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  • 執筆者の写真t-ogino

マンションの騒音はどうすれば防げる?音の種類は、空気伝搬音・軽量衝撃音・重量衝撃音

更新日:8月25日


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中古のマンションを購入して、リノベーションをする方が多くなって来ました。一戸建ての住宅と違い、マンションは上下左右と隣のお宅があり、音が伝わってしまう心配があります。特に、子育て家族がマンションに住むときに、気をつけなくてはならないのが、子供が起こしてしまう騒音。元気に育って欲しいのですが、近所の方の迷惑になってしまっては、トラブルになりかねません。特にマンションでは、左右、上下と、お隣に住んでいる方も多く、音も伝わりやすい為、注意が必要です。日頃から行えるマンションの騒音対策を解説します。

騒音は大きく3っつの種類。空気伝搬音・軽量衝撃音・重量衝撃音

マンションで、隣家に伝わる音には、空気伝搬音・軽量衝撃音・重量衝撃音があります。空気伝播音とは、文字通り空気中を伝わっていく音で、外で遊んでいる子供の声や、楽器やスピーカーの音など、空気を伝わっていく音で、距離が遠ければ遠いほど小さくなり、また壁などの遮蔽物によって遮られる特徴があり、音が上に上がっていく性質もあります。軽量衝撃音と重量衝撃音は、床や壁などと固体物が振動して伝わっていく音です。その中でもスプーンなど軽いものを落としたり、椅子を引いたりする時の比較的軽めで高い音域の音のことを軽量衝撃音といいます。


重量衝撃音とは、子供が飛び跳ねドスンと着地した時の下の階に伝わる、重い音のことです。主にこの3種類の音が騒音となって、伝わっていきます。

マンションの多くはコンクリートでつくられています。コンクリートの特性として空気中を伝わる空気伝播音に対しては、音に対する遮蔽物として機能しますが、重量衝撃音のような大きな振動に対しては、コンクリートの壁やスラブが振動し音が伝わる性質があります。コンクリートが厚く、柱梁がたくさん入っているほど、振動は少なくなる特徴もあります。

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日々の生活の中での、騒音対策

空気伝播音は、部屋の中から一旦外に出て、外から近隣の部屋の中に入っていきます。部屋から外に出ていく時に、サッシを閉めておけばサッシが遮蔽物となり、音を妨げてくれます。マンションの外壁にはサッシ以外に、吸気口などの開口部がありますから、完全に音を遮ることが出来るわけではありませんが、騒音はかなり軽減されます。子供たちが集まる時、歌の練習をしたいときには、サッシを閉めることで、音を和らげる効果が期待できます。


軽量衝撃音は、床にモノを落としたときの仕上材に左右されます。硬いフローリングは、軽量衝撃音を響かせてしまいますが、やわらかいクッションフロアやカーペット・絨毯は落としたときの衝撃をやわらげ音の小さくしてくれます。これは、スリッパをはいて歩くときの、パタパタした音や椅子を引いた時の音も同様です。椅子テーブルの下など、音が出やすい場所に、カーペットなどを引いておくのも対策のひとつです。


重量衝撃音は床スラブの厚さにより変わって来る為、音が伝わりやすいマンション、伝わりにくいマンションがあります。また、カーペット等をひくことで衝撃を減らそうとしても、子供がソファーなどから飛び降りたズドンという重量衝撃は、コンクリートに伝わってしまい、効果は小さなものです。とにかく、お子さんが走り回ったり、飛び跳ねたりしないことが、一番の対策になります。

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子供に教えること、周囲に伝えること

遊びざかりのお子さんがいるご家庭では、どんなに対策をしても、騒音を出さずにすむということはありません。子供たちも遊びたいし、大人も子供と遊びたい。そこで、騒ぐとご近所の迷惑になってしまうこと自体を、子供に教える必要があります。特に、夜は皆静かにしている時間であるから、夜は静かにしなくてはいけないなど、他人のことを思いやって遊ぶ時間、静かにする時間を認識させたいところです。


さらに、子育て中ということを近隣の方に知ってもらうとトラブル軽減になります。お隣だけでなく、上下の方も含め子供が出す音について話し、理解をいただいておきたいです。近隣の方の生活習慣もお聞きしておき、子供を騒がせてはいけない時間を把握しておくことも重要です。

