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執筆者の写真t-ogino

借景・良い眺めを積極的にとり込み、嫌なモノは隠す窓の設計方法。桜と中庭の家(東京都北区)

更新日:11月26日


赤レンガ倉庫を借景にした間接照明のあるリビング

家から眺める景色。

良い景色を室内から眺められ楽しむことを、借景といいます。景色を借りてくることです。

近くに、良い眺めがあれば室内から見える様に、積極的に取り込み、逆にあまり見たくない景色は、隠してしまいましょう。

桜を借景にしたリビング

リビングからの眺め

敷地のまわりに、公園や街路樹、庭など眺めの良いものがあれば、眺められる位置に窓をつくり景色を借りてしまいましょう。

写真のように、レンガ造りの素敵な建物が眺められたり、家の前の桜の木を眺めることで、四季を感じ、自然を室内に取り込んだ家になります。

製作本棚を組み込んだ家事室

見たくないものは見ない

家のまわりは、良い景色ばかりではありません。

見たくない景色もあります。

汚れたブロック塀や、隣の家の窓など見たくないものの方向には、窓をつけず壁にして隠してしまいましょう。

特にお隣の窓と向かい合った位置に窓をつけると、お互いに覗きあう関係になってしまい、気まずい想いをします。

結果、一日中カーテンを閉め切った、窓になってしまいます。

写真の窓は、隣の壁しか見えませんが、隣家と窓の位置が合わない様に場所を変えたため、相手の窓は見えないながら、光と風を取り込んでいます。



借景とは


「借景(しゃっけい)」とは、主に日本の庭園や建築で用いられる設計手法の一つで、周囲の自然景観を意識的に取り入れることで、敷地内の景観を豊かにする方法です。具体的には、周囲の山や川、樹木などの自然環境を自分の庭や家から見えるようにすることで、敷地の限られた空間を広がりのあるものとして演出します。


借景の特徴

  1. 遠景を取り込む: 敷地の外にある景観を意識的に取り入れ、自分の庭や家の景観を豊かにする。

  2. 視線の調整: 外の景色を意識して、窓や庭のレイアウトを工夫し、自然と調和した美しい視界を作る。

  3. 季節感の演出: 季節ごとに変わる自然の景観を借りて、庭や建物の雰囲気を一層引き立てる。


実際の例

  • 庭園: 庭の中に位置する池や草花と、遠くに見える山々や湖などを調和させることで、より広がりを感じさせる。

  • 住宅の設計: 窓から見える周囲の樹木や山を意識して、居住空間から美しい自然の一部を「借りる」ように設計する。


借景は、限られた空間でも自然の美しさを最大限に引き出すための素晴らしい方法です。あなたの屋上スペースに桜や空の景観を取り入れる際にも、近隣の風景を上手に借景として活用することができるでしょう。


借景を活かす住宅の設計方法


借景を活かした住宅の設計には、いくつかの重要なポイントがあります。以下に、具体的な設計方法を詳しく説明します。


1. 周囲の景観を理解する

  • リサーチ: 住宅を建てる前に、周囲の自然環境や景観をよく観察します。特に、どの方向から美しい景色が見えるのか、季節による変化はどうかを確認します。

  • 視線の確認: 自宅の立地や周囲の環境を考慮して、どの景観が最も効果的に取り込めるかを評価します。


2. 窓や開口部の配置

  • 大きな窓やガラス張りの壁: 景観を最大限に活用するために、外の景色がよく見えるように大きな窓やガラス張りの壁を設けます。

  • 視線の調整: 見え方を工夫するために、窓の高さや配置を調整して、外の景観が最も美しく見えるようにします。


3. 屋外スペースのデザイン

  • テラスやバルコニー: 外の景色を楽しむために、テラスやバルコニーを設けることで、居住空間と外の自然をつなげます。

  • 景観のフレーミング: 特に美しい景観をフレーミングするように、外部の要素(例えば、木のトンネルやガーデンアーチなど)を設置して、見え方を強調します。


4. 内部空間の設計

  • 内外の一体感: 室内と屋外の空間が自然に連携するように設計します。例えば、リビングルームの延長としてデッキを作るなど。

  • 素材選び: 内装と外装で使用する素材を統一することで、内外の一体感を高めることができます。


5. 風景に合わせたレイアウト

  • 景観に合わせた配置: 家の配置や部屋のレイアウトを工夫して、最も美しい景色がよく見える場所に居住空間を配置します。

  • プライバシーと景観: プライバシーを確保しつつ、外の景観を楽しめるように、窓の位置や間取りを工夫します。


6. 季節や時間帯を考慮する

  • 季節ごとの変化: 季節によって変わる景色(桜の花、紅葉など)を楽しむために、各季節に合わせた設計を検討します。

  • 日光の取り入れ: 朝日や夕日など、時間帯によって変わる光の取り入れ方も考慮します。


7. メンテナンスと管理

  • 定期的な手入れ: 借景を活かすためには、外部の景観や緑地が手入れされている必要があります。定期的なメンテナンス計画を立てることも重要です。


これらのポイントを考慮することで、住宅が周囲の自然景観と調和し、生活空間としての魅力を引き出すことができます。


リビングから桜の木が眺められる家


リビングから桜の木を眺められる家は、以下のような多くの魅力があります:


