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バルコニーと一体になった、家族と猫と暮らす開放的なリビング空間

  • 執筆者の写真: t-ogino
    t-ogino
  • 16 分前
  • 読了時間: 10分
バルコニーと一体になったリビング


バルコニーと一体になったリビングです。リノベーション前は2部屋に分けられていた間取りをオープンにすることで、開放感のあるリビングになりました。間仕切壁を少なくすると抜け感が変わってきます。



リビングの造作家具


リモートワークも多い施主のために、リビングの壁面に、ワークスペースとなるカウンターを造作しました。本棚、書類置場、パソコン用の壁付けモニターのある造作家具です。最上段はキャットウォーク。壁の棚はキャットステップも兼ねています。天井近くに設置したスピーカーは施主の祖父がおもちだったもの。地震で揺れた時に落下しない様に、吊りボルトで落下止めしています。窓のそばには猫用のゲージ。外を眺めるのが好きな猫ちゃんの為に、ゲージから外を見られる窓のそばに配置しました。


リビングに置かれた、パイン材のキャットゲージ


パイン材の猫のゲージが、この家に似合ってます。



バルコニーと一体、家族と猫と暮らす開放的なリビング空間

この住まいは、リノベーションによって生まれ変わった、光と風が通り抜ける開放的なリビング空間です。かつては2部屋に分かれていた間取りを大胆にオープンにすることで、ひとつながりの広がりを持つ空間へと再構築されました。間仕切り壁を減らすことで、視線の抜けが生まれ、空間全体にゆとりと柔らかさが宿ります。バルコニーとリビングが一体となった設計は、内と外の境界を曖昧にし、季節の移ろいや自然の気配を日々の暮らしに取り込む工夫でもあります。


リビングの大きな窓からは、バルコニーの緑が目に入り、外の光がたっぷりと室内に注ぎ込みます。朝には柔らかな陽光が床を照らし、夕方には西日が壁に長い影を落とす。時間の流れが空間に表情を与え、住まう人の感覚を豊かにしてくれるのです。窓際には猫用のゲージが置かれ、そこから外を眺める猫の姿が、この家の穏やかな日常を象徴しています。ゲージはパイン材で造られており、空間全体の木の質感と調和しながら、猫にとっても心地よい居場所となっています。


家族の暮らしに寄り添う、造作のワークスペース

この住まいのもうひとつの特徴は、リビングの壁面に設けられた造作のワークスペースです。施主はリモートワークが多く、仕事と家庭が同じ空間で交差するライフスタイルを送っています。そのため、リビングの一角に、機能的でありながら空間に溶け込むようなワークスペースが求められました。


造作されたカウンターは、壁に沿って設けられ、パソコン作業に適した高さと奥行きを持っています。壁付けのモニターが設置されており、視線が自然と前方に向くように設計されています。モニターの下には書類置き場があり、日々の業務に必要な資料や文具がすっきりと収まるよう工夫されています。さらに、カウンターの上部には本棚が連なり、仕事に必要な書籍や趣味の本が並びます。棚の最上段はキャットウォークとして設計されており、猫が自由に歩き回れるようになっています。壁の棚はキャットステップも兼ねており、猫が上下に移動できる立体的な動線が確保されています。


このように、ワークスペースは施主の仕事環境を支えるだけでなく、猫との暮らしにも配慮された設計となっています。人と動物が同じ空間で快適に過ごせるよう、細やかな工夫が随所に施されています。


祖父のスピーカーと、記憶を受け継ぐ空間

天井近くに設置されたスピーカーは、施主の祖父が所有していたものです。長年使われてきたそのスピーカーは、音響機器としての役割を超えて、家族の記憶を宿す存在でもあります。リノベーションにあたり、施主はこのスピーカーを新しい空間にどう組み込むかを慎重に考えました。


