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執筆者の写真t-ogino

半地下住宅をつくるために、地盤を掘って支える。矢板・床付け。桜と中庭の家(東京都北区)

更新日:11月26日


矢板と土留め

地盤を掘削して、床付け、土留めを行いました。 半地下でかつ、隣地からの離れの少ない、間口の狭い都市型の敷地の為

土が崩れてこない様、土留めを行っています。


H鋼を打ちこみ、横矢板を入れる方法で、施工者さんがかなりしっかりした土留めを行ってくれました。バッチリ!! 今回地盤調査(ボーリング)の結果、強固な地盤が出たので杭施工は無し、ベタ基礎で行います。その為、実際に掘削した段階で、データ通りの良好な地盤面が出るか、確認。きれいな地盤が出てました。一安心。 そうそう、基礎を打つ地盤面まで掘る事を、床付けと言います。

都心の、戦前からの古い区画なので、配管の越境なんかも有り整理しながら現場で進めてくれています。都心の狭小住宅街での施工は慎重さが必要になりますね。

半地下住宅について


半地下住宅(はんちかじゅうたく)とは、住宅の一部が地下に埋め込まれた形態の建物のことを指します。具体的には、地面よりも下に位置する部分がありながら、地上にも一部が出ている住宅です。このような構造は、以下のような目的や特徴があります。


  1. 土地の有効活用: 都市部では土地が高価で限られているため、半地下の設計はスペースを有効に活用する手段となります。


  2. 気候調整: 地下に近い部分は地面の温度に影響されにくく、温度が安定しているため、暑い夏や寒い冬に対して一定の温度を保つのに役立つことがあります。


  3. プライバシーの確保: 半地下住宅は外からの視線を遮ることができるため、プライバシーを保つのに有利です。


  4. 防災: 地震や洪水などの災害からの防護手段として、地面に埋め込まれている部分が役立つこともあります。


ただし、半地下住宅には湿気やカビ、通気の問題などのデメリットもあります。適切な防湿対策や換気が必要です。


半地下はどうやって掘る?


半地下住宅を建設する際の掘削方法は、構造の安全性や周囲の環境、地盤の状況などに応じて慎重に計画する必要があります。以下は一般的な掘削のプロセスと注意点です。


1. 設計と計画

  • 設計: 建築家やエンジニアと相談し、半地下の設計を決定します。地下部分の深さや広さ、構造の安全性を考慮します。

  • 許可: 地元の建築基準や規制に従って必要な許可を取得します。


2. 土地の準備

  • 現場調査: 地盤調査を行い、土壌の種類や地下水位を確認します。これにより適切な掘削方法と排水対策を計画します。

  • 安全対策: 周囲の建物や道路、地下施設(電線や水道管など)の確認を行います。必要に応じて仮設の安全対策を講じます。


3. 掘削作業

  • 基礎の設置: 掘削を開始する前に、周囲を囲むための仮設基礎や壁を設置します。これにより、掘削中の崩落を防ぎます。

  • 掘削: 掘削には手動のシャベルやショベルカー、大型の掘削機械などが使用されます。手作業の場合、土を少しずつ掘り進める必要があります。機械を使用する場合は、土壌の種類に応じた適切な機械を選びます。

    • 排水: 掘削中に地下水が出てくる場合があります。適切な排水システム(ポンプや排水溝など)を用意して、水位を管理します。

    • 土砂の処理: 掘削で出た土砂を適切に処理するために、運搬や処分方法を決めます。


4. 防水と換気

  • 防水処理: 半地下部分が地下水や湿気の影響を受けないように、防水処理を施します。防水シートやコンクリートの防水材を使います。

  • 換気: 半地下部分が湿気や悪化した空気の問題を抱えないように、十分な換気を確保します。換気扇や通気口を設置します。


5. 構造の強化

  • 壁の強化: 地下部分の壁や基礎を強化し、安定性を保ちます。鉄筋コンクリートや耐圧の強い材料が使われることが一般的です。

  • 仕上げ: 内部の仕上げや設備の設置を行い、居住空間として使用できるようにします。


6. 点検と確認

  • 安全点検: 掘削と建設が終わった後、専門家による安全点検を行い、問題がないことを確認します。


これらの手順を踏むことで、半地下住宅の掘削と建設が安全に行えます。ただし、地域や状況によって異なる場合があるため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。


床付けとは?


