外壁の色彩の決め方。リノベーションの方向性と塗料サンプル比較の仕方。光と風のリノベーション住宅(東京都北区)
- t-ogino
- 2018年11月18日
- 読了時間: 12分
更新日:1月6日

天窓と吹き抜けの家 リノベーション
外壁の色を決める為に、試しに色をいくつか作りました。
施主と相談して、色が決まりました。
塗料で作る色には、番号があり、その番号を元に、色のサンプルを作って貰うのですが、、、、今回、違うメーカーに、同じ色番号でサンプルを作って貰ったところ。。。色彩が結構違って出てきました!(色番号とは日塗工の色番号の事です)
そやはり、必ず、試しの色見本を作って比較しないとな。
又、外壁の色を見る時は、必ず現地で!
部屋の中で見るのと、外部の太陽光の下で見るのでは、色彩は全然違います。
場所よっても光の具合が違う為、現場で色を比較するのが1番。
今回のリノベーション工事、外壁がタイル部分と塗装部分があり、メンテナンスの為に塗装部分の塗り直しを行います。
(タイル部分は、補修と一部タイルの取り替えを)
外壁の色彩の決め方
外壁の色彩の決め方は、家の外観だけでなく、住環境や周囲の景観との調和も考慮する重要な要素です。以下のポイントを参考にして、外壁の色彩を決定すると良いでしょう。
1. 周囲の景観との調和
自然環境との調和: 自然豊かな場所に建てられた住宅なら、周囲の木々や草花に合ったナチュラルな色(ベージュ、ブラウン、グリーンなど)が好まれます。
近隣の家とのバランス: 周囲の家の色とあまりに違いすぎると目立ちすぎる可能性があります。近隣の家の色を参考にして、調和する色を選ぶと良いでしょう。
2. 建物のスタイルとデザイン
伝統的なデザイン: 伝統的なスタイルの家には、クリーム色、グレー、レンガ色などのクラシックな色が適しています。
モダンなデザイン: シンプルで洗練されたデザインの家には、白やブラック、グレーなどのモノトーンの色がよく合います。
3. 気候や環境への対応
日差しの強い地域: 暑い地域では、白や淡い色が日差しを反射し、熱を吸収しにくくする効果があります。
湿気の多い地域: これらの地域では、カビや汚れが目立ちにくい濃い色が適していますが、熱吸収の問題も考慮する必要があります。
4. 耐久性とメンテナンス
汚れが目立ちにくい色: グレーやベージュのような中間色は、汚れが目立ちにくく、メンテナンスが楽です。
塗料の耐久性: 選んだ色が退色しにくい高品質な塗料を選ぶことで、長期間美しい状態を保つことができます。
5. 個人の好みとトレンド
個人の好み: 家の外壁は家主の個性を表現する場でもあります。自分が好きな色を選ぶことも重要です。
最新のトレンド: 最近の住宅デザインのトレンドを参考にすることで、時代に合った外観を実現できます。
6. 色見本の使用とテストペイント
カタログや色見本帳を使ってイメージを確認するだけでなく、実際に小さな範囲でテストペイントを行うと、実際の見え方をより正確に把握できます。特に日光の下での見え方が室内と異なるため、屋外での確認が重要です。
7. 配色のバランス
外壁の色だけでなく、屋根やドア、窓枠などの付帯部分の色とのバランスも考慮します。例えば、外壁が淡い色の場合、アクセントとしてドアや窓枠を濃い色にすると引き締まった印象になります。
8. 地域の規制や条例の確認
一部の地域では、景観保護のために外壁の色に関する規制が設けられている場合があります。事前に確認しておくことが重要です。
これらのポイントを考慮しながら、外壁の色彩を選ぶと、機能的で美しい外観が実現できます。色の選び方は住む人の生活や心地よさにも大きく影響するため、慎重に検討することが大切です。

塗装サンプルを取り寄せて外壁の色彩を決定する方法
外壁の色を決定するために塗装サンプルを取り寄せ、実際に試すことは、選んだ色が思い描いた通りに見えるかどうかを確認する上で非常に重要です。以下は、塗装サンプルを取り寄せて外壁の色彩を決定する具体的なステップです。
1. 塗装サンプルの取り寄せ
メーカーや塗装業者から取り寄せる: 塗料メーカーや塗装業者に連絡し、希望の色のサンプルを依頼します。多くのメーカーでは、小さなサンプルボードや塗料の小瓶を提供しています。
複数の色や仕上げを取り寄せる: 1つの色だけでなく、色合いや仕上げが少し異なる複数のサンプルを取り寄せると、比較しやすくなります。また、艶あり・艶消しなど、異なる仕上げのサンプルも一緒に取り寄せると、質感の違いも確認できます。
2. サンプルのテストペイント
実際の外壁に塗る: 取り寄せた塗料を実際の外壁に直接塗ってみます。塗る際には、1m²程度の広さを目安に、しっかりと塗料の色や質感が確認できる面積でテストするのが理想的です。
