リノベーションとは何か?リフォームとの違いとは?
表面的な仕上材の貼り直しや、設備機器の取替をリフォームと言います。
リノベーションは、間取りの変更・機能性などの使い方の変更や、デザイン性を全く異なる内容に変更するなど、本質的に場所をがらっと替えてしまう事です。
リノベーションを手がけるようになったきっかけ
20坪ほどの昭和初期に建てられた狭小住宅を、現代的な暮らしが送れる住宅にリノベーションして欲しいという依頼があり、「猫と暮らす、リノベーション狭小住宅」の設計をしたのが、リノベーションを手掛けたきっかけです。本当に昔の家でしたので、洗面所も無く暮らしづらかった家を、現代生活にあった間取りに替える工事を行いました。
リノベーション業者ではなく設計事務所にリノベーションを依頼するメリット
まず、間取りの良い提案が出来る事がメリットの一つでは有りますが、それ以上に施主と二人三脚で、設計・施工と進められリノベーションを通じたモノづくりが出来ることです。
リノベーションの費用はどれくらいかかるか
築年数や何を望まれるかによって費用は異なります。費用に応じて、リノベーションの工事をどこまで行うかが変わってきます。工事をする箇所、既存部分を生かす箇所を分け既存を生かす箇所を多くする事でお安い費用でのリノベーションが可能になります。
リノベーションの打ち合わせは何回くらい行うか
施主によって打ち合わせの回数は変わります。
平均的には、間取りの検討に、3~4回。仕上や設備機器の打ち合わせに3~4回が多いですが、決めるのが早くもっと少ない回数の方もいらっしゃいますし、じっくり考える方の場合はもっと回数を重ねる場合があります。
リノベーションで注意する点
建物は、壁や天井の中などそのままでは見えない部分があります。解体撤去する事で、建物や部屋が現状どうなっているのかは正確には分かりませんが、事前に撤去出来ない状況の
方が多くなります。その場合でも設計に入る段階で出来るだけの調査を行い、工事に入ってからリノベーション部分を解体したら想定外の状況がおきない様にした方が良いです。
マンションのリノベーションの際に気をつけていること
配管の為に一定のスペースが必要です。配管を通す事を逆に利用して、床の高さを場所で変えたり、天井の高さを場所によって変えたり、変化にとんだ空間を設計する様に心掛けています。また、近隣住戸と共有となっている配管やサッシ扉の扱いを間違えると近隣の方にご迷惑をおかけする事になる為、気を付けています。
アパートの空き室対策のリノベーションとは
下記1)2)の方法での空き室対策のリノベーションを行い、賃料単価を上げながら、人気のアパートマンションに変える設計を幾つも行っています。
1) 暮らしを大事にする現代的な生活者に対応した、間取りや設備への変更
2) 周辺状況から入居希望者を想定し、想定した入居希望者に対して訴求力のあるデザインリノベーションを行う
1.2両方を行う事で、人気のアパートへ更新を行っています。1室のみのリノベーションから、1棟全体のリノベーションまで実現可能です。
施工会社はどのように決めるのか
複数の施工者に相見積もりを行い、安価な金額の施工者に施工して貰っています。
住みながらリノベーションはできるか
リフォームの様な、表面の仕上の変更や設備機器の取替だけでしたら、住みながらでも可能ですが、リノベーションは間取りの変更なども伴う為、住みながらのリノベーションができません。
リノベーション・アパートメントの設計で工夫した点
天井を高くして、小屋組みをしていた既存の梁や束を露出させて、古びた素材のワビた良さを生かした設計をしています。3住戸を4住戸に改修。可愛らしいウロコ壁の外観と自然素材を使って内装の設計で、人気の賃貸アパートに生まれ変わりました。
光と風のリノベーション住宅で工夫した点
住宅密集地の小さな敷地に、光の入りづらい中古の建売住宅のリノベーションだったため、光と風が入り、圧迫感無く開放感を感じる住まいをコンセプトに、階段をスケルトン階段、廊下はグレーチングで光を通す床とし、3階屋根にトップライトをつけ太陽光が、1階までおりてくる明るい家を実現しました。
南青山の東洋医学クリニック+鍼灸院で工夫した点
「曲線のアール壁」と「スキップフロア」で、可愛らしい空間の「質感」が変わるクリニックを設計しました。元々、段差のある倉庫をリノベーションしています。段差を逆手にとってスキップフロアにする事で、空間全体に変化をつけて動きのある空間を実現しました。アール壁はスキップフロアの段差部分と連動して待合→診察と空間の質が変わるきっかけにしています。
ルーバー天井の家/リノベーションマンションで工夫した点
「ルーバー天井」が印象的な、マンションのリノベーションです。
本来、外部で使うルーバーを室内に設置する事で、外部にいる様な空気感を感じ、テラスの様な皆がいる場の雰囲気を持つリビングを設計しました。天井を極力高くし、開放感のあるマンションにしています。
リノベーションをしたい方へのアドバイス
