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執筆者の写真t-ogino

木材の選定方法。木工所で選んで決める。節の綺麗な垂木を選定。光をつかむ家(埼玉県川口市)

更新日:4 日前


柱、垂木、木材、木目

天井に見えてくる、垂木。

節が目立たない向きに、木組みをすることで、綺麗な線がでる様、

工務店さんと打ち合わせ。

現状、国内の木材手薄なので、あるものを上手く使って家づくりしていきます。


「光りをつかむ家」



木材の選定方法


木材の選定は、住宅の設計やリフォームにおいて非常に重要です。以下は、木材の選定時に考慮すべき主なポイントです:


1. 用途に応じた木材の選定

  • 構造材: 例えば、柱や梁には強度が必要です。したがって、スギ、ヒノキ、カラマツなどの硬くて強い木材が好まれます。

  • 内装材: 床や壁の仕上げには、見た目や手触りが重視されます。パインやオーク、チェリーなどが人気です。

  • 外装材: 外部に使う場合は耐久性が重要です。耐候性のあるヒノキやイペ(熱帯の硬木)などが適しています。


2. 木材の特性

  • 耐久性: 木材の種類によって耐久性は異なります。湿気や虫に対する耐性も重要です。

  • 硬さ: 硬い木材は耐久性が高く、傷が付きにくいですが、加工が難しい場合があります。反対に、柔らかい木材は加工しやすいですが、耐久性が低いことがあります。

  • 収縮・膨張: 木材は湿度や温度の変化によって収縮や膨張をします。安定性の高い木材を選ぶと、変形のリスクが減ります。


3. 見た目と仕上げ

  • 色合い: 木材の色合いはインテリアの雰囲気に大きく影響します。自然な色合いを活かすか、塗装や着色で調整するかを考えましょう。

  • 木目: 木目のパターンや質感もデザインの要素です。木目が美しい木材は、特に装飾的な用途に適しています。


4. 環境への配慮

  • 持続可能性: 環境に配慮した木材選びも重要です。FSC(森林管理協議会)認証など、持続可能な方法で管理された森林からの木材を選ぶと良いでしょう。


5. 予算

  • コスト: 木材の種類や品質によって価格は大きく異なります。予算に合わせて適切な木材を選びましょう。


選定時には、具体的な用途や条件に合わせて、これらの要素を総合的に判断することが大切です。また、信頼できる木材専門の業者や専門家の意見を聞くこともおすすめします。


栗の無垢フローリング材

選別される、木材の等級


木材の等級は、主に節の多さや品質によって分類されます。等級により木材の見た目、強度、使用目的が異なります。日本では、木材の等級は以下のように分けられます:


1. 構造用材の等級

1.1. JAS(日本農林規格)による等級

  • 特級(特に優れた品):

    • 特徴: 節がほとんどなく、木目が美しい。強度や安定性も非常に高い。

    • 用途: 高級な内装材や装飾材、目立つ場所に使われることが多い。


  • 1級(優れた品):

    • 特徴: 節が少なく、木目も比較的美しい。強度や安定性が高い。

    • 用途: 内装材、建材、家具などに使用される。目立たない場所でも良い品質が求められる場合に使われる。


  • 2級(一般的な品):

    • 特徴: 節があり、木目も均一ではないが、強度や安定性に問題はない。

    • 用途: 一般的な建材や構造用材、外装材などに使用される。


  • 3級(用途制限あり):

    • 特徴: 節が多く、木目が不均一であるが、強度は問題ない。外見の美しさが求められない用途に適している。

    • 用途: 工事現場の仮設材や、目立たない場所での使用に向いている。


2. 内装用材の等級

内装用の木材は、外観の美しさが重視されるため、以下のように分かれています:

  • A級(特級):

    • 特徴: 節がほとんどなく、木目が美しい。高品質で、装飾的な用途に適している。


  • B級(1級):

    • 特徴: 小さな節があるが、外観が良好で、内装材として十分な品質を持っている。


  • C級(2級):

    • 特徴: 節や欠けが目立つが、内装材として使える品質を保っている。


3. その他の等級

  • JAS規格以外: 一部の木材製品は、JAS規格に準拠しない独自の等級が設定されている場合があります。これらは業者によって異なるため、具体的な基準や仕様を確認することが重要です。