異なる場所に塗る: 家の異なる側面(例えば、日当たりの良い場所と陰になりがちな場所)に塗ることで、色の見え方がどのように変わるかを確認します。
3. 日光と時間による見え方の変化を確認
異なる時間帯に観察: 色の見え方は、日光の角度や時間帯によって異なるため、朝・昼・夕方・夜など、異なる時間帯に塗装した場所を観察しましょう。特に、夕方や曇りの日の光の下での見え方は、思った以上に異なることがあります。
天気の変化も考慮: 晴れの日、曇りの日、雨の日など、さまざまな天気の下で色がどのように見えるかを確認します。
4. 塗装サンプルを比較・検討
他の外装要素との調和を見る: ドア、窓枠、屋根、フェンスなどの既存の外装要素とのバランスを確認します。取り寄せたサンプルをこれらの要素の近くに配置し、調和が取れているかどうかを検討します。
ご家族やプロの意見を取り入れる: 自分だけで決めるのではなく、家族やプロのデザイナー・塗装業者の意見も参考にすると、多角的な視点から最良の色を選べます。
5. 最終決定前に再確認
大きめのサンプルで確認: 気に入った色が見つかったら、より大きな範囲(例えば1㎡以上)でテストペイントすることをお勧めします。実際に選んだ色が広い面積でどう見えるか確認することは、最終的な決定に役立ちます。
時間をかけて観察: 急いで決めず、少なくとも1週間程度はテストペイントを見て、日常の光の中でどのように感じるかを確かめる時間を取ります。
6. 決定後の準備
必要な塗料の量を確認: 外壁の面積に基づいて、必要な塗料の量を計算し、塗装業者に依頼するか、自分で塗装する場合は必要な量を購入します。
施工の準備: 塗装面の準備(洗浄や下地処理など)を行い、塗装作業がスムーズに進むようにします。
塗装サンプルを使った色選びは、家全体の印象を左右するため、慎重に行うべきプロセスです。実際の条件下で色を確認し、必要な時間をかけて最良の選択をすることで、満足のいく結果を得ることができるでしょう。

太陽の光の下、壁の中など、環境によって色彩の見え方が変わる理由
色彩の見え方が環境によって変わるのは、光の特性と人間の視覚の仕組みが影響しているためです。以下に、その理由を詳しく説明します。
1. 光のスペクトルの違い
光の種類や強さ、方向によって色の見え方が変わるのは、光が持つスペクトル(波長の分布)が異なるためです。
太陽光: 太陽光は「白色光」として知られ、可視光全体のスペクトルを含んでいます。このため、太陽光の下では色が最も自然に、そして正確に見えることが多いです。しかし、太陽の位置や時間帯によって、光の質が変わります。例えば、朝や夕方の太陽光は低い角度から照射され、色温度が低くなる(オレンジや赤に近づく)ため、色が暖かく見える傾向があります。
室内照明: 室内の照明(例えば、白熱灯、蛍光灯、LED照明)は、それぞれ異なるスペクトル特性を持っています。白熱灯の光は暖色系で赤みがかかり、蛍光灯や一部のLED照明は青みが強い場合があります。このため、同じ色でも照明の種類によって見え方が異なることがあります。
2. 光の反射と吸収
光が物体に当たると、物体はその光を反射したり吸収したりします。この反射と吸収の仕方が色の見え方に影響します。
外壁の反射: 太陽光が外壁に当たると、壁の色はその光を部分的に吸収し、部分的に反射します。反射された光が目に入ることで、私たちはその色を認識します。異なる光の条件下では、異なる波長が強調されたり抑制されたりするため、同じ色が異なって見えることがあります。
周囲の色や影響: 外壁の色は、周囲の環境の色や反射光の影響も受けます。例えば、緑豊かな庭に囲まれた家の外壁は、周囲の緑の反射光によって、わずかに緑がかって見えることがあります。逆に、コンクリートやアスファルトに囲まれた家は、灰色や暗いトーンが強調されるかもしれません。
3. 人間の視覚の特性
人間の目は光の強さや色温度の変化に敏感です。また、周囲の環境や背景の色、時間帯、照明の強度などによって色の見え方が変わります。
明るさに対する感度: 人間の目は、明るさが変わると色の感覚も変わる特性(プルキンエ現象)があります。明るい条件下では、赤や黄などの暖色が強調され、暗い条件下では青や緑の色が強調される傾向があります。
背景色との対比: 目は色のコントラストによって色を認識します。例えば、白い背景の上では、淡い色がより強調されて見えることがありますが、暗い背景の上では同じ色が薄く見えるかもしれません。
4. 材質や表面仕上げ
外壁の材質や表面の仕上げ(光沢、マット、テクスチャーなど)も色の見え方に影響を与えます。
