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執筆者の写真t-ogino

視線、光、風、景色、外から見られる事、全てを調整する開口部の設計。桜と中庭の家(東京都北区)

更新日:8月21日


住宅立面のスケッチ

開口部のデザインをしています。 住宅のデザインって、開口部が全てなのでは?と思う程、開口部のデザインは重要ですね。 人の視線、自然の光、風、周辺の景色、外から見られる事、全てを調整する役割を開口部は備えています。 そう調整機能。 見栄えは、2の次。 どんな環境を形成して行くのかが大事。 開口部には、それぞれ、意図・必然性が有ってその形状、その配置になります。 なので・・・・・ただ、かっこ良いから、真四角の小さな窓、並べてみたり・・・みたいなデザインは、ノー・サンキュー。 もちろん、見栄えもグッドにします。


開口部の設計は、建物の機能性と美しさを大きく左右する重要な要素。視線、光、風、景色、そして外からの視認性を調整するための設計手法が幾つかあります。


視線の調整


窓の高さとサイズ

窓の高さを調整することで、外からの視線を遮ることができます。例えば、プライバシーを確保したい場合には、窓を高い位置に設置し、視線が直接入らないようにします。また、窓のサイズを工夫することで、外部の視線を防ぎつつ自然光を取り入れることができます。


ガラスの種類やトリートメント

透明度の調整が可能なガラスを使用することで、プライバシーを保ちながら視線を調整します。また、カーテンやブラインド、シェードを使って、視線の入り方を調整するのも一つの方法です。


光の調整


ガラスの種類

 窓の大きさや形、ガラスの種類(例えば、遮光ガラスや断熱ガラス)を選ぶことで、室内に取り入れる光の量や質を調整します。


遮光ガラス:特定の波長の光をカットするガラスで、直射日光を和らげることができます。

調光ガラス:照明の明るさや室内の必要に応じて透明度を調整できるガラスです。

反射ガラス:外部の眩しい光を反射し、室内に入る光を抑えます。


窓の配置とサイズ

南向きや北向きの窓配置を工夫することで、光の取り入れ方をコントロールします。


トップライト

屋根に設置する窓で、上からの自然光を取り入れる方法です。日中の光を均等に拡散させることができます。


スカイライト

天井に設けられる窓で、自然光を室内に取り入れますが、日差しが強すぎる場合は、調整可能なシャッターやブラインドが必要です。


遮蔽物の使用

オーニング:窓の外に取り付ける日よけで、光の入り方を調整できます。

ブラインドやカーテン:室内で光の量を調整するために使用します。自動調整機能がついたものもあり、光の強さに応じて開閉します。


風の調整


自然換気の設計

窓や通風口を対角線上に配置することで、風が自然に流れる通路を作り出し、室内を効率的に換気します。高い位置に通風口を設け、暖かい空気が上昇することで、自然な空気の循環を促進します。


風向きと通風

建物が立地する地域の風向きを考慮し、風が通りやすい場所に開口部を設けます。地域によっては季節ごとに異なる風のパターンを分析することが重要です。


景色の調整


窓の形状と位置

広い景色を楽しむために大きな窓を使用しますが、視界を遮る障害物がない場所に設置することが大切です。窓を特定の風景に合わせて設計し、額縁のように景色をフレーミングします。


バルコニーやテラスの活用

窓から見える景色を最大限に活用するために、バルコニーやテラスを設けることで、屋外での景色も楽しむことができます。


外から見られることの調整


プライバシー保護

外部からの視線を遮るために、デザイン性の高いフェンスやスクリーンを設けると効果的です。外部にグリーンウォールやシェードツリーを設けることで、自然な方法でプライバシーを確保できます。


建物の用途や住む人のニーズに合わせて設計することで、快適で機能的な開口部を実現することができます。



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