基礎コンクリート打設しました。 設計者は、工事中は現場監理を行います。 現場監理って何をやってるの?と思われがちですが、 実は、設計と同じくらいのエネルギーを掛けています。 良い、質の高い空間・住まいを実現するには、設計の検討事項が多くなります。 その設計を実現する為の施工時の検討が、複数必要になります。 細かい処を、きちんと作って行く事も、質の高い空間を実現する為には必要な事で、現場監理には、大きな労力が掛かります。 まず、コミュニケーションを厚くして行かないと、高品質は実現出来ない。 住まいをつくるには、現場代理人や棟梁から、職人さん、設備屋さんに、電気屋さん複数の人が関わります。 その複数の人達に、同じ、問題意識を持って貰い、良いモノをつくるという共通のゴールを認識して貰う事が、大事です。当たり前の事ですが、成功する為のキモです。
建築における現場監理とは?具体的に。
建築における現場監理(げんばかんり)とは、建設現場での工事が設計図や契約内容に従って適切に進められているかを監督する役割のことです。現場監理を担当するのは通常、建築士(建築設計者)です。
現場監理の主な業務には以下のようなものがあります
工事の進捗管理:工事が予定通りに進んでいるかを確認し、遅れがある場合には原因を調査し、対策を講じます。
品質管理:使用される材料や施工方法が設計図や仕様書に適合しているかを確認し、品質の確保を行います。
安全管理:工事現場での安全対策を確認し、作業員の安全を確保します。事故や怪我が発生しないように注意を払い、必要な指導を行います。
コスト管理:工事が予算内で進行しているかをチェックし、予算オーバーの原因を探り、コスト削減策を検討します。
法規制の遵守:建築に関する法律や規制に従って工事が行われているかを確認し、違反がないようにします。
コミュニケーション:設計者、施工業者、クライアントとの連絡や調整を行い、問題が発生した場合には迅速に対応します。
現場監理は、建物の完成度を高めるだけでなく、工事の安全性やコスト効率も向上させるために非常に重要な役割を果たしています。
現場監理を適切に行うには
現場監理を上手く行うためには、以下の方法やポイントを意識すると良いでしょう
1. 計画と準備を徹底する
事前確認:プロジェクトの設計図、仕様書、契約内容を十分に理解し、事前に確認しておく。
スケジュール管理:工事のスケジュールを詳細に立て、各作業のタイミングや順序を明確にする。
2. 定期的な現場巡回
定期的なチェック:工事現場に定期的に足を運び、進捗状況や施工品質を確認する。
即時対応:問題が発生した場合には速やかに対応し、修正を行う。
3. コミュニケーションの強化
関係者との連絡:設計者、施工業者、クライアントなど、関係者とこまめに連絡を取り、情報共有を徹底する。
ミーティングの実施:定期的に現場ミーティングを開催し、進捗状況や問題点を共有する。
4. 品質管理
材料と施工方法の確認:使用する材料が仕様書に合致しているか、施工方法が正しいかを確認する。
検査の実施:定期的に品質検査を実施し、問題があれば早期に対応する。
5. 安全管理
安全対策の徹底:現場での安全対策を常に確認し、作業員に対する安全教育を行う。
事故防止:危険箇所のチェックと改善策の実施を怠らず、事故防止に努める。
6. コスト管理
予算の管理:予算内で工事が進むように、コストの管理を行う。
変更管理:設計変更や追加工事があった場合、費用の見積もりと調整を適切に行う。
7. 書類と記録の管理
記録の保持:工事の進捗や問題点、変更点などを詳細に記録し、必要な書類を整備する。
報告書の作成:定期的に進捗報告書を作成し、関係者に報告する。
8. 問題解決能力の向上
柔軟な対応:予期しない問題が発生した場合には、柔軟に対応し、最適な解決策を見つける。
調整力:設計と施工の間で生じるズレや調整が必要な場合には、適切な調整を行う。
現場監理は細部にわたる注意と調整が求められる役割ですが、これらのポイントを意識することで、スムーズで効率的な工事の進行が可能になります。
今回、半地下空間をつくります。 そこで、防水が重要になり、5つの防水・止水の仕掛けをしています。 まず、1つ目、基礎梁の左側のコンクリートをちょっと上に立ち上げています。 コンクリートは1回で全てを打設出来ると良いのですが、施工上必ず、何回かに分けて打設する事になります。 その打設の継ぎ目(打ち継ぎ箇所)が、水が入り易い場所になります。 そこで、打ち継ぎ箇所の内側に、立ち上がりをつくり、水が内部に侵入しない様にしています。これ以外に、4っつの防水の仕掛けをしていて、その手法、追々紹介しますね。
地下のコンクリート打ち継ぎの4っつの方法
地下のコンクリート打ち継ぎに関する方法は、構造物の安全性や耐久性を確保するために重要です。以下に代表的な4つの方法を紹介します。
