地鎮祭・建前と建築工事で行う神事とは?猫と中庭の集合住宅、地鎮祭行います。(東京都品川区不動前)
- t-ogino
- 2019年1月21日
- 読了時間: 9分
更新日:2024年11月28日
年初です。初詣には行かれましたか?
人だらけで混んでいるにもかかわらず、なぜかそこに突入するかのごとく、初詣に行かれる方多いか思います。なんとなく初詣に行かないと、ピリっとせず、私も仕事初めには必ず初詣に行くようにしています。
猫の家の地鎮祭
建築と神事は密接な関係があり、建物を建てる時には、普段行う事のない神事を行いますがこれがちょっと面白い!
なんせ、エイ!エイ!エイ!と不思議な掛け声がかかります。
施主だけが行う、役割もあります。
先日、工事が始まった、猫の家で地鎮祭を行いました。天気も良くてつつがなく行われました。地鎮祭は、建築工事を始める前に、お祓いをして工事の安全を祈願する祭事です。簡単な祭殿を組み、神主さんに来て貰い、神様を呼び安全を祈願します。神社でお祓いをして貰う時と同じく、玉串奉天といい榊を神様に榊を奉納するのですが、それ以外にも、地鎮祭でしか行わない儀式があります。
カマ、クワ、スキを入れる行事で、初めて体験する方はこれに驚きます。
砂を山の形に盛り、榊や草を頂上に挿します。カマでこの草を刈り、クワで山を耕し、スキを入れます。カマは設計者、クワは施主、スキは施工者が入れます。それぞれ入れる時に、そう、エイ!エイ!エイ!と声を上げて入れるんです。エイ!エイ!エイ!なんて声普段出しませんよね。しかも皆が見ている前でたった一人で行う作業。緊張して素っ頓狂な声が出てしまう事もしばしばあります。
もちろん、施主も一人でクワを入れます。ドキドキしますが、せっかくですから恥ずかしがらず、大きな声でクワ入れしたいところです。
猫の家の地鎮祭では、施主様には見事にお役目を果たして貰いました。
建前(上棟式)
地鎮祭以外にも、建前を行う場合があります。
建物の骨組みが出来上がったところで、行う行事で、私の子供の頃は、餅まきをしていたところが多く、餅拾いが楽しみのひとつだったですが、今は餅まきはなかなかえやらなくなりましたね。
宗教と建築
地鎮祭や建前ですが、神式だけで無く、仏式などもあるようです。日の出と共に読経を上げる地鎮祭の話しを聞いた事があります。残念ながら、私はその経験は無いのですが。。。色々な宗派の地鎮祭があるようです。最も、祈願するのは、工事の安全と良い建築が出来る事でしょうから、地鎮祭是非、行なってください。

地鎮祭とは何?
地鎮祭(じちんさい)は、建物を建てる前に行われる日本の伝統的な儀式の一つです。これは、新しい建物の工事の安全を祈り、土地の神様(地の神様)に対して感謝と敬意を示し、工事が無事に進むように願うための儀式です。以下に、地鎮祭の詳細について説明します。
地鎮祭の目的
土地の清め: 土地の神様や霊に対して、これから行われる建設工事に理解と協力をお願いするためです。
工事の安全祈願: 建設工事中の安全と、完成後の建物の安全・繁栄を祈願します。
災いの回避: 工事中や建物完成後に起こりうる災害や問題を避けるための祈りを捧げます。
地鎮祭の流れ
神主による祝詞奏上(のりとそうじょう): 神主が祝詞を読み上げ、神様に対して工事の安全を祈願します。
土地の清め(四方祓い): 神主が土地の四隅に米、塩、酒を撒き、土地を清めます。
鎮物の埋納(しずめもののまいのう): 工事現場の中心に「鎮物」と呼ばれる特別な道具(お札、五色の布など)を埋め、土地を鎮めます。
鍬入れの儀(くわいれのぎ): 施主(建築主)や工事関係者が鍬(くわ)や鋤(すき)を使って、象徴的に土地を掘り起こす儀式です。
玉串奉奠(たまぐしほうてん): 参列者が玉串(神聖な枝)を神前に捧げ、祈りを捧げます。
直会(なおらい): 儀式終了後に、神酒や供物を参加者全員でいただくことで、神様との交流を深めます。
地鎮祭の準備
神主の依頼: 通常、近くの神社に依頼し、神主に来てもらいます。
供物の用意: 酒、米、塩、魚、野菜などが供物として使われます。
祭壇の設置: 工事現場に仮の祭壇を設け、供物や鎮物を置きます。
地鎮祭の費用
費用は神社や儀式の規模、地域によって異なりますが、一般的には5万円から10万円程度が相場とされています。大規模な建設プロジェクトや特別な要求がある場合には、さらに費用がかかることもあります。
地鎮祭の重要性
地鎮祭は、単なる形式的な行事ではなく、日本の伝統と文化に根ざした重要な儀式です。土地に対する感謝の気持ちや、自然への敬意を示す意味も持っています。特に新築住宅を建てる際には、多くの施主が安心して暮らせるようにとの願いを込めて地鎮祭を行います。
このように、地鎮祭は建築プロジェクトの始まりを神聖なものとし、無事を祈るための大切な儀式とされています。

地鎮祭での、カマ、クワ、スキの役割