リノベーションは既存物がある事が前提になります。出来ない事、出来る事がどうしても出て来ますが、その部分をしっかり整理して出来る事の良さを最大限引き出す思考で、リノベーション設計を進めていくと良い仕上がりのリノベーションになっていきます。
リノベーションとリフォームの違い
リノベーションとリフォームはどちらも住宅の改善に関わる作業ですが、目的やアプローチに違いがあります。
リノベーション(Renovation)
目的: リノベーションは、既存の建物の構造や機能を大きく改善し、現代のライフスタイルやニーズに合うように変えることを目的としています。例えば、古いビルをオフィスや住居に改装する場合などです。
アプローチ: リノベーションでは、しばしば建物の内装だけでなく、構造や間取りにも手を加えることがあります。これにより、建物の用途や機能が根本的に変わることがあります。
例: 例えば、古い倉庫をスタイリッシュなカフェに改装したり、使われていない地下室を新しいリビングスペースにしたりする場合がリノベーションに当たります。
リフォーム(Reform)
目的: リフォームは、既存の建物や部屋を新しくする、または修理することを目的としています。主に見た目や快適さを向上させることが目的です。
アプローチ: リフォームは比較的簡単な修繕や改善作業が多いです。たとえば、壁紙を張り替えたり、キッチンの設備を新しくするなどがリフォームに該当します。構造や間取りの変更はあまりありません。
例: 例えば、古い浴室をリフレッシュするためにタイルを張り替えたり、古いカーペットを新しいフローリングに変えたりすることがリフォームです。
要するに、リノベーションは建物全体の大規模な改修を伴う場合が多いのに対し、リフォームは比較的小規模な修繕や改善作業を指します。
一級建築士にリノベーション設計を依頼するメリット
一級建築士にリノベーション設計を依頼することには、いくつかの大きなメリットがあります。以下に詳しく説明しますね。
1. 専門的な知識と経験
一級建築士は、建物の設計と施工に関する高度な専門知識と経験を持っています。リノベーションの場合、古い建物の構造や歴史的背景を理解し、現代のニーズに合わせて最適な改修プランを提供する能力があります。
2. 安全性と法規制の遵守
リノベーションには、構造的な安全性や法規制の確認が必要です。一級建築士は、建築基準法やその他の規制に従って設計を行うため、改修後の建物が安全で法的に問題ない状態に保たれることが保証されます。
3. デザインの提案とアイデア
一級建築士は、リノベーションにおいてもデザインの提案やアイデアを豊富に持っています。あなたのライフスタイルや好みに合ったデザインを提供し、機能性と美しさを両立させるプランを提案してくれます。
4. プロジェクトの管理と調整
リノベーションプロジェクトでは、さまざまな業者や材料、工程の管理が必要です。一級建築士はプロジェクト全体を管理し、施工業者との調整やスケジュールの管理を行うことで、スムーズな進行を保証します。
5. コストの最適化
一級建築士は、予算内で最大限の価値を引き出す設計を提案することができます。材料費や施工費の見積もり、コスト削減の提案など、経済的な面でもサポートを提供してくれます。
6. 個別対応とカスタマイズ
一級建築士は、クライアントの個別のニーズや要望に応じて、カスタマイズされたリノベーションプランを提供します。例えば、家族構成やライフスタイルに合わせた間取り変更や特殊な機能の追加など、個別の要求に応えることができます。
7. 品質の保証
経験豊富な一級建築士が設計を担当することで、施工品質や完成度が高くなる傾向があります。適切な設計と施工の監督により、長期的に満足できる結果を得ることができます。
一級建築士にリノベーション設計を依頼することで、専門的な知識とスキルを活用し、安心してプロジェクトを進めることができます。
アパートやマンションの空き室対策に行うリノベーション設計
アパートやマンションの空き室対策として行うリノベーション設計は、入居率を高め、競争力を向上させるための重要な手段です。以下に、その設計における主要なポイントを詳しく説明します。
1. ターゲット市場の分析
住人層の特定: どのような人々に住んでもらいたいかを考えます。例えば、ファミリー向け、学生向け、単身者向けなど、ターゲットを明確にします。
ニーズの把握: ターゲット市場のニーズやライフスタイルを理解し、それに応じたリノベーションプランを考えます。例えば、若いカップルにはオープンプランのリビングルームやモダンなキッチンが人気です。
2. デザインと機能性
モダンなデザイン: 現代的で清潔感のあるデザインを取り入れると、入居者に好まれやすくなります。シンプルでスタイリッシュな内装やカラーリングが効果的です。
機能的な間取り: スペースを有効に活用するための間取りの工夫が重要です。収納スペースの充実や効率的なレイアウトで使いやすい空間を作ります。
3. 設備とアメニティの充実