最終的に、スピーカーは天井近くに吊りボルトで固定され、地震の揺れでも落下しないよう安全性が確保されました。この設置方法は、祖父の思い出を大切にしながら、現代の住まいにふさわしい形で受け継ぐ工夫です。空間に漂う音楽は、祖父の時代から続く音の記憶を呼び起こし、家族のつながりを感じさせてくれます。


子どもと猫が遊ぶ、暮らしの風景

写真に映る空間には、子どもが自由に動き回り、猫が棚の上を歩く姿が見られます。リビングの床は木材で仕上げられており、素足で歩いても心地よく、子どもが遊ぶには最適な素材です。家具も木を基調としており、空間全体に温もりが漂います。ダイニングテーブルや椅子、収納棚などは、使い込むほどに味わいが増す素材で統一されており、家族の成長とともに空間も変化していくことが期待されます。


棚の一部には、子どもが入り込めるほどのスペースがあり、まるで秘密基地のような遊び場になっています。こうした設計は、子どもの好奇心や遊び心を尊重したものであり、家の中に冒険の場をつくるという発想が感じられます。猫もまた、棚の上を歩いたり、窓際のゲージで外を眺めたりと、自由に空間を使いこなしています。人と動物がそれぞれのペースで過ごせる住まいは、まさに「共に暮らす」ことの理想形です。


空間の質感と、暮らしのリズム

この住まいの魅力は、単に間取りを開放的にしたことだけではありません。素材の選び方、家具の配置、光の取り入れ方など、細部にわたる設計の工夫が、暮らしの質を高めています。パイン材の猫ゲージに象徴されるように、自然素材を多用することで、空間に柔らかさと親しみやすさが生まれています。木の質感は、視覚的な温もりだけでなく、触れたときの感触や香りによって、五感に働きかける力を持っています。


また、空間の中には「余白」が意識的に設けられており、家具と家具の間、壁と棚の間に適度な距離が保たれています。この余白があることで、空間に呼吸が生まれ、暮らしのリズムが整います。忙しい日常の中でも、ふとした瞬間に立ち止まり、窓の外を眺めたり、猫と目を合わせたりする時間が生まれるのです。


住まいは「関係性」の器

このリノベーションは、単なる空間の刷新ではなく、住まいを「関係性の器」として再定義しています。施主と家族、猫、祖父の記憶、そして空間そのものが、互いに関係し合いながら暮らしを形づくっています。リビングのワークスペースは、仕事と家庭の境界を柔らかくつなぎ、棚のキャットウォークは猫の自由を尊重しながら、人との距離感を調整します。祖父のスピーカーは、過去と現在をつなぎ、音楽を通じて家族の記憶を紡ぎます。


このように、住まいは単なる機能の集合体ではなく、そこに住む人々の価値観や感情、記憶が織り込まれた「生きた空間」です。リノベーションによって生まれたこの家は、施主の暮らしに寄り添いながら、日々の営みを支える静かな舞台となっています。


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家族と猫が暮らすリビング空間の設計ポイント


家族と猫が共に暮らす住まいにおいて、リビングは生活の中心であり、感情の交差点でもあります。人が集い、会話し、くつろぎ、時には喧騒の中で静けさを求める場所です。そして猫にとっても、日向ぼっこをしたり、高い場所から家族を見守ったり、気ままに過ごす大切な居場所となります。こうしたリビング空間を開放的に設計する際には、単なる広さや視線の抜けだけでなく、家族のライフスタイルと猫の習性を織り交ぜた、繊細で多層的な配慮が求められます。


1. 空間構成とゾーニングの工夫

開放的な空間とは、単に壁を取り払った広い部屋という意味ではありません。視線の抜け、光の通り道、音の広がり、そして人と猫の動線が自然に交差するような構成が理想的です。たとえば、リビングとダイニング・キッチンを緩やかに繋げることで、家族の気配が常に感じられる空間になります。猫は孤独を好む一方で、人の気配を感じられる場所に安心感を覚えるため、こうした構成は猫にとっても心地よいものとなります。