1. 季節感の豊かさ

  • 四季の変化: 桜の木は春に美しい花を咲かせ、その変化をリビングから楽しむことができます。桜の開花や散り際など、季節ごとの変化を間近に見ることで、日常生活に季節感が加わります。

  • 自然の美しさ: 桜の花は一斉に咲くため、その美しさは圧巻です。リビングから見る桜の景色は、自然の美しさを存分に楽しむことができます。


2. 心の安らぎとリラックス

  • リラックス効果: 桜の花を眺めることで、心がリラックスし、ストレスが軽減される効果があります。自然の美しい景色は、精神的な安らぎをもたらします。

  • 癒しの空間: 窓から見える桜の木は、リビングを癒しの空間に変え、家族や友人と過ごす時間を一層心地よいものにします。


3. インテリアの美しさ

  • 自然のアート: 桜の木は自然が作り出すアートのようなもので、リビングの景観に美しさを加えます。春の桜の花がリビングの窓から見えることで、自然と調和したインテリアが完成します。

  • 自然光の活用: 桜の木があることで、窓から差し込む光が柔らかくなり、室内が自然光で明るく、居心地の良い空間になります。


4. 家族やゲストの楽しみ

  • 家族の楽しみ: リビングから桜の木が見えることで、家族が共に桜の花を楽しむことができるのは素晴らしい体験です。花見のような感覚で、家族の時間を楽しむことができます。

  • ゲストへのおもてなし: 家に訪れるゲストに対しても、美しい桜の景色を提供できるのは素敵なおもてなしです。季節ごとに変わる桜の風景が、ゲストに良い印象を与えます。


5. プライバシーの確保

  • 自然のスクリーン: 桜の木があることで、外からの視線を遮る自然のスクリーンとして機能し、プライバシーを確保する助けになります。特に春の桜の花が咲くと、その美しさが視線を和らげます。


6. 写真や思い出の場

  • 思い出の撮影: 桜の花が咲く季節は、写真を撮るのに最適な時期です。家族の特別な瞬間やイベントを、リビングから見える桜の木と共に写真に収めることができます。

  • 年に一度のイベント: 桜の花が咲く季節は毎年のイベントとなり、家族や友人とともに楽しむ特別な時間を作ることができます。


リビングから桜の木を眺めることは、視覚的な美しさだけでなく、感情的な豊かさも提供してくれる素晴らしい体験です。自然と調和した住空間は、生活に多くの喜びと安らぎをもたらします。


美しくない景色を見えない間取りに


美しくない景色を見えないようにするためには、間取りや設計の工夫が必要です。以下の方法が考えられます:


  1. 視線の遮断:

    • パーティションやスクリーン: 部屋の内部にパーティションやスクリーンを設置して、美しくない景色を隠します。

    • 高いフェンスや生け垣: 窓の外に高いフェンスや生け垣を植えて、視界を遮ることができます。


  2. 窓の位置と形状:

    • 窓の配置: 美しくない景色が見えないように、窓を他の場所に配置することを検討します。

    • 小さな窓や上部窓: 小さな窓や上部に位置する窓を使って、美しくない景色を直接見えないようにします。


  3. 景観の改善:

    • グリーンの活用: 窓の外にプランターや鉢植えを置くことで、美しい緑を取り入れて景観を改善します。

    • 人工的な景観: 壁面緑化や人工的な景観装置を使って、視覚的に美しいものを提供します。


  4. 内装の工夫:

    • 窓のカバー: カーテンやブラインドを使って、美しくない景色を見えなくすることができます。

    • アートパネルや装飾: 窓の周りにアートパネルや装飾を設置して、視覚的に魅力的な空間を作ります。


  5. 光の調整:

    • 光の角度: 窓の位置や形状を調整して、光が美しくない景色を直接照らさないようにすることも一つの方法です。

    • ガラスの種類: 外の景色をぼかすことができる frosted glass や tinted glass を使うことで、視覚的に美しくない部分を隠すことができます。


これらの方法を組み合わせて、居心地の良い空間を作ることができます。




住まいの設計・計画の解説


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