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  • 執筆者の写真t-ogino

小さな家でも奥行を感じる、賃貸ゆえの訴求力ある外観デザイン。猫と中庭の集合住宅(東京都品川区不動前)

更新日:8月27日


アパートの立面スケッチ

猫の家、建て方が終わり骨組みが組まれて、外観の形がちょっとだけ想像出来る状態になりました。

この後は、工事中に近隣の方に迷惑をかけない様に、養生ネットで包んでしまうのでしばし、外観が見られるのは、しばしお別れです。

住宅密集地では、ファサード(正面)のデザインが浮き出る

建築の設計やデザインが他のデザインと異る面白さの一つが、3次元である事。

室内では、3次元の空間を光の移ろいという時間軸も含めて感じ、外観では、3次元の造形物、、彫刻のようなフォルムがデザインされます。

ただ、住宅密集地での建築には、2次元的な要素が設計に入って来るのを、改めて感じました。

猫の家の敷地周辺、この辺り一帯の建物は、敷地目一杯に立っていて、両隣も同じ状況です。

ですから、外観で見えるのは、道路側の正面の1面のみです。

写真にも見えるように、4軒の建物の正面の壁がずっと繋がって、道路境界に壁を作っています。

平面的になってしまいますが、この立面のデザインが、外から伺えるデザインの全てになります。

2次元だけど奥行きを

2次元の正面だけの外観ですが、奥行きを感じたり、この建物はどんな感じになっているんだろうと興味をそそられる外観にしたいと考えました。

元々、内部空間の設計には、定評があり、室内がこんなに豊かな空間になっているんだと良く言われますが、その豊かさを外観からも感じて貰いたいと考えました。

木造住宅の構造

素材を変える事で、奥行きを表現

外壁の素材を、変化をつけ、2つの材料を使っています。

1番前に出る、バルコニーの手摺壁は印影が出る下見板貼りの様な、コロニアル貼り。

その奥の建物の外壁は、フラットな板貼り。

2種類の材料を使う事で、少しながら、手間と奥が出来、2次元ではない奥行き感がでます。

バルコニーもただ、バルコニーの形状にするのでは無く、逆Cの字を描く立面にする事で、より、面が強調され、手間、奥がより浮き出ます。

ザラッとした質感、可愛いらしさを感じる素材

色は、同じ白系にする事でより、ザラッとしたコロニアルの素材感が強調され、建物に質感が感じられます。

都心の住宅では、作り易さの面から、ツルツルした素材が使われがちですが、ザラッとした、印影が出る素材が、人の皮膚感覚にも訴えかけるはずです。

下見板の様な貼り方は、アメリカの農村地の小屋などでも見られる貼り方で、可愛いらしさい小屋をイメージさせます。

猫の家ですから。可愛いらしくなるかな?


奥行を感じる住宅の外観


奥行きを感じさせる住宅の外観デザインには、いくつかの重要な要素があります。以下の方法で奥行きを出すことができます。


1. 立体感のあるファサード

  • 凹凸を利用する: 外壁に凹凸や段差をつけることで、光と影のコントラストが生まれ、立体感が強調されます。例えば、出っ張りや引っ込んだ部分をデザインに取り入れることが考えられます。

  • 異素材の組み合わせ: 木材、石材、コンクリートなど異なる素材を組み合わせることで、視覚的に奥行きを感じさせることができます。


2. 色彩の工夫

  • グラデーションの使用: 外壁の色をグラデーションにすることで、奥行き感を出すことができます。例えば、濃い色から徐々に明るい色へと変化させる手法です。

  • 明暗のコントラスト: 外壁の一部に濃い色を使うことで、前後の奥行きを強調することができます。


3. 窓や開口部のデザイン

  • 奥行きのある窓枠: 窓枠を深く作ることで、窓が壁から浮き出て見え、奥行きを感じさせることができます。

  • バルコニーやテラス: バルコニーやテラスを外に突き出させることで、視覚的に奥行きが生まれます。


4. 屋根のデザイン

  • 異なる屋根の形状: 屋根に段差や複数のスロープを取り入れることで、奥行き感を出すことができます。

  • 屋根の素材や色: 屋根の色や素材を工夫することで、外観に奥行きを加えることができます。


5. 照明の使い方

  • 陰影をつける: 照明を使って外壁に陰影をつけることで、立体感を強調できます。

  • バックライト: 特定の部分をバックライトで照らすことで、前後の奥行きが強調されます。


6. 景観との調和

  • 周囲の景観を取り入れる: 周囲の自然や景観と調和させることで、建物がより立体的に見えます。例えば、庭や緑地とのバランスを取ることが考えられます。


これらの要素を組み合わせて、視覚的に奥行きを感じさせる外観デザインを作り上げることができます。デザインの具体的なアイデアやプランについてさらに深く知りたい場合は、お気軽に質問してください!


