今回のリノベーション工事は、床を残して、壁天井を撤去する、
ハーフスケルトン工事で行います。
リノベーション工事には、リフォーム、スケルトン、ハーフスケルトンの3種類がある
リノベーション工事には、いち部分をだけ直すリフォーム工事と、床壁天井を撤去し、柱と梁だけのスケルトン状態にして中身を全て取り替える、スケルトン工事があります。
これまで設計させていただいたリノベーション工事の多くは、このどちらか。
特に、中身を全て取り替える、スケルトン工事を多く行って来ました。
リノベーションアパートメントも、リノベーション狭小住宅も、スケルトン工事でした。
スケルトン工事の良いところは、基礎から柱梁から全て構造補強を行い、建物の性能をゼロから作り直す事が出来る事です。
リノベーションアパートメントや、リノベーション狭小住宅住宅は、築60年以上の家だった為、基礎が布基礎で、さらに劣化もしているという状態。
柱梁の太さ大きさも、今の耐震の考え方からは、大き違いがある。
断熱や防水などの性能も低い。
又、スケルトン工事の方が、間取りの変更の自由度が高い為、スケルトン工事を選択しなくてはならない条件でもありました。
ハーフスケルトン工事とはどんな工事
スケルトン工事とハーフスケルトン工事の違いは、読んで字のごとく、半分だけスケルトンにする工事です。
今回の、天窓と吹き抜けの家では、床は基本撤去せずそのまま、壁天井は撤去して柱梁の骨組みを表して工事します。
床は、ありますが、柱梁が露出しますので、補強は出来ます。
もちろん、間取りも変えられます。
吹き抜け部分の、床は撤去します。
ハーフスケルトン工事を選ぶのは、どういった時
天窓と吹き抜けの家は、築25年の比較的新しい中古住宅でした。
構造計算も行なっている、優良な住宅。
床下を見たところ、基礎も劣化していない綺麗なコンクリート基礎が出来ている。
この場合、耐震補強も工事がしやすい状態です。
建物の状態が、良好な場合、床を残したままでも工事が出来ます。
ハーフスケルトン工事の良い点
ハーフスケルトン工事では、床を残しますので、足場があります。
足場があれば大工さんの工事が安全にしやすい。
工事がしやすいという事は、手間が減る、又、床材の撤去もなく、コストを抑える事ができます。
スケルトン工事について
スケルトン工事は、建物の内部の構造部分だけを残して、その他の部分を取り壊す工事です。具体的には、以下のような工程があります:
内装の撤去:壁や床、天井の内装部分を取り外します。これには、壁紙、床材、天井の装飾などが含まれます。
非構造部分の撤去:建物の内部にある非構造部分(例えば、間仕切り壁や収納スペースなど)も取り除きます。
構造部分の保護:取り外さない部分(柱、梁、外壁など)の保護や、必要な補強を行います。
配管・電気工事の確認:配管や電気の配線など、構造体に影響を与える部分の確認と修理が行われます。
清掃と準備:取り壊し後の清掃と、次の工事(リフォームや再構築)に向けた準備が進められます。
スケルトン工事を行うことで、古い内装や間取りを一新し、新しいデザインや用途に合わせたリフォームが可能になります。リフォームや再構築の計画が具体的にある場合は、スケルトン工事がその第一歩となることが多いです。
スケルトン工事を行う場合に注意する方法
スケルトン工事を行う際には、以下の注意点に気をつけることが重要です:
1. 計画と設計
目的の明確化:スケルトン工事を行う目的を明確にし、どの部分を残し、どの部分を撤去するかを計画します。
設計の確認:新しいレイアウトやデザインの計画がある場合、建築士やデザイナーと相談して、現実的な設計を行います。
2. 法的手続き
建築確認申請:大規模な工事や改築が必要な場合は、地方自治体に建築確認申請を行う必要があります。
必要な許可の取得:取り壊しや改築に関する許可を取得し、法律や規制を遵守します。
3. 安全対策
工事の安全確保:工事中の安全対策を徹底し、工事現場の安全性を確保します。
周囲への配慮:近隣住民への配慮を忘れず、工事による騒音や振動、埃などの問題に対応します。
4. 構造体の保護
構造体の確認:取り壊さない部分(柱や梁など)の状態を確認し、必要な補強を行います。
適切な撤去:構造体に影響を与えないように、慎重に撤去作業を行います。
5. 配管・電気工事の確認
配管や電気の確認:配管や電気配線が壁内に埋まっている場合、それらを確認し、必要に応じて移設や修理を行います。