1)シーリング材の使用
コンクリートの打ち継ぎ部にシーリング材(例えば、ポリウレタンやシリコン系)を使用する方法です。この方法は、コンクリートが硬化した後に継ぎ目の隙間にシーリング材を充填し、水やその他の液体の浸入を防ぐために使用されます。シーリング材は、柔軟性があり、動きに対応できるため、打ち継ぎ部の耐水性を向上させます。
プロセス
準備: コンクリート打ち継ぎ部分をきれいにし、汚れやほこり、油分を取り除きます。表面が乾燥していることを確認します。
プライマー: 必要に応じて、シーリング材の接着力を向上させるためにプライマーを塗布します。プライマーはシーリング材とコンクリートの接着を助けます。
シーリング: シーリング材(ポリウレタン系、シリコン系、アクリル系など)を専用のガンで充填します。シーリング材は柔軟性があり、動きや振動に対応できます。
仕上げ: シーリング材が均一に充填され、表面が滑らかになるようにヘラやスプーンで整えます。シーリング材が完全に硬化するまで、設計図に従って待機します。
利点
簡単に適用でき、コストも比較的低い。
柔軟性があり、動きに対応できる。
欠点
長期的な耐久性がシーリング材の品質に依存する。
大きな構造物や高荷重がかかる部分には不向きな場合もある。
2)ジョイントバー(鉄筋)の挿入
コンクリート打ち継ぎ部分にジョイントバー(鉄筋)を挿入して、接続部の強度を増す方法です。打ち継ぎ部分に事前に鉄筋を配置し、新しいコンクリートを打設する際にこれらの鉄筋と新しいコンクリートが一体化することで、強固な接続が得られます。この方法は、特に構造物の強度が求められる場合に有効です。
プロセス
設計: 打ち継ぎ部分に適切な鉄筋の配置を設計します。鉄筋の直径や間隔は、構造の要求に応じて決定します。
取り付け: コンクリートを打設する前に、打ち継ぎ部分に鉄筋を挿入します。鉄筋の端部はコンクリート内で十分に結合できるように設計されていることが重要です。
打設: 新しいコンクリートを打設し、鉄筋と新旧のコンクリートが一体化するようにします。
利点
構造的に強固な接続が可能で、長期間の耐久性が高い。
鉄筋がコンクリートのひび割れを防ぐのに役立つ。
欠点
設計と施工が比較的複雑で、コストが高くなる可能性がある。
鉄筋の配置や打設が不適切だと、十分な強度が得られないことがある。
3)接着剤の使用
コンクリート打ち継ぎ部分に専用の接着剤やエポキシ樹脂を使用する方法です。これにより、コンクリートの打ち継ぎ部分で強い接着力が得られ、打ち継ぎ部分が一体化します。エポキシ樹脂は耐水性や耐薬品性が高いため、地下構造物には適しています。
プロセス
表面処理: 打ち継ぎ部分のコンクリート表面を清掃し、油分やほこりを取り除きます。表面が乾燥していることを確認します。
接着剤の塗布: 専用の接着剤(エポキシ樹脂やアクリル系など)をコンクリートの打ち継ぎ部分に塗布します。接着剤は、コンクリートとコンクリートの間で化学的に結合します。
打設: 新しいコンクリートを打設し、接着剤が固化する前に作業を終えます。接着剤が完全に硬化するまで待機します。
利点
高い接着力を持ち、優れた耐水性や耐薬品性を提供します。
比較的少ない手間で、高い接着強度が得られる。
欠点
接着剤のコストが高い場合があり、予算に影響を与えることがある。
接着剤の硬化時間が必要で、施工後の待機が必要です。
4)コンクリートの表面処理
打ち継ぎ部のコンクリート表面を適切に処理してから新しいコンクリートを打設する方法です。通常、打ち継ぎ部分のコンクリート表面をブラスト処理やスカリング処理を行って、表面を粗くし、新しいコンクリートと良好に結合させます。この方法は、打ち継ぎ部分の接着力を高めるために用いられます。
それぞれの方法には特性があり、プロジェクトの条件や要求に応じて最適な方法を選択することが重要です。
プロセス
表面処理: 打ち継ぎ部分の古いコンクリートの表面をブラスト処理やスカリング処理などで粗くします。これにより、新しいコンクリートと既存のコンクリートの間の接着が良好になります。
洗浄: 表面処理後、コンクリート粉や塵を洗浄して取り除きます。
打設: 新しいコンクリートを打設し、接着剤やシーリング材が不要な場合でも、良好な接着力が確保されるようにします。
利点
コストが比較的低く、効果的な接着を提供します。
構造的な強度を向上させるために有効です。
欠点
表面処理が不十分だと、接着が不完全になる可能性がある。
表面処理に時間と労力がかかる場合がある。
それぞれの方法には特定の条件や用途に応じた利点と欠点があるため、具体的なプロジェクトの条件に応じて最適な方法を選定することが重要です。
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