合わせて、2階までの吹き抜け空間を設けると、上下階にわたって光を共有することができ、開放感が生まれます。
5. 反射素材の使用
明るい内装色: 壁、天井、床などの内装材には、白やパステルカラーなどの明るい色を使用することで、光の反射率を高め、室内が明るく感じられます。
鏡の配置: 鏡や反射性の高いガラスパネルを適所に配置することで、自然光を反射させ、暗くなりがちなエリアにも光を届かせることができます。特に廊下や階段の壁面に鏡を設置すると効果的です。
6. 屋根形状の工夫
傾斜屋根やシェッドルーフ: 南側に傾斜した屋根(シェッドルーフ)を設け、その高い側に採光窓や天窓を配置することで、光を効率的に取り込むことができます。また、屋根形状を工夫して光が内部に反射するように設計することも考慮します。
7. 二重ガラスやローイーガラスの使用
断熱性の高いガラス: 大きな窓を採用する場合、断熱性能の高い二重ガラスやローイーガラス(Low-Eガラス)を使用することで、冬の寒さや夏の暑さを防ぎつつ、自然光を取り入れることができます。これにより、光の入り方を最大化しつつ、エネルギー効率も向上させます。
8. 光のリフレクターやデフレクターの設置
光リフレクター: 外部に取り付ける光リフレクターを使って、自然光を室内に反射させることができます。特に窓の外に取り付けるタイプの反射板は、日差しの角度を変えて光をより深く室内に取り入れるのに役立ちます。
光デフレクター: 光を拡散させるためのパネルやブラインドを使用し、強い直射光を柔らかな拡散光に変えることで、室内の均等な明るさを保ちます。
9. 吹き抜けや階段を活用
吹き抜け空間の利用: 南側の光を上階にも届けるため、吹き抜け空間を設けると、光が上下階にわたって拡散され、建物全体が明るくなります。
階段の配置: 階段をガラスや明るい素材で囲むことで、階段を通して上階にも光が届きやすくなります。また、階段の手すりや壁をガラスにすることで、光の流れを遮らない設計が可能です。
10. バルコニーや庇の設計
庇の長さの調整: 南側の窓には庇を設け、夏の高い日差しを遮りながらも冬の低い日差しは取り入れるように設計します。これにより、季節に応じた光のコントロールが可能になります。
バルコニーの配置: バルコニーを南側に設けることで、外部空間からの光の反射を利用して室内を明るくすることができます。
これらの方法を組み合わせることで、南側からしか光が入らない敷地でも、室内を明るく快適な空間に設計することができます。建物の形状、窓の配置、内部のレイアウト、素材の選定などを総合的に考慮し、最適な採光を実現することが重要です。
都心に住む為の大切な要素だけピックアップした住宅
都心での住宅設計においては、限られたスペースを有効に活用し、快適で機能的な住環境を作ることが重要です。シンプルでありながら、都市生活に必要な要素を満たす住宅設計のためのポイントを以下に詳しく説明します。
1. 空間の効率的な利用
オープンプラン: 壁や仕切りを減らし、リビング、ダイニング、キッチンを一つの大きな空間として設計することで、開放感を生み出します。これにより、実際の面積以上の広さを感じることができます。
多目的スペースの確保: 一つの空間を複数の目的で使用できるようにします。たとえば、リビングルームをワークスペースとしても利用できるように家具配置を工夫することが考えられます。
収納の工夫: 限られたスペースを有効活用するために、壁面収納、床下収納、階段下のスペースなど、あらゆるスペースを利用して収納を確保します。特に、天井までの収納や造作家具を利用して、無駄のない収納計画を立てることが重要です。
2. 採光と通風の確保
大きな窓の設置: 都心部では周囲の建物が近接していることが多いため、採光が難しい場合があります。南側や東側に大きな窓を設け、自然光を最大限に取り入れることで、明るく快適な空間を作ります。また、高窓を設置することでプライバシーを守りながらも光を取り入れることができます。
通風計画: 自然換気を促進するために、窓を対面に設置し、風が通り抜けやすい設計にします。また、天井近くに小さな開口部を設けることで、暖かい空気が逃げやすくなり、室内の換気が向上します。
3. プライバシーの確保
窓の配置と目隠し: プライバシーを守るために、通りに面する窓には目隠しの役割を果たす植栽や格子、ルーバーを設けます。また、曇りガラスやスリット窓を使用して、外からの視線を遮りつつも光を取り入れる工夫をします。
防音対策: 都市部では外部の騒音が問題になることが多いため、窓には防音ガラスを使用し、外壁やドアにも防音材を取り入れて静かな居住環境を確保します。
4. 快適な生活動線の確保
シンプルな動線設計: キッチン、ダイニング、リビング、バスルームなどの主要な生活空間の動線をシンプルに設計することで、日常生活がスムーズに行えるようにします。特に、キッチンからダイニングへの動線を短くすることが便利です。
コンパクトな水回り: バスルーム、トイレ、洗面所などの水回りを一か所にまとめて配置し、配管工事やメンテナンスを簡素化します。また、コンパクトで機能的な水回り設備を選ぶことで、スペースを有効活用します。
5. 屋外スペースの利用
バルコニーやルーフバルコニー: 小さなバルコニーでも、植物を育てたり、外の空気を楽しむスペースとして活用できます。また、屋上を利用してルーフバルコニーを設けることで、都心の中でもプライベートな屋外空間を確保し、リラックスする場所を提供します。
緑の導入: 都市生活におけるストレスを軽減するため、バルコニーや屋上にグリーンを取り入れることで、自然の要素を感じられる空間を作ります。植物を配置することで、視覚的なリラックス効果や空気の清浄効果も期待できます。
6. エネルギー効率と持続可能性
断熱性能の向上: 壁や屋根、床に高性能な断熱材を使用し、エネルギー効率を高めます。これにより、夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を維持できます。
省エネ設備の導入: LED照明や高効率なエアコン、太陽光発電システムなど、省エネに配慮した設備を導入します。これにより、光熱費を削減し、環境負荷を低減することができます。
雨水利用システム: 雨水を貯めて庭の散水やトイレの洗浄に利用することで、資源の有効活用と水道料金の節約が可能です。
7. 柔軟なスペースの活用
フレキシブルな間取り: 部屋の用途を変更できるように設計することで、家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できます。たとえば、スライディングドアや可動式の間仕切りを使うことで、必要に応じて部屋のサイズや用途を変更することができます。
将来的な拡張性: 一部のスペースを将来的な拡張やリフォームに備えて設計しておくことで、家族の成長や生活の変化に対応しやすくなります。
8. 安全性とセキュリティ
防犯対策: 窓やドアには防犯性能の高いものを選び、セキュリティカメラやスマートホームセキュリティシステムを導入して、安全な住環境を確保します。
耐震性能: 日本は地震が多い国であるため、耐震設計を施し、建物の構造を強化します。耐震性の高い材料を使用し、設計段階で地震に対する安全性を確保します。
都心での住宅設計では、限られたスペースを最大限に活用し、採光、通風、プライバシー、快適な生活動線、安全性など、都市生活に必要な要素をバランスよく取り入れることが重要です。シンプルでありながら機能的な設計を行い、住む人にとって快適で便利な空間を提供することが、成功する都市型住宅の鍵となります。
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