リノベーションで繋ぐ、新しい生活
両親から継いだ家、若い時代に建てた家、その家を建て替えるのでは無く、リノベーションする事で、現代のライフスタイルに合った住まいに、生まれ変わる事が出来ます。
耐震の補強をし、震災対策をしながら、プラン(間取り)を変え、新しく、でも家族や家の歴史を繋いだ住まいの作り方をお知らせします。
スケルトンリフォーム
リノベーションには、構造に手を加えない場合と、簡易的な構造補強をする場合、そして、柱梁だけ残し全て構造補強をする場合があります。築年数や、建物の状態により、行わなくてはならない方法は、異なります。
ここで紹介するのは、築50年たった、都市部の住宅を一旦、スケルトン(骨組だけにする)にした上で、構造補強をし、プラン(間取り)も現在のライフスタイルにあった家に、生まれ変わった事例です。
古いため、床もたわんでいて、断熱材も入っていない状態だったため、柱梁と基礎、屋根下地、壁の下地のみ残し、その他全てを撤去する処から、工事を始めました。
現代的なライフスタイルの間取り
元々の住まいは、都市部の狭小敷地という事もあり、玄関を入ると、玄関ホール+台所にいきなり面し、リビングは隣の和室で、食事は和室でしていました。また、洗面所が無く、玄関ホール+台所に洗濯機と洗面器が置いてある状態でした。
古いお宅では、現代とは生活習慣が異なる為、こういった間取りも不思議では有りません。
そこで、和室を無くし、小さいながらもフローリングのLDK(リビング・ダイニング・キッチン)を設け、玄関ホールと洗面所を独立させ、現代のライフスタイルにあった間取りに変えました。
基礎の補強
築年数の長い住宅では、基礎に鉄筋が入っていなかったり、基礎底盤が無かったりします。そこで、古い基礎の横に、新しい基礎を添わせかつ、ベタ基礎にする為、基礎スラブをつくりました。
古い基礎と、新しい基礎は樹脂アンカーで繋ぎ、一体化し全ての重量を新しい基礎が受ける様にしています。
基礎と土台も新しい基礎と金物で接合しています。
柱と土台・基礎は今ではアンカーボルトでがっちり止めるのですが、旧式では止まっていない為、柱もホールダウン金物で止めます。
柱・梁の補強、耐力壁補強
柱が劣化している処は、柱を付け替えたり、添え柱をします。梁のサイズが小さいところには、新しい梁を下に付け補強します。
壁の耐力壁にする為、構造用合板で補強し、建物全体の強度を上げます。
その他、断熱材を入れ、屋根を葺き替え、サッシをペアガラスに変え現代の断熱に必要な性能を持たせます。
周囲が囲まれている、住宅密集地では、圧迫感のある狭苦しい空気になりがちです。
圧迫感の無い、伸びやかな環境を形成するに、階段の蹴込み板を無くし、スケルトン階段にする事で
暗くなりがちな、1階まで、光が入り、明るい住まいに変身しました。
光と風を取り入れる
古い素材感の、味を残す
長い年月使われて来た、素材には独特の味が有ります。全てを新しい素材で、包んでしまわず、古い素材も残し、その味を残す事で、家の歴と新しいだけでは感じられない素材感を味わえます。
ここでは、玄関床の玉石の洗い出しを残し、間接照明をあてる事で、さらに美しい素材感を生み出しています。
また、天井の高さが低かった部屋の、天井を撤去、高くする事で、屋根小屋の古い梁を出しています。
梁を部屋に出す事で、空間が大きくまた、アクセントになりました。