専門家の相談:配管や電気の専門家と相談し、適切な処理を行います。
6. コストの管理
予算の設定:スケルトン工事にかかるコストを予算内で収めるため、事前に詳細な見積もりを取得します。
予算の見直し:工事中に予期しない費用が発生する可能性があるため、予備費を用意しておくと良いでしょう。
7. 工期の管理
工期の設定:工事のスケジュールを設定し、工期が延びないように進行状況を管理します。
適切な業者選び:信頼できる業者を選び、工事の進行状況を定期的に確認します。
スケルトン工事は大規模な作業になることが多いため、事前に十分な準備と計画を行うことが成功の鍵となります。
リフォーム工事について
リフォーム工事とは、既存の建物や部屋の内装や設備を改修・改善する工事のことです。新築とは異なり、既存の構造や外観を基本的に維持しながら内部の変更を行います。リフォーム工事には、以下のような種類と特徴があります。
リフォーム工事の種類
内装リフォーム
壁紙や塗装の変更:壁紙を新しいものに貼り替えたり、壁を塗り直したりします。
床材の変更:フローリングやカーペット、タイルなどの床材を新しいものに交換します。
天井のリフォーム:天井の塗装や仕上げを変更します。
設備リフォーム
キッチンの改装:システムキッチンの交換や、収納の追加、レイアウトの変更などを行います。
バスルームの改装:浴槽や洗面台、シャワーなどの交換や、タイルの張り替えを行います。
トイレの改装:トイレの設備や内装を変更します。
間取り変更
壁の撤去・新設:部屋のレイアウトを変更するために壁を撤去したり、新たに設けたりします。
収納の追加:収納スペースを増設するための工事を行います。
外装リフォーム
外壁の塗装:外壁の塗装を行い、見た目や防水性を改善します。
屋根のリフォーム:屋根の修理や葺き替えを行います。
庭や外構の整備:庭や外構の改修もリフォームの一部として行われることがあります。
バリアフリーリフォーム
手すりの取り付け:階段やトイレなどに手すりを取り付けます。
段差の解消:段差をなくして、スムーズに移動できるようにします。
リフォーム工事の進め方
ニーズの把握と計画
目的の明確化:リフォームの目的や希望を明確にし、どの部分を改修するか決めます。
予算の設定:予算を設定し、それに基づいて工事内容を検討します。
設計と提案
設計士やデザイナーとの相談:専門家と相談して、リフォームプランを立てます。
プランの検討:提案されたプランを検討し、必要に応じて修正します。
業者選び
業者の選定:信頼できるリフォーム業者を選びます。口コミや過去の実績を確認するのが良いでしょう。
見積もりの取得:複数の業者から見積もりを取り、費用や工期を比較します。
工事の実施
工事の開始:契約後、工事が開始されます。工事の進行状況を確認し、問題があればすぐに対応します。
工事の管理:工事中に発生する変更や追加作業に対処します。
完成と検査
完成検査:工事が完了したら、完成品を確認し、問題がないか検査します。
引き渡し:工事が無事に終わったら、正式に引き渡しを受けます。
リフォーム工事は、生活空間を快適にするための大きな変化をもたらすことができますが、事前にしっかりと計画を立てることが成功の鍵です。
リフォーム工事をする時に気を付ける注意点
リフォーム工事を行う際には、以下の注意点に気を付けることが大切です:
1. 計画と設計
目的の明確化:リフォームの目的を明確にし、それに基づいた設計を行います。例えば、収納スペースの増設や、老朽化した設備の交換など。
詳細なプランニング:デザインや間取り、設備の選定など、詳細なプランを立てます。これには、建築士やインテリアデザイナーと相談するのが有効です。
2. 予算の設定と管理
予算の設定:リフォームの予算を設定し、それに見合ったプランを検討します。予算オーバーにならないように注意が必要です。
予備費の確保:予期しない追加費用が発生する可能性があるため、予備費を確保しておくと安心です。
詳細な見積もりの取得:複数の業者から詳細な見積もりを取得し、費用や内容を比較します。
3. 業者の選定
信頼性の確認:業者の信頼性や過去の実績を確認します。口コミやレビューをチェックするのも良い方法です。
契約内容の確認:契約前に、工事内容、費用、工期、保証などの詳細を確認し、納得した上で契約します。