下見板貼りとは


下見板貼り(したみいたばり)とは、外壁の仕上げ方法の一つで、主に木材や板材を使って外壁にデザインや保護を施す手法です。この技法にはいくつかのバリエーションがあり、住宅や建物の外観に独特のスタイルを与えることができます。


下見板貼りの特徴

  1. 素材と仕上げ

    • 素材: 下見板には木材が一般的ですが、近年では合成樹脂や金属など、さまざまな素材が使用されることもあります。木材の場合、耐久性のある素材(例:杉、ヒノキ)が選ばれることが多いです。

    • 仕上げ: 下見板は通常、塗装や防腐処理が施されます。これにより、耐候性や耐久性が向上し、長期間にわたって美しい外観を保つことができます。


  2. デザイン

    • 並べ方: 下見板は、水平や垂直に並べることが一般的ですが、斜めに貼るなどしてデザインに変化をつけることも可能です。

    • サイズと間隔: 板のサイズや間隔を変えることで、外観にリズムやテクスチャーを与えることができます。


  3. 施工方法

    • 下地の準備: 下見板を貼る前に、下地となる部分を整えます。下地がしっかりしていないと、板が長持ちしない可能性があります。

    • 板の取り付け: 板を所定の位置に取り付け、釘やビスで固定します。板と板の間には隙間を設けることが多いですが、この隙間の幅はデザインや実用性に応じて調整します。

    • 仕上げ処理: 最後に、塗装や防水処理を行い、外壁の耐久性を高めます。


メリット

  • デザイン性: 下見板貼りは、木の質感やデザイン性が魅力で、クラシックな外観や温かみのある雰囲気を演出します。

  • 耐久性: 適切な処理を施すことで、耐候性が高まり、長期間にわたって使用することができます。

  • 保温性: 木材には一定の保温性があり、外気温の影響を緩和する役割もあります。


デメリット

  • メンテナンス: 木材は定期的なメンテナンスが必要です。塗装の剥がれや腐食を防ぐためには、定期的な点検と処理が求められます。

  • コスト: 高品質な木材や施工にはコストがかかる場合があります。


下見板貼りは、その独特の外観から、古風で温かみのあるデザインを好む方に特に人気があります。もし、具体的なプロジェクトやデザイン案について相談があれば、どうぞお知らせください。


ファサードとは何?


ファサード(facade)とは、建物の外観や正面部分を指す言葉です。特に、建物の主な外面や正面を指し、そのデザインや装飾は建物全体の印象を大きく左右します。以下にファサードについて詳しく説明します。


ファサードの特徴と役割

  1. 外観デザイン

    • 美的要素: ファサードは建物の最も目立つ部分であり、そのデザインは建物の美しさや個性を表現します。色、形状、素材、装飾など、さまざまな要素が組み合わさってファサードが形成されます。

    • スタイル: ファサードのデザインは、建物の用途や建築スタイル(例:クラシック、モダン、ミニマルなど)に応じて異なります。スタイルや時代によっても大きく変わります。


  2. 機能的役割

    • エネルギー効率: ファサードは建物の断熱性や通気性に影響を与えるため、エネルギー効率の向上にも寄与します。適切な断熱材や窓の配置は、室内の温度管理に役立ちます。

    • 光の取り入れ: ファサードの設計によって、自然光をどれだけ取り入れるかを調整することができます。大きな窓や光を取り入れるデザインが施されることがあります。


  3. 構造的要素

    • 耐久性: ファサードは外部からの影響(風雨、紫外線など)にさらされるため、耐久性が求められます。使用する素材や仕上げが重要です。

    • 防犯性: 窓やドアの設計によって、防犯性も考慮されます。例えば、強化ガラスやセキュリティ機能が組み込まれることがあります。


  4. 文化的・地域的背景

    • 地域性: ファサードのデザインには地域の文化や伝統が反映されることが多いです。地域ごとの建築様式や歴史がファサードに影響を与えます。

    • 文化的な表現: 建物が位置する地域やその文化に応じて、ファサードのデザインはその地域のアイデンティティを表現することがあります。


ファサードの設計要素

  • 材料: 外壁に使用する素材(例:木材、コンクリート、ガラス、レンガなど)は、ファサードの見た目と機能に大きな影響を与えます。

  • 色彩: 色の選択は、建物の印象を決定する重要な要素です。明るい色や暗い色、大胆な色使いなど、さまざまな選択肢があります。

  • 装飾: 装飾的な要素(例:モールディング、バルコニー、コーニスなど)は、ファサードの美しさや個性を強調します。

  • 開口部: 窓やドアの配置、形状、大きさもファサードのデザインに影響します。開口部は光の取り入れや通風にも関係します。


ファサードは、建物の顔としてその印象を決定づける重要な部分です。デザインや材料の選択は、建物の機能性や美しさを大きく左右します。具体的なファサードのデザインに関する質問やアイデアがあれば、ぜひお知らせください!


