2階建て、3階建ての家には階段が必ず有ります。
普通の階段は移動をするだけのモノですが、1階と2階をつなぐタテの空間である特性を上手く使うと、明るく開放感のある住まいがつくれます。
スケルトン階段とは?
階段を取り除いて見ると、そこは2階の床が無い、吹き抜け空間になります。
階段が無いかのように、存在を消すと吹き抜けの様な場が生まれます。
存在を消した階段とは?
材料の使い方や設計の仕方で、スケルトン状態した階段の事を言います。
スケルトン階段では、光が上から下までおりて来る様に、隙間を作ったり、 透ける材料でつくる事で、光が1階に届きます。
明るさと開放感を合わせ持つ
光が1階まで届きますから、明るい家になります。
階段が光の筒の様になるイメージです。
光が下りて来る様に、隙間を開けてつくりますから、抜け感が生まれ開放感が味わえます。
せっかくの階段、ただ移動する場所にするのはもったいない。
住環境を快適にするための工夫をしたいところです。
数種類ある、スケルトン階段作り方
スケルトン階段は、使う材料によって、いくつか作り方が有ります。
木で全てをつくる方法。
鉄で全てをつくる方法。
木と鉄、両方使ってつくる方法。
FRP・ポリカボネードという樹脂素材を一部使ってつくる方法。
使う材料よって、デザインイメージは少し変わって来ます。
木でつくる
写真は木で作ったスケルトン階段です。
足を踏む場所の板(段板),段板を支える側面の側板共に木製です。
正面の部分を無くして、間を空けている為、その間から光が下の階まで下りて来ます。
光自体は反射しながら下りて来る為、この間だけでも明るさは充分確保されます。
特に階段の上部に天窓をつけると、階段自体が光の井戸の様になります。
木で作っていますから、暖かさと柔らかさを兼ね備えた印象の階段になります。
ちなみに、写真のスケルトン階段のお家は、猫ちゃんがいて、階段の隙間が通り道になり、階段全体が猫の遊び場、猫タワーなっています。
鉄でつくる
木造の家でも、鉄骨造の家でも全て鉄でつくるスケルトン階段が有ります。
鉄シャープなイメージが、カッコいいデザインなっています。
写真の鉄造スケルトン階段は、鉄骨造3階建ての住宅の階段です。
足を踏む場所の板を、エキスパンドメタルという、鉄網で作った階段です。
エキスパンドメタルは網の様に、間が空いている材料ですから、光風お通します。
白色で塗装すると、光が良く反射して非常に明るい階段になります。
木と鉄でつくる
構造的には鉄でつくるが、足が触れる踏み板の部分だけを木にしている、スケルトン階段です。
鉄骨造のかっこよさと、木造の優しさ双方を合わせ持つイメージになります。
抜け感も有り、開放感も感じます。
FRPでつくる
踏み板の部分をFRPという樹脂製の材料で作った階段です。
半透明の材料ですから、光を通します。
1番明るいスケルトン階段ですが、FRPの踏み板と側面の材料のジョイント部分の耐久性に不安が有ります。
階段は、下りて来る時、体重の3倍程の加重が掛かります。
耐久性も注意して、つくりたいものです。
どのスケルトン階段が良いのか?
どのスケルトン階段で作っても、光を通し、風を通し、抜け感のある、開放感のある階段がつくれます。
階段に光を入れる窓の位置、風抜く窓の位置が、明るさ快適さを生むポイントなります。
かっこよさを求めるのか?暖かみを求めるかで、スケルトン階段の材料をチョイスするとイメージ通りの家になります。
スケルトン階段について
スケルトン階段とは、階段の構造が露出しているデザインの階段です。通常、階段のステップや支持構造が見えるように作られており、周囲の壁や手すりが最小限になっていることが多いです。これにより、開放感があり、空間が広く感じられます。
スケルトン階段の特徴
デザインの美しさ: 階段の構造が見えることで、シンプルで洗練された印象を与えます。現代的なデザインやミニマリストスタイルによく合います。
開放感: 階段が空間の中で目立つため、部屋全体がより広く感じられます。
素材と構造: スケルトン階段には、ガラス、スチール、木材などの素材が使われることが多いです。特にガラスのステップや手すりは、視覚的に軽やかでエレガントです。
メンテナンス: スケルトン階段は、隙間や構造が見えるため、定期的な清掃が必要です。特にガラスのステップは、汚れが目立ちやすいです。
安全性: 階段が露出しているため、安全性にも配慮が必要です。特に手すりや階段の踏み板が滑りにくいように設計されていることが重要です。
スケルトン階段は、デザイン性が高く、空間に個性的なアクセントを加えるのに最適な選択肢ですが、コストやメンテナンスにも注意が必要です。
スケルトン階段の設計方法
スケルトン階段の設計にはいくつかの重要なステップがあります。以下は、スケルトン階段を設計する際の一般的なプロセスです:
1. 計画と要件の確認
目的の明確化: スケルトン階段をどのような目的で使用するか、デザインに求める機能やスタイルを明確にします。