しっかりと考えよう

マンションで生活する上で、ご近所に迷惑なってしまう騒音には、3種類がある事を解説してきました。とにかく音を出さなければ良いというわけでは無く、それぞれの音の種類によって対策が異なります。騒音種類に応じた対策が必要です。解説して来た騒音に関しては、子供だけではなく、大人が出す音も同じように伝わります。私たち大人が出す騒音も同様に考えておきたいです。


マンションの床の防音方法


マンションの床の防音方法にはいくつかのアプローチがあります。具体的には以下のような方法があります:


1. 防音マットやカーペット

  • 防音マット:床に敷くことで音の伝わりを軽減します。音を吸収するため、特に足音や歩行音を減らすのに効果的です。

  • カーペット:防音マットと同様に、カーペットも音を吸収し、反響を抑えます。厚みがあるほど効果的です。


2. 防音パネル

  • 壁用防音パネル:床に直接ではなく、壁に取り付けることで音の漏れを防ぐ方法です。音が床を伝わるのを防ぐのには向いていますが、全面的な防音には不十分な場合があります。


3. 床材の選定

  • 防音性能のある床材:特に防音性能の高いフローリングやタイルなど、選ぶことで音の伝わりを抑えることができます。

  • 浮かせた床:床材を浮かせて施工することで、音の伝わりを抑える方法です。振動音を減少させるのに効果的です。


4. 防音シート

  • 防音シート:床の下に敷くことで音の伝わりを軽減します。厚みがあるほど防音効果が高くなります。


5. 床下の施工

  • 防音下地の施工:床材の下に防音材を入れることで、音の漏れを防ぎます。リフォームや新築時に取り入れると効果的です。


6. 音の吸収材の使用

  • 吸音材:床下や壁に吸音材を入れることで、音の反響を抑える方法です。音のエコーを減らし、部屋の音響を改善します。


どの方法を選ぶかは、マンションの構造や予算、目的によって異なります。実際に取り入れる際は、専門業者に相談するのも良いかもしれません。


マンションの壁の防音方法


マンションの壁の防音にはさまざまな方法があります。具体的な方法を以下にまとめました:


1. 防音パネルの取り付け

  • 吸音パネル:壁に取り付けることで、音の反響を抑えることができます。主に高周波の音(例えば、人の話し声や音楽)に対して効果があります。

  • 防音ボード:音を遮断するための専用ボードで、壁の表面に取り付けます。音漏れを防ぐためには、壁全体に取り付けることが望ましいです。


2. 壁の補強

  • 二重壁構造:壁の内側にもう一層の壁を作ることで、音の伝わりを大幅に減少させる方法です。防音材を間に挟むことで、より高い防音効果が期待できます。

  • 遮音シート:壁の裏に取り付けることで、音の伝達を抑えるシートです。特に低音の遮断に効果があります。


3. 吸音材の使用

  • 吸音パネル:壁に取り付けることで音の吸収を促進し、音の反響を抑えます。音の拡散を防ぐために、部屋の隅や壁の中心に配置します。

  • 吸音クロス:壁に貼ることで、音の反響を軽減します。見た目もインテリアに合わせやすいです。


4. 壁紙や塗装の選定

  • 防音壁紙:特別な素材で作られた防音壁紙を使用することで、音の伝わりを減少させることができます。

  • 防音塗料:塗料の中に防音材が含まれているものもあり、壁に塗ることで音の伝わりを抑える効果があります。


5. 断熱材の使用

  • 壁内に断熱材を挿入:壁の中に断熱材を挿入することで、音の伝達を抑えることができます。断熱材は音も吸収するため、静かな環境を作るのに役立ちます。


6. 壁の隙間やクラックの補修

  • シーリング材の使用:壁の隙間やクラックにシーリング材を使うことで、音漏れを防ぎます。特にドアや窓の周りの隙間が音漏れの原因になることがあります。


7. 家具や装飾の活用

  • 厚いカーテン:壁にかけることで音の反響を軽減することができます。特に窓の近くに取り付けると効果的です。

  • 本棚や棚:壁に対して音を遮断する家具を配置することで、音の伝わりを減少させることができます。


これらの方法を組み合わせることで、マンションの壁の防音性能を大幅に向上させることができます。具体的な防音対策を検討する際は、一級建築士に相談するのも良いでしょう。



住まいの設計・計画の解説


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