2戸→1戸に、広さを感じる一体空間
建物概要
所在地:東京都板橋区
構造:コンクリート造
用途:集合住宅
施工;2住戸→1住戸にリノベーション
延床面積:104.57㎡
Design:Ogino Takamitsu Atelier
Photo:Ogino Takamitsu
施主の想い
マンションの2つの住戸を、間の壁をとって1つの住戸に変えて住みたいとの要望でした。
明るく広さを感じる部屋にしたいこと、デザイン的にこだわりのある空間にしたいこと。
仕上材などのコーディネイトを提案して欲しいとの事でした。
親御さんが来られる時のスペースの確保も希望されていました。
要望のポイント
・2住戸→1住戸にリノベーション
・明るいく広い部屋
・デザインにこだわりたい
提案・設計内容
「ルーバー天井」が印象的な、マンションのリノベーションです。
本来、外部で使うルーバーを室内に設置する事で、外部にいる様な空気感を感じ、テラスの様な皆がいる場の雰囲気を持つリビングを設計しました。外部にあるはずのルーバーを室内に設置することで、室内にいながら擬似的に外部にいる様な感覚になります。ルーバーには照明を仕込み、太陽の光がルーバーの隙間から漏れ出るさまにもなっています。
室内の明るさを確保する事と、広さを感じられるスペースにする為に、南西側の角をダイニングにし、南西角(南側窓と西側窓)から北東側に光が入って来る様にし、住戸の真ん中にリビングを配する間取りとし、広さも明るさも確保しました。リビング・ダイニングは天井を無くし、天井高さを元々より高くしています。
親御さんが来られる時に泊まるスペースかつ、普段はプレイルーム(お子さんの遊び場)として使うスペースを提案しました。遊び道具等はこのプレイルームの中にしまっておきます。3連・2連の引戸を開け放つと、リビングと一体化する広い場所になります。家の中央にリビング+ダイニング+キッチン+プレイルームがあり、リビングから寝室・子供部屋・水廻り、全ての部屋へ行ける、家全体が一体感を感じる間取りになっています。プレイルームの扉の上はオープンにして、リビングのルーバー天井と1体化しながら、ゆるく場の領域を分けています。
家事動線を整理し、玄関→洗濯をする洗面所→もの干しバルコニー→パントリ→キッチンと繋がる回遊式の間取りとし、家事をする場所を1カ所かつアクセス良くし、家事が合理的に行える使いやすい間取りを実現しました。
コロナ(抗ウイルス)対策として、洗面所は玄関入ってすぐの場所に設置し、帰宅時に直ぐに手を洗える・シャワーも浴びられる配置としています。寝室にリモートワーク用の机(カウンター)をつくり、オンラインミーティングが行えます。
スキーが趣味の施主の為、スキー板を収納できるシューズインクローゼットをつくり、出張の多い施主のトランクなども置ける様にしています。
完成後の様子と施主様の声
施主の要望で、完成記念に、玄関外のポーチ部分に、家族で手形を押しました。
完成までの体験プロセス
1)プラニング
間取りの検討に時間をかけました。何度か打ち合わせを重ね、その都度間取りを提案しながら、施主と設計者が一緒に間取りを練っていきました。
2)構造の確認
構造設計者が既存の図面から、構造状況にコメント。間の壁は構造壁では無い為、撤去できる事が分かる。
3)コーディネイト・スタイリング
仕上材や設備の色など、提案すると共に、施主と一緒に実際の材料を見にショール―ムに行き、色や素材を決めていきました。
4)収納計画
シューズインクローゼットには、趣味のスキーの道具や、出張の多い旦那様の為のトランク置場を、ウォークインクローゼットには、ご夫婦それぞれスペースと布団置場を。パントリーには、食器・食材・調味料を。現在所有している、服やモノ、将来必要なモノを一緒に把握しながら、収納計画をおこなう。
5)パースで空間把握
不動産関係の仕事をされている旦那様は、平面図で空間が想像できたのですが、家族はなかなか空間が把握が難しかった為、簡単なインテリアパースと動画で空間の構成を把握しました。
6)施工しながら、仕上材の最終決定
工事に入り、仕上材の最終決定を行う。ルーバーの塗装色は試し塗りをして、一度ふき取る木の目がより出る塗装方法とした。リノベーションの為、細かい部分ではあるが、変更が有り、施主と打ち合わせしながら決定していった。