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執筆者の写真t-ogino

地盤の良し悪しを見極める方法。猫と中庭の集合住宅は良好地盤で地盤改良無し。(東京都品川不動前)

更新日:11月28日


地盤と地層

緩やかに斜面なっている、猫の家の敷地。

地盤改良をするつもりで設計をしたのですが。。。。。地盤調査をしたら、かなり良い地盤が出てきました。

地盤改良がいらなくなるという珍しい結果に。

どんなに良い敷地でも、土地の表面は柔らかい土が、積もっている場合が多い為、木造でも地盤改良は必ず行うのが絶対条件だったのですが、本当にレアなケース。

地盤を読むには

地盤を読むには、敷地周辺の状況を読みとるのが、最も近い結果が出やすい改めて実感しますね。猫の家の敷地は、緩やかに坂になっている途中にあります。台地の上から山手線の某駅に向かって下って行く途中。坂という事は、盛り土をしてなく元々の地層である固い地山の途中であるはずです。(ブラタモリ的にも、柔らかい土は流れてしまった後の地面のはず)

地盤調査会社に残っている、過去の地盤調査をした、近くの地盤データを見ると地盤の強度は弱いものしか出て来ませんでした。

念の為、設計段階では、安全側をみて弱い地盤を想定して設計しましたが、データよりも、自分の目で見た周辺状況の方が、正確でしたね。敷地の状況を読むという事が大事ですね。

最近行った、他のプロジェクトでも、周辺データは、悪かった為、地盤調査を慎重に行いましたが、強い地盤データが出た敷地があります。その敷地は、元々地山になっていた場所を道路を通す為に削ってできた敷地だった為、強いはずだと考えていましたので、その通りの結果に。

客観データと自分の目で

敷地の状況を自分の目で見て判断する事がまず大事ですが、客観的なデータも大事です。どちらも同じ結果が出て初めて、仕様が決まってきます。

以前、今回と逆の判断をした事があります。

地盤調査のデータからは、地盤改良の必要が無かったのですが、盛り土をしている現地の状況を考慮して、現場監督相談して、地盤改良をした事もあります。

技術的な判断は、自分の目で見て。

地盤調査

地盤調査方法について


地盤調査は、建物を建設する前に地盤の状態を確認し、安全性や適切な基礎設計を行うために非常に重要です。以下に、一般的な地盤調査方法をいくつか紹介します。


1. ボーリング調査(標準貫入試験)

  • 手法: 地面に穴を掘り、地下の土壌や岩石のサンプルを採取します。

  • 目的: 地盤の層構成、土質、地下水位などを把握します。

  • 標準貫入試験: 地面にドリルを使って穴を掘り、サンプルを採取しながら、地盤の硬さを測定します。


2. スウェーデン式サウンディング試験

  • 手法: 地面にサウンディング(穿孔)装置を使い、地層の深さや性質を調べます。

  • 目的: 土質の変化を確認し、地盤の強度や支持力を推定します。


3. 地中レーダー探査

  • 手法: 地面に電磁波を送り、その反射波を解析して地下の構造や異常を検出します。

  • 目的: 地中の空洞や異物の位置を特定し、地盤の状態を把握します。


4. 静的圧密試験(スティフネス試験)

