コンパクトで、明るく開放的
建物概要
所在地:東京都北区
構造:木造
用途:一戸建ての住宅・リノベーション
敷地面積:42.95㎡(12.99坪)
延床面積:79.38㎡(24..01坪)
Design:Ogino Takamitsu Atelier
Photo:Archipicture
施主の想い
光と風が気持ちよく入った家に住みたい!そんな設計ができる設計者を探していたということでお声かけいただきました。
現状住んでいる家が道路の拡幅により、立ち退かなくてはならないという事情があり、中古の住宅を購入してリノベーションを行い、自分達らしく住む家に変えて行きたいとの事でした。当初、幾つかの購入候補の資料をお持ちいただき、リノベーション出来るかなどのアドバイスをさせて貰い、その後、住んでいるそばの中古住宅を購入されリノベーション設計が始まりました。
住宅密集地でどうしても1階は暗くなりがちなので、光を1階まで通したい。一緒に住んでいる高齢な母親が不自由なく住める人に優しい家にしたい。天井はなるべく高く、圧迫感の無い住まいにしたい。それぞれの個室をつくりたいとの事でした。
要望のポイント
・光と風をとりこんだ家
・高齢な母親が安心して生活できる
・圧迫感を無くす
・それぞれ個室をもつ
・家具をつくる事で生活し易さを実現する
提案・設計内容
光と風を取り入れる為に、階段の上部にトップライト(天窓)をつけ、屋根から光を取り入れ壁に反射し、1階まで光がおりてくる設計をしています。階段は蹴込板の無いスケルトン階段。廊下をFRPグレーチングにして階段と一緒に、1階まで光がおりてくる、光の通り道にしました。
天井の高さが低い住宅だった為、仕上られていた天井を一部撤去し、梁材などを露出させて天井の高いリビングを実現しました。元々リビングと廊下で隔てられていた階段の間の壁を無くし、廊下の無い大きなリビングにしています。
階段は勾配(角度)をゆるくした階段に直し、上下に移動しやすい階段にしました。日常使う手摺も廻しながら、落下防止を兼ねた丸材をいれることで、狭くならず安全に上り下りできる階段にしています。玄関の出入り口を変えるなど、安全な生活が出来る様、リノベーションしました。玄関は座って靴を脱ぎ着出来る場所をつくっています。
奥様の部屋にはウォークインクローゼットがつく間取りに、変更しました。お持ちの箪笥を入れる場所、持っている服の量・服の掛け方など、打合せを綿密に行い使い勝手の良いウォークインクローゼットになっています。
小さな家のリノベーション設計の為、購入する家具ではサイズが合わず、必要なモノが必要な場所に置いておけないという事になってしまいます。そこで生活スタイルに合った家具をつくる事で、生活のし易さを追求しました。
キッチン横には冷蔵庫置場と一体の、作りつけ収納をつくり、お持ちの食器やオーブンレンジ・炊飯器などがピッタリ入る家具にしています。キッチン横のカウンターサイドにも収納家具を仕込むなど、ちょっとした場所も収納に変え、食材・食器・調味料などサイズに合わせた収納家具をつくる事で、多くのものが入るスペースをつくりました。
下足入れは、扉の裏側に帽子掛けをつくるなど、帽子好きの奥様にあったオリジナルの下足入れになりました。
完成後の様子と施主様の声
元々住んでいた家より、小さな家になる為、モノがあふれないか?上手く住めるのか?心配しましたが、引越し後に伺った処、きちんと収納もきちんとされ想定通りの生活が出来ていました。また、ちょっとした窓枠を飾り棚にするなどの工夫もされていて、居心地良さを感じる家になっています。