木材を選ぶ際は、使用目的に応じた等級を選び、必要な品質や強度、見た目の美しさを考慮することが大切です。特に内装材や装飾材では、外観が大きな要素となるため、等級の高い木材が求められることが多いです。


木工所で木材を選ぶ


木工所で木材を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。以下に、木工所での木材選定に関する重要なポイントを説明します:


1. 目的に応じた木材の選定

  • 製品の用途: 何を作るかによって適切な木材が異なります。例えば、家具を作る場合は、見た目が美しい木材や加工しやすい木材を選ぶのが一般的です。逆に、構造材として使用する場合は、強度が重要です。


2. 木材の品質チェック

  • 節の位置と数: 木材には節があり、これは木材の強度や美観に影響します。家具などの仕上げに使う場合は、節が少ない木材が望ましいです。構造用材では節の位置に注意し、強度に問題がないか確認します。

  • 木目のパターン: 木目の美しさや均一性は、仕上がりに大きく影響します。家具や内装材では、美しい木目が好まれることが多いです。

  • 乾燥状態: 木材が適切に乾燥しているかを確認します。湿った木材は収縮や変形の原因になります。乾燥状態をチェックするために、木材の水分含量を測定することができます。


3. 木材の種類

  • 硬さと強度: 使用する木材の硬さや強度を確認します。例えば、オークやウォルナットは硬くて耐久性が高いですが、パインは柔らかく加工がしやすいです。

  • 耐久性: 特に外部や湿気の多い場所で使用する場合は、耐久性が高い木材を選びます。例えば、ヒノキやイペなどが適しています。


4. 木材のサイズと形状

  • 寸法と平整度: 木材の寸法や平整度も重要です。加工のしやすさや最終製品の仕上がりに影響します。特に木工所で加工する際には、木材の直線性や均一な厚さを確認します。


5. 木材の供給元

  • 信頼できる供給元: 木材の品質を保証するためには、信頼できる供給元から購入することが重要です。木工所では、信頼できる業者や製材所と連携して、安定した品質の木材を確保することが多いです。


6. サンプルや試し切り

  • サンプルの確認: 木材の購入前にサンプルを確認し、実際の質感や木目、色合いを確認します。

  • 試し切り: 木材を試し切りして、加工のしやすさや硬さを確認します。これにより、実際の作業で問題がないかを確認できます。


木工所での木材選定は、製品の品質や作業効率に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。


杉材で製作した小屋組み

木材の節や汚れキズを上手く隠す木組みの設計


木材の節や汚れ、キズを上手く隠す木組みの設計には、デザインや施工技術を工夫することで、美しい仕上がりを実現できます。以下に、そのための具体的な方法を説明します:


1. 木材の選定と加工

  • 木材の選定: 節や汚れが少ない木材を選ぶことが基本ですが、どうしても避けられない場合は、以下の方法で隠すことができます。

  • 節や欠点の配置: 重要な部分や目立つ部分には節や欠点を避けるように配置します。例えば、家具の側面や背面に節のある部分を配置するなどして、視界に入りにくくします。

  • 木材の加工: 節やキズを削り取って滑らかにすることで、目立たなくする方法もあります。また、節の部分にパテや木材用の充填材を使って平らにし、その上から塗装や仕上げを施すことも可能です。


2. 木組みの設計

  • 隠し組み合わせ: 木組みの接合部分をデザインして、節や汚れを隠すように配置します。例えば、接合部や見えない部分に節が来るように配置することで、目立たないようにすることができます。

  • ダミー部品: 節や汚れがある部分にダミー部品を設けることで、視覚的に隠す方法です。例えば、装飾的な部品やカバーを使って節を隠すことができます。


3. デザインによる隠蔽

  • 装飾的なデザイン: 木材の節や汚れを装飾的な要素として取り入れる方法もあります。例えば、木目や節のパターンを活かしたデザインで、意図的に目立たせることで、自然な美しさとして受け入れることができます。

  • 複雑な木組み: 複雑な木組みや装飾的なパターンを使用することで、節やキズを隠すことができます。例えば、モザイク状に木材を組み合わせることで、不規則な部分を自然に見せることができます。


4. 塗装や仕上げ

  • 塗装での隠蔽: 節やキズがある部分に塗装や着色を施すことで、目立たなくすることができます。木材の節には、色合いや仕上げが均一でないと目立つことがありますので、木材の色に合った塗料や仕上げを選びます。