  • 手法: 地盤に圧力を加え、その変形や圧縮を測定します。

  • 目的: 地盤の圧縮特性や変形特性を把握し、基礎設計の参考にします。


5. 動的荷重試験

  • 手法: 地盤に動的な荷重をかけ、その反応を測定します。

  • 目的: 地盤の動的特性や耐震性を評価します。


6. 地下水位測定

  • 手法: 地盤内の地下水位を測定し、地下水の動きや水位の変化を把握します。

  • 目的: 地盤の安定性や湿潤状態を評価し、基礎設計や排水計画に反映させます。


調査の流れ

  1. 調査計画の策定: 建設予定地の地形や用途に応じた調査方法を選定します。

  2. 現地調査: 実際に調査を行い、サンプルやデータを収集します。

  3. 解析と評価: 収集したデータをもとに地盤の性質や強度を評価します。

  4. 報告書作成: 調査結果をまとめた報告書を作成し、建設計画に反映させます。


地盤調査は、建物の安全性や耐久性に直接影響するため、専門の技術者や業者に依頼することをお勧めします。


地名から類推できる、地盤の強度


地名や地域の特性から地盤の強度を類推することは、地域ごとの地質や土壌の特徴を知ることで可能です。以下に、地名から類推できる地盤の強度に関する情報を示します。ただし、これは一般的な傾向であり、正確な地盤強度の評価には実際の地盤調査が必要です。


1. 火山地帯

  • : 富士山周辺、桜島周辺

  • 特徴: 火山灰や火山礫が多く、比較的軽い土壌が広がっています。これらの地域は、火山活動による堆積物が多く、地盤が柔らかい場合がありますが、火山灰層が締まることで強度が増すこともあります。


2. 河川沿い・湿地

  • : 淀川沿い、利根川沿い

  • 特徴: 河川の堆積物や湿地が多く、砂や粘土が豊富に存在することが多いです。これらの地域は、土壌が比較的柔らかく、地盤の強度が低い傾向があります。また、地下水位が高い場合もあります。


3. 山間部・丘陵地帯

  • : 箱根山周辺、北アルプス周辺

  • 特徴: 石灰岩や花崗岩などの硬い岩盤が多いことが多いです。これらの地域は、一般的に地盤が強固であり、建設に適していることが多いですが、崩壊のリスクがあることもあります。


4. 平坦な大地・台地

  • : 関東平野、東北平野

  • 特徴: 主に砂やシルト、粘土などの堆積物が多いですが、台地の上に形成される地域は比較的地盤が安定していることが多いです。土壌が均質であり、地盤の強度も安定していることが多いです。


5. 沖積層

  • : 名古屋平野、大阪平野

  • 特徴: 沖積層は、河川の堆積物が多く、砂や粘土層が厚くなることが多いです。これにより、地盤の強度が低い場合があり、液状化現象が発生する可能性もあります。


6. 乾燥地帯

  • : 中東地域、アメリカ南西部

  • 特徴: 乾燥地帯では、砂地や砂岩が多く、地盤が比較的安定していることがありますが、乾燥によるひび割れや変形が起こることもあります。


地域の地盤に関する一般的な知識や過去の調査データをもとに、おおまかな地盤の特性や強度を推測できますが、正確な評価は専門の地盤調査が必要です。また、地域ごとの特性により、地盤の強度はかなり異なるため、詳細な調査や一級建築士のアドバイスを受けることが重要です。



杭打ち、地盤改良工事

地盤強度に関係する地山とは


「地山」という用語は、地盤や土壌の物理的な特性、特にその強度や安定性に関連する地層や岩石の状態を指します。地山の強度は、建設計画において重要な要素であり、基礎設計や地盤改良のための基礎データを提供します。以下に、地山に関する詳細な説明を示します。


地山の構成要素

  1. 岩石(地盤岩)

    • : 花崗岩、安山岩、石灰岩、砂岩など

    • 特徴: 岩石は地山の主成分であり、地盤の強度や安定性に大きな影響を与えます。岩石の種類や風化状態、亀裂の有無が地山の強度に影響します。


  2. 土層(堆積物)