素材を変える事で奥行が生まれる


素材を変えることで奥行き感を生む外観の設計方法には、いくつかのアプローチがあります。素材の違いを活かして、建物に立体感や深みを加える方法を以下に詳しく説明します。


1. 異なる素材の組み合わせ

  • 対比効果: 木材、石材、コンクリート、金属など異なる素材を組み合わせることで、視覚的な対比が生まれ、奥行き感が強調されます。例えば、滑らかなコンクリートの壁とテクスチャーのある石材の壁を組み合わせると、空間に立体感が出ます。

  • 部分的な使用: 建物の一部に異なる素材を使うことで、局所的に奥行きを作り出します。例えば、ファサードの一部に木材を使い、その他の部分には金属を使うなどです。


2. 素材のテクスチャーと仕上げ

  • テクスチャーの違い: 同じ素材でも、テクスチャーや仕上げを変えることで奥行き感を出すことができます。例えば、滑らかな仕上げの部分と粗いテクスチャーの部分を対比させることで、立体感が強調されます。

  • 陰影の効果: テクスチャーや仕上げが光を異なるように反射することで、自然な陰影が生まれ、奥行きが感じられます。


3. 素材の層の重ね方

  • 出っ張りと引っ込み: 素材を層状に重ねることで、出っ張りや引っ込みを作り、視覚的な奥行き感を演出します。例えば、木材パネルが一部壁面から突き出していると、前景と背景が強調されます。

  • 縦横のライン: 素材の設置方向(縦・横)を変えることで、視覚的に奥行きを出すことができます。縦のラインが多いと高く感じられ、横のラインが多いと広がりを感じやすくなります。


4. 素材の色の違い

  • 色のコントラスト: 異なる素材を使い、色にコントラストを持たせることで奥行き感を強調できます。例えば、暗い色の素材と明るい色の素材を組み合わせると、前後の距離感が感じられます。

  • グラデーション: 色のグラデーションを使用することで、自然な奥行きを作り出します。色が徐々に変化することで、立体感が生まれます。


5. 素材の配置と形状

  • 凹凸の配置: 材料の配置により、凹凸を意図的に作ることで、奥行き感を生み出します。例えば、窓周りや出入口周辺に凹凸をつけると、視覚的な深みが増します。

  • 変則的な配置: 素材をランダムに配置することで、自然な奥行き感や動きが感じられるデザインになります。


6. 照明との連携

  • 照明の工夫: 照明を使って素材のテクスチャーや層を強調することで、奥行き感が生まれます。ライトの角度や強さを調整することで、陰影の効果が際立ちます。

  • バックライト: 特定の素材にバックライトを当てることで、奥行き感が増します。例えば、ガラスや透過素材にバックライトを使うと、立体感が強調されます。


これらの手法を組み合わせて、外観に奥行きを加えることができます。具体的なデザイン案や素材選びについてのアドバイスが必要であれば、ぜひお知らせください。


ザラッとした素材感


ザラッとした素材感とは、表面が粗くてテクスチャーが感じられる状態を指します。触れるとザラザラした感触があり、視覚的にもそのテクスチャーが確認できる素材です。このような素材感は、以下の特徴を持ちます。


ザラッとした素材感の特徴

  1. 触感

    • 粗さ: 表面が粗く、手で触れるとザラザラした感触があります。この感触は、表面が細かい凹凸や粒子で覆われていることによって生まれます。

    • テクスチャー: ザラザラした表面は、視覚的にも粗いテクスチャーとして認識され、光の反射が不均一になります。


  2. 視覚的効果

    • 陰影の変化: ザラッとした素材は光を不均等に反射するため、陰影の変化が多く、立体感や深みを感じさせます。

    • 動きのある印象: 表面に細かい凹凸があるため、見る角度によって異なる光の当たり方や影が生まれ、動きのある印象を与えることがあります。


  3. 素材の種類

    • 自然素材: 石材(例えば、粗い表面の石)、木材(特に古びた木材や未加工の木材)は、ザラッとした素材感がよく見られます。

    • 人工素材: コンクリート(特に表面が仕上げられていないもの)、レンガ、テクスチャー仕上げのペイントなどもザラッとした感触があります。


ザラッとした素材感の利用例

  1. 建築デザイン

    • 外壁材: ザラッとしたテクスチャーの外壁材(例えば、ラフ仕上げのコンクリートや粗い石材)は、建物に自然で素朴な印象を与えます。

    • アクセント: ザラッとした素材は、建物のアクセント部分や特定のデザイン要素として使用されることが多いです。例えば、入り口やファサードの一部に取り入れることで、視覚的な興味を引きます。


  2. インテリアデザイン

    • 壁材: インテリアでもザラッとした素材感の壁材や装飾は、温かみや独自の風合いを加えることができます。例えば、粗いテクスチャーのレンガ壁や自然素材の壁板などです。

    • 床材: 磨かれていない石材やコンクリートの床もザラッとした質感を持ち、インダストリアルやカジュアルな雰囲気を演出します。


  3. 家具や小物

    • 家具: ザラッとした素材感の木製家具やコンクリート製の家具は、独特の風合いを持ち、インテリアに個性を加えます。

    • 小物: 小物や装飾品でもザラッとした素材感のアイテム(例えば、粗いセラミックや手作り感のあるアイテム)は、デザインにアクセントを加えます。


ザラッとした素材感は、視覚的にも触感的にも印象が強く、デザインに独自のキャラクターや魅力を加えることができます。素材の選択によって、建物やインテリアに個性を持たせることができます。



賃貸集合住宅(マンション・アパート)設計プロジェクトの解説



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