  • 仕上げの工夫: 木材の仕上げにおいて、ステインやオイル仕上げを使用することで、木材の特徴を引き立てながら節や汚れを目立たせないようにすることができます。また、特殊な仕上げ方法や技法を用いることで、節やキズをうまく隠すことができます。


5. 組み立て時の工夫

  • 隠し接合部: 木組みの接合部に工夫を施すことで、節やキズを目立たなくすることができます。例えば、隠しダボや組み合わせ部品を使って接合部を隠す方法があります。

  • パーツの配置: 木材のパーツを配置する際に、節やキズが目立たないように配置することで、仕上がりがきれいになります。特に家具やキャビネットなどでは、背面や下部に節が来るようにすると良いでしょう。


木材の節や汚れを隠すための木組みの設計には、クリエイティブなアプローチや技術的な工夫が求められます。適切な選定や加工、デザインを考慮することで、美しく機能的な木材の使用が可能になります。


横格子引戸と木の小屋組みの戸建て住宅

住宅に使う、木材の樹種


住宅に使用する木材の樹種は、その用途やデザインに応じて選ぶことが重要です。以下に、住宅の各部位に適した主要な木材の樹種とその特徴について詳しく説明します。


1. 内装材

1.1. フローリング

  • オーク:

    • 特徴: 硬くて耐久性が高い。木目が美しく、仕上げが良い。一般的にフローリングとして人気。

    • 用途: 高級感のあるフローリング。


  • パイン:

    • 特徴: 柔らかく加工しやすいが、傷つきやすい。軽やかで温かみのある色合い。

    • 用途: カジュアルな雰囲気や、コストを抑えたフローリング。


  • チーク:

    • 特徴: 高い耐久性と耐水性を持ち、豊かな色合い。高級感があり、長持ちする。

    • 用途: 高級住宅や湿気の多い場所での使用。


1.2. 壁材・天井材

  • ヒノキ:

    • 特徴: 軽量で加工しやすく、防虫・防腐性能が高い。香りが良い。

    • 用途: 内装の壁材や天井材、特に和風の空間に適しています。


  • スギ:

    • 特徴: 柔らかく、加工がしやすい。軽くて安価だが、傷つきやすい。

    • 用途: 壁材、天井材、内装の装飾材。


2. 構造材

  • カラマツ:

    • 特徴: 強度が高く、耐久性がある。乾燥が早く、安定性が高い。

    • 用途: 柱や梁、構造材に適しています。


  • ヒノキ:

    • 特徴: 強度があり、耐久性が高い。香りが良く、リラックス効果がある。

    • 用途: 高級な構造材や特に重要な部分の構造材。


  • スギ:

    • 特徴: 比較的安価で、加工しやすい。軽くて強度もそこそこ。

    • 用途: 一般的な構造材や仮設材。


3. 外装材

  • イペ:

    • 特徴: 非常に耐久性が高く、耐水性が強い。硬くて重い。

    • 用途: 外壁材やデッキ材、耐久性が要求される外部の使用。


  • レッドシダー:

    • 特徴: 軽くて耐久性があり、防虫・防腐性能が高い。色合いが美しい。

    • 用途: 外壁材やウッドデッキ、サイディング材。


4. 家具材

  • ウォルナット:

    • 特徴: 重量感があり、深い色合いと美しい木目が特徴。耐久性も高い。

    • 用途: 高級家具、装飾的な家具。


  • チェリー:

    • 特徴: 美しい赤褐色で、経年変化が楽しめる。加工しやすく、強度も良好。

    • 用途: 家具、キャビネット、内装材。


5. 特別な用途

  • メープル:

    • 特徴: 硬くて耐久性が高い。均一な木目で、強度が高い。

    • 用途: 床材、カウンター、特殊な用途の木材。


  • アッシュ:

    • 特徴: 強度が高く、弾力性がある。加工がしやすい。

    • 用途: 家具やツールの材料。


6. 環境への配慮

  • 持続可能な木材: 環境に配慮した選択肢として、FSC(森林管理協議会)認証などの持続可能な方法で管理された木材を選ぶことも重要です。


各樹種の特徴を理解し、使用目的に合わせて適切な木材を選ぶことで、耐久性や美しさを両立させることができます。



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