地鎮祭では、カマ、クワ、スキといった農具がシンボリックな役割を持ち、儀式の一部として使われます。これらの道具は土地の清めと建設開始の象徴として、また、神様への敬意を示すために使用されます。それぞれの道具の役割について詳しく説明します。
1. カマ(鎌)の役割
役割: 鎌は「草刈りの儀」で使用されます。この儀式では、一級建築士が土地に生えている草を刈り取る動作をします。
意味: 鎌を使って草を刈る動作は、土地を清め、邪気や悪いものを取り除く象徴です。これにより、工事の開始に先立ち、土地が清められ、建設が安全に進むことを祈ります。
誰が行うか: 通常、一級建築士が行います。
2. クワ(鍬)の役割
役割: クワは「鍬入れの儀」で使用されます。この儀式では、施主(家主や建築主)がクワを使って、土地の一部を掘る動作を行います。
意味: 鍬入れの儀は、建設の第一歩を象徴するものであり、施主が「ここに建物を建てる」という意思を示します。また、土地の神様に対して感謝と協力を求める意味も込められています。
誰が行うか: 主に施主(家主や建築主)が行いますが、場合によっては工事の代表者が行うこともあります。
3. スキ(鋤)の役割
役割: スキは「鋤入れの儀」で使用されます。この儀式では、施工業者の代表者(施工主や工事責任者)がスキを使って、土地を平らにする動作を行います。
意味: スキを使って土地を平らにする動作は、工事が順調に進み、無事に建物が完成することを祈る意味を持っています。また、建設現場の整備と、地盤を固める象徴でもあります。
誰が行うか: 施工業者の代表者が行うのが一般的です。
各道具の使い方と流れ
草刈りの儀(カマ): 一級建築士が鎌を手に取り、土地の四隅で草を刈るような動作をします。
鍬入れの儀(クワ): 施主が鍬を持ち、土地の一部を掘り起こす動作を行います。このとき、「えい、えい、えい」と声を出しながら行うことが一般的です。
鋤入れの儀(スキ): 工事の代表者が鋤を使って、土地を平らにするような動作を行います。こちらも「えい、えい、えい」と声を出しながら行います。
地鎮祭で使われるカマ、クワ、スキは、それぞれが異なる意味を持ち、土地の清め、建設の開始、安全な工事の進行を祈るための重要な役割を果たしています。これらの道具を使った儀式を通じて、土地の神様や自然の力に対する敬意と感謝の気持ちを表し、工事の無事と安全を願うことが日本の伝統的な文化に根ざした行事です。
仏式の地鎮祭について
仏式の地鎮祭(仏教式地鎮祭)は、仏教の儀式に基づいて行われる土地の清めと工事の安全祈願の儀式です。地鎮祭の中でも神道式が一般的ですが、仏教式も一部の地域や宗派で行われています。仏式の地鎮祭には以下のような特徴があります。
仏式の地鎮祭の目的
土地の清め: 仏教の教えに基づいて土地を清め、土地に住む霊や悪影響を取り除くことが目的です。
工事の安全祈願: 建物の工事が無事に進むよう、仏の加護を願う儀式です。
災いの回避: 工事中の災害や問題を未然に防ぐために祈ります。
仏式の地鎮祭の流れ
仏像や仏壇の設置: 工事現場に仏像や仏壇を設置します。これが仏教式地鎮祭の祭壇となります。
読経(どきょう): 僧侶が経典を読み上げ、土地の清めと工事の安全を祈ります。経典は般若心経(はんにゃしんぎょう)や観音経(かんのんきょう)など、仏教の教えに基づいたものが用いられます。
供物の献納: 果物、米、酒、花などの供物を仏壇に捧げます。これにより、仏様に感謝の意を表し、工事の成功を祈ります。
土地の清め: 僧侶が土地に対して浄水を撒いたり、香を焚いたりして土地を清めます。これは仏教的な浄化の儀式です。
祈願の儀式: 参加者が仏前で手を合わせ、工事の無事と安全を祈ります。
直会(なおらい): 儀式終了後、参加者が供物をいただくことがありますが、これは神道式の直会とは異なる形になることが多いです。
仏式の地鎮祭の準備
僧侶の依頼: 仏教寺院に依頼し、僧侶に来てもらいます。事前に儀式の日時や詳細を打ち合わせておきます。
供物の用意: 仏教においては、供物は清浄であることが重要です。果物や米、花などを用意し、仏壇に供えます。
祭壇の設置: 仏像や仏壇を設置する場所を決め、工事現場に仏教式の祭壇を用意します。
仏式地鎮祭の費用
仏式地鎮祭の費用は、神道式と同様に僧侶への謝礼や供物の費用などが含まれます。地域や僧侶によって異なりますが、一般的には5万円から10万円程度が相場とされています。
仏式地鎮祭の重要性
仏教における地鎮祭は、土地や建物に対する仏教的な配慮と敬意を表すもので、工事の安全と土地の平安を祈る重要な儀式です。仏教徒であれば、地鎮祭を仏教式で行うことで、仏の加護を得て工事を進めることができます。
仏式の地鎮祭は、神道式と異なり、仏教の教えや儀式に基づいて行われるため、儀式の内容や進行が異なることがありますが、共通するのは土地の清めと工事の安全祈願です。
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