スペースの評価: 階段を設置する場所の寸法や形状、天井の高さ、他の構造物との関係を確認します。
2. デザインの決定
デザインスタイル: モダン、ミニマリスト、インダストリアルなど、望むスタイルに合わせたデザインを決めます。
素材の選定: スケルトン階段に使用する素材を選びます。例えば、ガラス、スチール、木材などが考えられます。
踏み板と支持構造: ステップの素材と厚さ、支持構造(例えば、壁に取り付ける場合や中央に支柱を設ける場合など)を決定します。
3. 構造の設計
支持構造の設計: 階段の重量を支えるための支持構造を設計します。例えば、壁に取り付ける場合や、フレームを用意する場合などです。
踏み板の配置: 踏み板の間隔や配置を決定します。一般的に踏み板は等間隔で配置されますが、デザインに応じて調整が可能です。
手すりの設計: 手すりの高さや素材、デザインを決定します。手すりが必要ない場合もありますが、安全性を考慮して設置することをおすすめします。
4. 設計図の作成
詳細な設計図: 階段の詳細な設計図を作成します。これには、寸法、素材、構造の詳細が含まれます。
3Dモデルの作成: 3Dモデリングツールを使用して階段の視覚的なイメージを作成することで、完成イメージを具体化します。
5. 施工
施工業者の選定: 経験豊富な施工業者を選び、設計図に基づいて施工を依頼します。
材料の調達: 選定した素材を調達します。特にガラスやスチールなど、特殊な素材は事前に手配する必要があります。
施工の監理: 施工中に設計図通りに進行しているかを確認し、問題があれば修正します。
6. 完成と検査
完成確認: 階段が完成したら、デザインと機能が仕様通りであるか確認します。
安全性の検査: 階段の安全性を確認し、必要に応じて調整や追加の手すりを設置します。
清掃と仕上げ: 施工後に清掃を行い、仕上げを確認します。
スケルトン階段の設計は、見た目の美しさだけでなく、構造的な安全性や実用性も考慮する必要があります。プロの設計者や施工業者と相談しながら進めると良いでしょう。
スケルトン階段の作り方
スケルトン階段を自分で作る場合、以下の手順を参考にして設計と施工を進めることができます。ただし、スケルトン階段は高度な技術と慎重な設計が必要なので、専門家の助言を受けることをお勧めします。
1. 計画と設計
1.1 スペースの評価
寸法の測定: 階段を設置する場所の幅、奥行き、高さを測定します。設置場所の制約や周囲の構造も確認します。
設計要件の定義: 階段のスタイル、素材、寸法を決定します。設計に含めたい機能やデザイン要素を明確にします。
1.2 デザインの作成
設計図の作成: 階段の詳細な設計図を作成します。3Dモデリングツールを使うと、完成イメージがしやすいです。
素材の選定: 踏み板、支持構造、手すりなどに使用する素材を決定します。例えば、ガラス、スチール、木材などがあります。
2. 材料とツールの準備
2.1 材料の調達
踏み板: ガラス、木材、スチールなど。選んだ素材に合わせたサイズと厚さを確認します。
支持構造: スチールフレーム、木製のビームなど、支持構造に必要な材料を準備します。
手すり: 材料とデザインに合わせた手すりを用意します。
2.2 ツールの準備
基本工具: ドリル、鋸、水平器、メジャー、ドライバーなどを準備します。
安全装置: 保護メガネ、手袋などの安全装置を用意します。
3. 施工
3.1 支持構造の設置
取り付け位置のマーキング: 壁や地面に支持構造を取り付ける位置をマーキングします。
取り付け: 支持構造を取り付けます。スチールフレームの場合、適切なアンカーやボルトを使用します。木材の場合、しっかりと固定するための金具やビスを使います。
3.2 踏み板の取り付け
踏み板の位置決め: 踏み板の位置をマーキングし、設計図通りに配置します。
取り付け: 踏み板を支持構造に取り付けます。ガラスの踏み板を使用する場合は、専用のブラケットや支持構造を使います。木材やスチールの踏み板は、しっかりと固定されているか確認します。
3.3 手すりの設置
手すりの取り付け位置の決定: 手すりを取り付ける位置を決め、マーキングします。
取り付け: 手すりを支持構造や壁に取り付けます。しっかりと固定し、安全性を確認します。
4. 仕上げと検査
4.1 仕上げ作業
清掃: 施工後に現場を清掃し、材料や工具の片付けを行います。
仕上げ: 必要に応じて、塗装や仕上げの作業を行います。ガラスの場合は、指紋や汚れを取り除くクリーニングが必要です。
4.2 安全性の確認
点検: 階段のすべての部分が正しく取り付けられているか確認します。
試運転: 階段を実際に使用し、安定性や安全性をチェックします。特に踏み板のぐらつきや手すりの強度を確認します。
スケルトン階段の作成は技術的な挑戦が伴うため、設計や施工の過程でプロの助言を受けることが重要です。また、地元の建築基準や安全規制にも従うようにしてください。
住まいの設計・計画の解説
→収納計画