「床付け(ゆかづけ)」は、建物の基礎工事における重要な工程で、地盤や基礎の上に床を設置する準備を整える作業を指します。具体的には、建物の内部の床を設置するための基盤を作るプロセスであり、以下のような手順や注意点があります。


床付けのプロセス

  1. 基礎の確認

    • 基礎工事: 基礎が完成していることを確認します。基礎は建物の重さを支えるための重要な部分であり、コンクリートや鉄筋コンクリートで作られます。


  2. 地面の整地

    • 整地作業: 基礎上の地面を水平にし、平らにします。土が不均一であれば、埋め戻しや盛り土を行い、均一な面を作ります。

    • 転圧: 土を踏み固めることで、地面の安定性を確保します。これにより、床の沈下やひび割れを防ぎます。


  3. 防湿・防水対策

    • 防湿シート: 床下の湿気を防ぐために、防湿シートを敷くことがあります。これにより、湿気が床に浸透するのを防ぎます。

    • 防水処理: 地下や半地下部分では、防水処理が特に重要です。防水塗料やシートを用いて基礎の防水を確実にします。


  4. 床下構造の設置

    • 床下地: 床の下地を作ります。これは通常、木材や合板、コンクリートなどで構成され、床仕上げ材を支える役割を果たします。

    • 断熱材の設置: 床下に断熱材を設置することで、熱の損失を防ぎ、エネルギー効率を向上させます。断熱材は特に冷暖房の効率に影響を与えます。


  5. 床の設置

    • 下地のチェック: 床下地がしっかりと設置されていることを確認します。水平や強度が問題ないかチェックします。

    • 仕上げ材の設置: フローリング、タイル、カーペットなどの仕上げ材を設置します。仕上げ材の選定は、美観や用途に応じて行います。


  6. 最終確認

    • 品質チェック: 床の水平や強度を最終確認し、問題がないかをチェックします。

    • 掃除: 作業後に床面を清掃し、施工後の細かい調整を行います。


注意点

  • 地盤の安定性: 地盤が不安定な場合は、適切な対策(追加の基礎工事や補強など)を講じる必要があります。

  • 湿気対策: 特に地下や半地下部分では、湿気対策が重要です。防湿シートや防水処理が効果的です。

  • 施工精度: 床の設置は精度が重要です。水平や均一性に注意し、仕上がりが良好であることを確認します。


床付けは建物の快適性や耐久性に大きく影響しますので、適切な施工と品質管理が求められます。


土留めとは?


土留め(どどめ)は、掘削や地盤改良作業中に土壌が崩れたり滑り落ちたりするのを防ぐための工法です。これは特に基礎工事や地下工事で重要な工程です。土留めは、掘削した土壌や土塁の崩壊を防ぎ、作業エリアの安全を確保します。以下は、土留めの基本的な知識と一般的な工法についての説明です。


土留めの目的と必要性

  1. 土壌の安定性確保: 掘削作業や地下工事中に土壌が崩れることを防ぎ、作業エリアの安全を保ちます。


  2. 周囲の保護: 周辺の建物や道路、インフラへの影響を最小限に抑えるために、土壌の崩壊を防ぎます。


  3. 作業の効率化: 安全で安定した作業環境を提供し、工事がスムーズに進行するようにします。


土留めの主要な工法

  1. 仮設支保工

    • シートパイル工法: 金属や木材のシートパイルを地面に打ち込んで壁を作り、土壌の崩壊を防ぐ方法です。シートパイルは連続して打ち込まれ、強固な土留めを提供します。

    • コンクリート板: コンクリート製の板を使用して土留めを行います。これも比較的簡単に施工できますが、土壌の圧力に耐えられるように設計する必要があります。


  2. 掘削支保工

    • H型鋼や鋼管杭: H型鋼や鋼管杭を使用して、土壌を支える支保工を設置する方法です。これにより、掘削中の土壌の崩れを防ぎます。

    • バーチカルシート(縦型シート): 縦型に設置されたシートが土壌の崩壊を防ぎます。これもシートパイルと似た方法ですが、設置方法や材料が異なる場合があります。


  3. 土留め壁(擁壁)

    • 重力式擁壁: 重さで土壌を押さえつけるタイプの擁壁です。コンクリートや石材で作られ、簡単な設計で安定性を提供します。

    • アンカー擁壁: 地中にアンカーを打ち込み、その力で擁壁を支える方法です。強い土壌の支持が必要な場合に用いられます。

    • 地中連続壁(CFT、CFA): コンクリートを地中に連続して打ち込み、土壌を支える方法です。特に深い掘削や地下工事で使用されます。


  4. 土留め用地盤改良

    • 地盤改良工法: 土壌の強度を高めるために、地盤改良剤を混ぜ込んだり、圧縮したりする方法です。これにより土壌の安定性が向上します。


土留め施工の注意点

  1. 安全性: 土留め工法は施工中の安全性を確保するために、適切な設計と施工が必要です。安全基準や規制に従い、設計を行います。


  2. 地盤調査: 土壌の種類や地下水位を事前に調査し、適切な土留め工法を選択します。


  3. 耐久性: 土留めの材料や構造は、長期的な使用に耐えるものである必要があります。特に地下や湿気の多い環境では耐久性が重要です。


  4. 周囲への影響: 土留め工事は周囲の建物やインフラに影響を与える可能性があるため、周囲の状況を考慮した施工が求められます。


土留め工法は、建設プロジェクトの安全性と効率性を確保するための重要な要素であり、適切な計画と施工が必要です。



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