    • : 砂、粘土、シルト

    • 特徴: 土層は堆積物から成り、土壌の粒径や成分によって強度が異なります。砂層は比較的強度が高いですが、粘土層は圧縮されやすく、強度が低いことがあります。


地山の強度に影響を与える要因

  1. 岩石の種類と性質

    • 硬度: 硬い岩石(例: 花崗岩)は強度が高く、建物の支持力が強いです。

    • 風化状態: 風化が進んだ岩石は強度が低下することがあります。


  2. 地層の密度と含水量

    • 密度: 土壌や堆積物の密度が高いほど、地山の強度も高くなります。

    • 含水量: 高い含水量は地盤の強度を低下させることがあります(特に粘土層)。


  3. 構造的要因

    • 亀裂や断層: 地山に存在する亀裂や断層は、地盤の安定性に影響を与える可能性があります。

    • 地層の傾斜: 地層が傾斜している場合、滑りやすくなることがあります。


地山の調査方法

  1. ボーリング調査

    • 地面に穴を掘り、地下の岩石や土層のサンプルを採取して、地山の性質や強度を分析します。

  2. サウンディング試験

    • 地面に棒を挿入し、その抵抗を測定して地山の強度を評価します。

  3. 試料試験

    • 収集した土壌や岩石のサンプルをラボで試験し、圧縮強度やせん断強度などを測定します。


地山の強度は、建物の基礎設計や地盤改良の計画において重要な役割を果たします。正確な評価と適切な対策を行うためには、専門の地質調査士や土木技術者による詳細な調査と分析が不可欠です。


鋼管杭と鋼管パイプ

木造住宅の地盤改良方法


木造住宅の建設において、地盤改良は地盤の強度や安定性を向上させるための重要なステップです。地盤改良の方法は、地盤の特性や建物の要件に応じて異なります。以下に、木造住宅でよく用いられる地盤改良方法を詳しく説明します。


1. 表層改良(浅層改良)

  • 方法: 地表面から数十センチメートルの深さまで土壌を改良します。土壌にセメントや石灰などの固化剤を混ぜることで、土壌の強度を高めます。

  • 特徴: 工期が短く、コストが比較的低いですが、深層の地盤改良には不向きです。


2. 柱状改良(柱状地盤改良)

  • 方法: 地面に直径数十センチメートルのコラム(柱)を作り、その中にセメントや石灰を充填します。これにより、地盤の強度を増すとともに、地盤の均一性を向上させます。

  • 特徴: 中程度の深さでの改良が可能で、地盤の強度が向上します。木造住宅の建設に適しています。


3. 地盤改良杭(杭打ち)

  • 方法: 地面に杭を打ち込み、その上に基礎を設置します。杭の材料としては、鋼管杭やコンクリート杭が使用されます。

  • 特徴: 深い地層まで達することで、地盤の安定性を確保できます。沈下や液状化のリスクがある場合に効果的です。


4. 深層混合処理(DMC)

  • 方法: 特殊な機械で深層の土壌とセメントを混ぜ合わせて、地盤を改良します。深さは数メートルから十数メートルに及びます。

  • 特徴: 深層の地盤改良が可能で、土壌の強度を大幅に向上させることができます。


5. 加圧注入

  • 方法: 地盤に圧力をかけて、セメントや化学薬品を注入し、土壌の強度を高めます。

  • 特徴: 地盤の深層まで改良が可能ですが、工事の手間やコストが高くなることがあります。


6. 砂杭工法

  • 方法: 地盤に砂を注入して杭を作り、その周囲の土壌を改良します。

  • 特徴: 主に砂層のある地域で使用され、液状化対策や地盤の安定性向上に有効です。


7. ポールシステム

  • 方法: 地盤に複数の細いポールを打ち込み、それにより地盤の強度を補強します。

  • 特徴: 狭い場所でも対応可能で、施工が比較的容易です。


8. 排水対策

  • 方法: 地盤改良に加え、地下水位を下げるための排水工事を行います。

  • 特徴: 地盤の強度向上に加え、湿潤状態を改善し、沈下や変形のリスクを低減します。


地盤改良の流れ

  1. 地盤調査: 地盤の特性を把握するために調査を行います。

  2. 改良方法の選定: 地盤の状態や建物の要件に応じて最適な改良方法を選定します。

  3. 改良工事: 選定した方法に基づいて地盤改良を実施します。

  4. 確認・評価: 改良後の地盤の状態を確認し、必要に応じて追加の対策を行います。


地盤改良は建物の安全性や耐久性に直接影響するため、専門の技術者や業者に相談し、適切な方法を選択することが重要です。



賃貸集合住宅(マンション・アパート)設計プロジェクトの解説



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