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  • 執筆者の写真t-ogino

ライフスタイルは、家族それぞれの「生活のクセ」+「理想への想い」



いい家とは、そこに住む家族の色のある家ではないかと、考えています。

生活には、ご家族それぞれのクセの様なものがあります。

今まで暮らして来た生活スタイルと、これから形にしていきたい理想のライフスタイル。

その接点を探し設計していくことが、家族独自の色のある、家になっていきます。

家づくりで考える。これまでの生活習慣をすてる?引きづる?

住宅設計の打合せをしていると、意外な程、ひんぱんに浮かび上がって来る、話題があります。

特に間取りのプランニングを進めている時に、それはおこります。。。。。。

そう。これまで住んでいた家と全く同じ家にして欲しい!そういったご要望です。

ま。実際はそこまでの話では無く、プランニングをしている中で、なんとなく部屋の配置が今の住まいと同じ配置の案を好みやすいという話です。

同じ間取りにするなら、新しく家を建てなくても・・・・・

などとも思いますが、住宅の耐用年数も含め建て替えをする理由は、色々あります。

これまで、住宅設計の打合せをして来た中で、わりと年長者の方にこういった傾向が多くみられました。

でも、これ、解りますよね。

新しい生活と言っても、これまでの生活スタイルを全て取りやめて、一新するのは中々大変。

特に年長の方ほど、生活習慣を変えるのはハードルが高い。。。。と思っていました。

先日は、私と同世代の旦那様、お若い奥様とプランニングの打合せをしていた処、ふと今の家は台所がこちらの方向だから、今度も同じ方が一般的なんじゃないのか?という話がでました。

ちょっと驚きました。

それまでの打合せでは、明るい家にしたいけれど、西日が暑いのは嫌だな。

じゃあ、西日は1回外壁で反射させてから、中庭通して家の中に引き込もう。

などと、結構大胆な空間作りを一緒にしていたので、あら、あら、と。

考えてみれば当然で、生活しているシーンを想像しやすいのは、今の家が一番想像しやすいからです。

間取りの打合せでこの話しが出るのは、やはり建て替えの方が多く、賃貸マンションやアパート住まいの方は間取りの部分では出てきません。

また、考えて見れば年齢にも関係ないかもしれません。

定年間近のご夫婦のお宅を設計した時は、他では見ない、面白い間取りにして欲しい!とご要望があったこともありました。


生活してきた中でのクセとは

これまで生活して来た中で形づくられた、生活習慣。

もうちょっと人間くさく言うと「クセ」のようなものが、がっちり身に付いています。

個人個人にも身に付いていますが、家族としてもクセがあります。

朝、起きるのは7時だけれど、ベットを出るのは30分くらいかかり、起きたらまずトイレに行くのか、鏡をみるのか。。。。。

ノンビリしている時は、ソファーで寝そべっているのか、ダイニングでコーヒーを飲んでいるのか。

料理をする時の、包丁の持ち方やまな板の向きも人それぞれ違います。

それらを、全て変えるのは至難の技です。

新しい家をつくる時は、自分と家族がどんなクセを持って生活をして来たのかを、把握したい処です。

人のクセは無くて七癖。

気づかないところにクセはあるものです。

そして、止めたいクセも考えておきたい。

外出から帰ってきて、荷物をその辺に適当に置いてしまい、家族にちょっと嫌がられているのであれば、帰ってきたら荷物をすぐ置ける場所に、専用の収納をつくれば止めたいクセも解決します。

これは、一軒家住まいで建て替えの方だけではなく、マンションやアパート暮らしで新築の住まいを考えている方、全てに当てはまります。

理想のライフスタイルと、これまでのクセをどう扱うか?

家づくりをするとき、多くの方がこれまでの生活とは異なり、新しい理想のライフスタイルで生活をする間取りにしたいと考えるものです。

これまでの家では、出来なかったけれど、今度はこんな生活がしたい。

家族が団欒しやすい、間取りはどんな間取りか?

そんな想いを持つことが、理想の家づくりの第1歩かもしれません。

理想のライフスタイルと、これまでの生活習慣。

ガラッと変わりたくても、クセはついてきます。

そこで、理想とクセが共通する接点を形にすることが、生活しやすい家づくりにつながり、住まい手のご家族らしい色のある家になります。

設計の打合せをしていても、この接点がどこにあるんだろう~と思いを巡らしながら、個別の生活習慣を取り入れながら、これからの生活への想いを汲めるヒアリングを心がけています。

大きな間取りの部分にも、関わりますが、細かな収納内部の配置や、キッチンパントリーの形、洗面・洗濯の動線など細かな処の設計にこそ、ライフスタイルは反映されます。

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