最新設備: 現代の入居者は最新の設備を求める傾向があります。例えば、省エネ型のエアコンや高効率のキッチン家電など、生活を便利にする設備を導入します。
共用施設の充実: 駐車場、宅配ボックス、ジム、ラウンジなど、共用施設の充実も魅力的です。特に若い人やファミリー層には、共用施設の充実がプラスになります。
4. コストパフォーマンス
リノベーションコストの管理: 予算に合わせたリノベーションを行うことが重要です。コストを抑えつつ、最大限の効果を発揮するための材料や施工方法を選びます。
長期的な価値: リノベーションの結果として、物件の価値が上がることを目指します。高品質の材料や施工を選ぶことで、長期間にわたり良好な状態を保つことができます。
5. エネルギー効率と環境対応
省エネ対策: 省エネ機能を取り入れることで、入居者の光熱費を抑えることができます。断熱材の使用やエネルギー効率の高い設備の導入が効果的です。
環境に配慮した素材: 環境に配慮した素材やリサイクル可能な材料を使用することで、エコ意識の高い入居者にアピールできます。
6. 安全性とセキュリティ
安全性の向上: 建物や設備の安全性を確保することは重要です。例えば、防犯カメラやセキュリティシステムの導入、耐震補強などがあります。
スマートホーム機能: スマートロックやセンサーライトなど、セキュリティと便利さを兼ね備えたスマートホーム機能も人気です。
7. 競争力の向上
他物件との差別化: 競争が激しい地域では、他の物件との差別化が重要です。ユニークなデザインや特別なアメニティを提供することで、入居者の目を引くことができます。
マーケティング戦略: リノベーション後の物件を効果的にマーケティングすることも重要です。オンラインプラットフォームや広告を活用して、ターゲット層にアピールします。
これらの要素を考慮してリノベーションを進めることで、空き室を減らし、より多くの入居者を引き付けることができます。
リノベーションをしたい施主へ
リノベーションを考えている施主へのアドバイスをいくつかご紹介します。プロジェクトがスムーズに進むよう、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
1. 目的を明確にする
具体的な目標設定: リノベーションの目的を明確にしましょう。例えば、スペースの効率化、デザインの刷新、機能の追加などです。
予算の設定: リノベーションにかけられる予算を決め、その範囲内でどのような改善が可能かを把握しておくことが大切です。
2. プロフェッショナルと相談する
専門家のアドバイス: 一級建築士やデザイナーと相談し、プロフェッショナルの意見を取り入れましょう。彼らは適切なデザインや施工方法を提案してくれます。
施工業者の選定: 信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。過去の実績や評判を確認し、見積もりや契約内容をしっかりと検討しましょう。
3. デザインと機能のバランス
デザインと実用性: デザインだけでなく、実用性も考慮したリノベーションを心がけましょう。見た目の美しさだけでなく、使い勝手の良さも大切です。
ライフスタイルに合ったプラン: 家族のライフスタイルや生活習慣に合ったリノベーションを行うことが、長期的に満足度を高めるコツです。
4. 詳細な計画とスケジュール
詳細なプラン作成: リノベーションの計画を詳細に立て、具体的なデザインや素材、スケジュールを決定します。
スケジュール管理: 工期や施工のスケジュールを管理し、進捗状況を確認しましょう。予期しない問題が発生することもあるので、柔軟に対応できるようにしておくと良いです。
5. 予算とコストの管理
予算の見積もり: 事前に見積もりを取り、予算内でどのようなリノベーションが可能かを把握します。
予備費の確保: 予期しない追加費用が発生する可能性もあるため、予備費を確保しておくと安心です。
6. 環境への配慮
エコ素材の選択: 環境に優しい素材や省エネ設備を選ぶことで、持続可能なリノベーションが実現できます。
リサイクルと廃材の処理: 既存の素材や廃材の処理方法にも配慮しましょう。リサイクル可能なものはリサイクルすることをお勧めします。
7. コミュニケーションの徹底
施工業者との連絡: 施工業者とのコミュニケーションを密にし、進捗状況や問題点について定期的に確認します。
フィードバックの提供: 施工中に気になる点や変更点があれば、早めにフィードバックを提供し、適切な対応をお願いしましょう。
8. 完成後の点検とメンテナンス
完成検査: リノベーションが完了したら、施工内容をしっかりと確認し、問題がないかチェックします。
メンテナンス計画: リノベーション後の維持管理やメンテナンスについても考慮し、必要なケアを行いましょう。
これらのアドバイスを参考にして、計画的で満足度の高いリノベーションを実現してください。
住まいの設計・計画の解説
→収納計画
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