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斜め40do猫の家(40° cat house)

猫と遊ぶ、大きなテラス

建物概要

所在地:東京都北区

構造:木造 2階建て

用途:住宅

敷地面積:133.20㎡

延床面積:116.68㎡

Design:Ogino Takamitsu Atelier

Photo:Ippei Shinzawa

施主の想い

住まいを、夫婦ふたりと愛猫2匹のための暮らしに、改めて見直そうと考えたご夫婦。熟考の末「自分たちの価値観にあった家を実現したい」という想いから家づくりが始まりました

要望のポイント

・猫と心地よく住みたい。

・敷地の良さを生かしたい。

・明るい家が良いけれど、直射日光の暑さを避けたい。

・プライバシーと防犯に配慮

・素材にこだわりたい。

 

提案・設計内容

初めて、依頼者と敷地に伺った時、風通しが良く、南東側隣家に隠れてプライバシーが良い小さな公園の様な場所がある事に気が付きました。隣家や道路からの視線を考え、斜め40度に平面軸を振った間取りが気持ち良いはずと、敷地からの帰り道で考えていました。

 

老後を猫と楽しく暮らしたいという「施主の個性」と、住宅密集地ながら風通しが良い変形敷地という「場所の個性」を素直に読み解いた住宅です。猫と人それぞれの居場所と遊び場所が、家の中のあちこちに有り、その居場所を美しく柔らかい光と風が繋いでいます。プライバシーに配慮しつつ眺望も確保された、居心地の良い家です。

 

自然の光・風・熱を活かした「パッシブデザイン」でありながら、「プライバシー」を確保する事を実現しました。

・人も猫も心地よい、猫が遊ぶ大きなテラス

 敷地の中の、一番心地良い場所を猫が遊ぶ大きなテラスとしました。風が抜け・光が入り・プライバシーも確保されるウッドデッキのテラスです。大きな窓が、光と風をリビングに取り込みながら、外から覗かれない配置の窓はカーテンをしなくても快適に暮らせる心地良い場所を生み出しています。高さのあるルーバーで囲われていて猫が敷地外に出て行かずに外で遊べる、家の中心の様な場所です。

 

・愛猫の為の工夫された設え

猫と人がお互いに快適に住む、色々なしつらえをしました。

猫が遊ぶ場所として、キャットステップ、キャットタワーでもある階段、キャットウォークとなる構造梁や、カーテンボックス・間接照明ボックス、猫穴、籠りスペース、外を眺める高窓・地窓などをつくっています。梁の上が全面キャットウォークになっていて、キャットステップと合わせれば、猫にとっての回遊動線となり、猫部屋・キャットステップになるスケルトン階段など家全体に猫の楽しめる仕掛けと居場所が計画されています。

 

時と場合の変化により、猫が入って欲しくない場所には、格子の引戸を設計しました。調理・食事の時だけ閉めるダイニングキッチンの引戸、1階・2階どちらかいて欲しい時の階段下ガラス引戸、出かける時の為の玄関格子引戸が自由に猫と人の領域を分けてくれます。

 

・斜め40度に平面軸を振った、特徴的な小屋組み

梁や母屋などの構造材が見える、天井の小屋組みは、斜め40度に平面軸を降る事で複雑になっています。製作難易度が上がったこの小屋組みは、大工さんが腕によりをかけて作った力作で、独特の特徴的な力感のある場を形づくっています。施主1番のお気に入りです。

 

・プライバシーと防犯

建物を平面軸、斜め40度に振る事で、隣家の窓から中が覗かれない様にしています。2階テラスは、隣家の窓の無い壁と、道路から引きがある事でプライバシーが守られ、テラスに向いたリビングの大きな窓はカーテンをしなくても、目線が入ってこない快適な室内になっています。

 

1階は小さな窓を天井近くの高い位置に設置することで、外部からの侵入の防止になっています。1階で人が出入りできるのは、玄関1カ所にして、鍵のかけ忘れ等が無い間取りにしました。]

 

完成後の様子と施主の声

施主は、年齢を重ねる事での変化を心配していましたが、老後を見据えたバリアフリー設計、移動しやすく多様に使える間取りが、先々まで柔軟に暮らせる家になっていると実感されています。お伺いすると、猫2匹があっちで遊びこっちで遊び、その様子を微笑ましく眺めている施主の姿。この家での暮らしを猫も人も満喫しています。

「猫は家をかなり気に入ってくれたようで、キャットドアもすぐに通り抜けました。

何より気に入ったのはテラスで思い切りくつろぎ、虫取りを楽しんでいます。ゴロゴロしたり、全く家の中に入らずで、この形にしてもらって本当によかったです。階段下ガラス戸を閉めても大騒ぎはしていませんが、この先も大人しくしてくれるかは不明かな。」(妻)

 

「天井の木の小屋組みが、一番気に入っています。男前な感じですね。外壁の黄色はイメージ通りでした。」(夫)

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天井の小屋組みが、特徴的。斜め40度に、平面軸が振れた間取りは、外部の視線や風・光の取り込み方を考えた結果です。

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テラスに向かって大きな窓から、光と風・景色が室内に入って来ます。猫が自由に遊ぶテラスです。外から覗かれない位置の窓で、プライバシーを確保。

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​カーテンボックス・キャットウォーク・間接照明が一体になって力強い小屋組み天井を照らしています。

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猫グルジム。ジャングルジムの様な猫の遊び場。猫のスキな、外を眺めるキャットステップ・上から下を眺めるキャットウォーク・籠る場所が楽しそう!

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格子引戸は、調理と食事の時だけ、ダイニングキッチンに猫が入らない様にしてくれます。

猫が遊ぶキャットステップ。

路地の様な玄関アプローチの小道が、居心地良き。

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施主曰く、こんなに窓が無く(小さく)て、暗そうなのに、家の中は凄く明るい家でビックリだよね!と。

道路からは室内が覗かれない。

サイドからの美しい光が、壁を伝う窓の配置。

書斎は木の棚とデスクを作り込んで。絵を描く施主さんなので、絵の具で床が汚れても良い様に、床材は塩ビタイル貼り。

猫部屋への猫の出入りは自由。

地窓は猫のための窓。外をのぞくのが大好き。猫穴から自由に出入り。

猫が外に出て行かない様に、格子の引戸を玄関に!

階段下のガラスの引戸は、猫は開けられない。猫・1階にいて欲しい時、2階にいて欲しい時に閉じる。その時々で猫の居場所を変えていく引戸。

猫が遊ぶ大きなテラス。今、猫さんたちは半日ここで遊んでるそう。奥にある洗い場は猫のモノを洗ったり。高いフェンスは木の格子でつくって、猫が外に出ていかないけど、外を眺め・光を通す。気持ち良い場所。

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L型の製作キッチン。施主と使い方にぴったり合ったオリジナルです。小さなキューブ状の可愛い吊戸棚は、施主の個性が出ましたね。オーク材とステンレスバイブレーション仕上が美しい。窓の位置も良き。

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製作家具はオーク材。壁は珪藻土塗。床は栗無垢材。

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斜め40度に軸振った、天井小屋組みは大工さんの力作!!

美しい洗面化粧台。

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