見積もりの明確化:見積もりには詳細な内訳が含まれていることを確認し、疑問点があれば事前に質問します。
4. 法的手続きと許可
建築確認申請:大規模なリフォームや構造変更がある場合は、地方自治体に建築確認申請を行う必要があります。
必要な許可の取得:工事に必要な許可や届出がある場合は、事前に取得しておきます。
5. 工事中の管理
工事の進捗確認:工事が予定通り進んでいるか、定期的に確認します。問題が発生した場合には早急に対応します。
近隣住民への配慮:工事による騒音や埃が発生する場合があるため、近隣住民への配慮や、必要に応じた説明を行います。
安全対策:工事現場の安全対策を徹底し、事故やトラブルを防ぎます。
6. 品質の確認
工事の品質チェック:工事が完了したら、施工品質を確認します。特に仕上げや設備の取り付けについては、細部までチェックすることが重要です。
保証の確認:工事後の保証やアフターサービスについて確認し、必要なサポートが受けられることを確認します。
7. 完成後の対応
最終確認:工事が完了した後、最終的な確認を行い、問題がないかチェックします。
メンテナンスの計画:リフォーム後のメンテナンスや、長期間の維持管理についての計画を立てておきます。
リフォーム工事は、しっかりとした準備と計画が成功の鍵です。事前に詳細なプランを立て、信頼できる業者と連携し、工事中も適切に管理することで、満足のいく結果を得ることができます。
木造リノベーション工事の構造補強方法
木造リノベーション工事では、建物の耐久性や安全性を確保するために構造補強が重要です。以下に、木造リノベーションでの主な構造補強方法を詳しく説明します。
1. 基礎の補強
基礎の点検:既存の基礎が損傷している場合や老朽化している場合は、補強が必要です。
基礎の補強方法:
基礎の補修:ひび割れや劣化が見られる基礎は、コンクリートやモルタルで修理します。
基礎の増設:新たに基礎を追加して耐荷重を強化する方法です。例えば、基礎に追加で鉄筋コンクリートを打設することがあります。
地盤改良:地盤が不安定な場合には、地盤改良工事(例えば、杭打ちや地盤改良材の投入)を行います。
2. 柱・梁の補強
木材の点検:柱や梁が腐朽やシロアリ被害を受けていないか確認します。
補強方法:
追加柱の設置:既存の柱の間に追加の柱を設置して、荷重を分散します。
梁の補強:梁の下に補強材を取り付けたり、鋼材やコンクリートを追加して強化します。
木材の交換:腐食や劣化が進んでいる木材は、新しい木材に交換します。
3. 耐震補強
耐震金物の取り付け:耐震性を高めるために、金物やプレートを柱や梁に取り付けます。具体的には、耐震金具や耐震プレートなどを使用します。
筋交いの追加:壁や梁の間に斜めの筋交いを追加し、横揺れに対する耐力を強化します。
制震装置の設置:地震の揺れを吸収するための制震装置(例えば、ダンパー)を取り付けることもあります。
4. 壁の補強
耐力壁の設置:耐力壁(筋交いや合板張りの壁など)を設置して、建物の耐震性能を向上させます。
壁の補強:既存の壁に対して補強を行い、耐力を向上させるための方法です。例えば、構造用合板を追加することがあります。
5. 屋根の補強
屋根の点検:屋根の構造(小屋組やトラスなど)が正常か確認します。
屋根の補強方法:
小屋組の補強:小屋組の部材を追加して、屋根の耐荷重性を向上させます。
屋根材の交換:古くなった屋根材を新しいものに交換し、屋根の安全性を確保します。
6. 断熱・防湿対策
断熱材の追加:断熱材を追加して、木材の湿気を防ぎ、腐食やカビの発生を抑えます。
防湿シートの設置:湿気の侵入を防ぐために、防湿シートを床下や壁に取り付けます。
7. その他の補強
接合部の強化:木材の接合部を補強するために、ボルトやプレートを使用します。
部材の補強:特に負荷のかかる部材(例えば、床梁)に対して、追加の補強材を取り付けます。
構造補強を行う際は、専門の建築士や構造エンジニアと相談し、現状の問題点やリノベーションの目的に応じた最適な補強方法を選ぶことが重要です。適切な補強を行うことで、木造建物の耐久性や安全性を確保し、長期にわたって安心して使用することができます。
戸建て木造リノベーション設計プロジェクトの解説
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