光沢の有無: 光沢のある表面は、光を強く反射し、色が鮮やかに見えることがあります。一方、マットな仕上げは光の反射が抑えられ、柔らかく落ち着いた色合いに見えます。
テクスチャー: 外壁の表面がザラザラしている場合、光の反射が乱反射するため、色がより均一に見えることがあります。逆に、滑らかな表面では光が直線的に反射し、色のムラが目立ちやすくなることがあります。
5. 時間と色褪せ
特に外壁の塗装に関しては、時間の経過とともに紫外線や天候の影響で色が褪せたり変色したりすることがあります。新しい塗装の色と時間が経った後の色が異なることも、見え方の違いに寄与します。
これらの要因が組み合わさって、外壁やその他の物体の色が環境によって異なって見えるのです。塗装サンプルを取り寄せて、実際の使用環境で色を確認するのが重要なのは、これらの理由からです。

日塗工の色番号とは
日塗工(日本塗料工業会)の色番号システムは、建築物の塗装などで使用される塗料の標準色を識別するための日本の業界標準です。日塗工の色番号は「日塗工番号」とも呼ばれ、色の指定や塗料の発注時に広く利用されています。以下は、日塗工の色番号についての詳細な情報です。
1. 日塗工の色番号システムとは?
日塗工(日本塗料工業会)は、塗料業界の標準化を図るために、建築用塗料の色見本を提供しています。日塗工の色番号システムは、塗装や塗料の選定において、正確で一貫性のある色指定を可能にするために設計されています。約600色以上の標準色が収録されており、それぞれの色には「日塗工番号」が割り当てられています。
2. 色番号のフォーマット
日塗工の色番号は、「J ○○○○」という形式で表記されます。たとえば、「J 05-70B」や「J 14-40L」といった形式です。色番号は以下の要素で構成されています:
J: 日本塗料工業会の「J」を示しています。
○○○○: 色の識別コード。具体的な色相(色の種類)とトーン(明度・彩度)を示しています。数字とアルファベットの組み合わせによって、色の詳細が定義されています。
3. 色見本帳
日塗工は「日塗工標準色見本帳」を定期的に発行しており、この見本帳にはすべての標準色が掲載されています。見本帳は、設計者、建築業者、塗装業者、そして塗料メーカーにとって、色の選定と確認に不可欠なツールです。
見本帳の使用: 見本帳には色番号ごとにサンプルが掲載されており、実際に手に取って色を確認することができます。光の反射や質感を考慮して選定するために、見本帳を使って実際の色を確認することが推奨されます。
4. 色の選定と指定の方法
建築・デザインにおける色指定: 建築やインテリアのデザインにおいて、特定の色を指定する際に日塗工の色番号が使用されます。設計図書や仕様書に記載することで、施工業者や塗装業者が同じ色を使用することができます。
塗料メーカーとの連携: 多くの塗料メーカーが、日塗工の色番号に対応した製品を提供しています。そのため、指定された色番号に基づいて、正確に塗料を調合することが可能です。
5. 色番号の意味
日塗工の色番号は、色の特性を表すために、次のような要素を考慮して付けられています:
色相: 色相は、赤、青、緑などの基本的な色の種類を示します。番号の中のアルファベット(B, R, Yなど)が色相を表します。
明度・彩度: 数字の組み合わせによって、色の明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)が決まります。これにより、同じ色相でも異なるトーンのバリエーションを表現できます。
6. 日塗工色番号の利点
標準化: 日塗工の色番号システムは、業界標準として受け入れられており、設計者、施工業者、塗料メーカーが共通の言語で色を指定できるため、誤解やミスを防ぐことができます。
品質管理: 色番号に基づいた品質管理が可能であり、特定の色の維持や修復が必要な場合にも、同じ色番号を使用することで一貫性を保つことができます。
利便性: 幅広い色の選択肢が提供されているため、デザインの柔軟性が高まります。また、見本帳を使用することで、実際の色を確認しながら選定できるのも利点です。
7. 日塗工色番号の更新
日塗工は、時代のトレンドや技術の進歩に応じて、標準色を定期的に見直し、色見本帳を更新しています。これにより、最新のデザインニーズや環境への配慮を反映した色の提供が可能です。
日塗工の色番号システムは、日本の建築や塗装業界において、信頼性の高い色指定の基準として広く使用されています。色の選定や指定において、日塗工の色見本帳を参考にすることで、正確で一貫性のある仕上がりを実現することができます。
戸建て木造リノベーション設計プロジェクトの解説
Comments