また、スキップフロアや段差を活用することで、猫の上下運動を促す立体的な空間が生まれます。梁や棚をキャットウォークとして設計することで、猫が高所から家族を見守ることができ、安心感と遊び心が共存します。こうした構成は、子どもとの関係性にも良い影響を与え、猫と子どもが自然に交差する場面が生まれます。


2. 素材選びと仕上げの工夫

猫と暮らす空間では、素材選びが非常に重要です。まず床材は、滑りにくく、傷がつきにくいものを選ぶことが基本です。無垢材のオークやタモなどは、猫の爪にも比較的強く、経年変化によって味わいが増すため、長く使うほどに愛着が湧きます。さらに、猫の毛が目立ちにくい色味や質感を選ぶことで、掃除の負担も軽減されます。


壁材や家具の仕上げも、猫が爪を立てても傷が目立ちにくいものを選ぶとよいでしょう。たとえば、左官仕上げの壁や、木目のある突板仕上げの収納扉などは、猫の動きと調和しやすく、空間に温もりを与えます。猫が登る可能性のある棚やカウンターは、角を丸くしたり、滑り止めの工夫を施すことで、安全性と美しさを両立できます。


3. 猫の習性に配慮した設計

猫は高い場所を好み、狭い場所に安心感を覚えます。こうした習性を空間に取り入れることで、猫にとっても「居場所」がある住まいになります。たとえば、窓辺に広めの棚を設けて日向ぼっこスペースを作ったり、収納棚の一部を猫が通り抜けられる構造にすることで、猫の動線が自然に空間に溶け込みます。


また、猫用トイレの配置にも配慮が必要です。リビングの隅や静かな場所に設け、換気がしやすいように窓や換気扇の近くに配置することで、臭いの問題を軽減できます。さらに、猫が落ち着いて用を足せるよう、視線が遮られる工夫も重要です。

猫の食事スペースも、家族の動線と交差しない場所に設けることで、猫が安心して食事できます。水飲み場は複数箇所に設けると、猫の健康にも良い影響を与えます。


4. 家族との共生を意識した工夫

猫と暮らす空間では、家族との関係性も空間に反映されるべきです。特に子どもとの接点を意識した設計は、猫とのふれあいを自然に促します。たとえば、子どもが遊ぶスペースの近くにキャットウォークを設けたり、収納棚の一部を猫が通れるトンネル状にすることで、遊びの中に猫との関係性が生まれます。


また、猫が入ってはいけない場所(キッチン、玄関など)には、仕切りや扉を設けることで安全性を確保します。特にキッチンでは、火や刃物などの危険があるため、猫が入り込まないような工夫が必要です。ガラス扉などで視線を遮らずに仕切ることで、開放感を損なわずに安全性を高めることができます。


家具の配置にも注意が必要です。猫が飛び移りやすい場所にペンダントライトや観葉植物を置くと、落下の危険があるため、配置を工夫するか、固定することで事故を防ぐことができます。


5. 感性と温もりを添える工夫

開放的な空間において、感性と温もりを添えることは、家族と猫の心の安定にもつながります。自然素材を多用することで、空間に柔らかさと安心感が生まれます。木材の質感、布の手触り、光の陰影などが、五感に働きかける設計は、猫にも人にも優しいものです。


また、視線の抜けと居場所の多様性を意識することで、空間に奥行きが生まれます。猫がくつろげる場所、子どもが遊べる場所、大人が読書できる場所など、用途の異なる居場所を散りばめることで、空間が単調にならず、家族それぞれの時間が尊重されます。


照明計画も重要です。昼は自然光を最大限に取り入れ、夜は間接照明や調光機能を活用することで、猫の目にも優しく、家族の気分に合わせた空間演出が可能になります。



家族と猫が共に暮らす開放的なリビング空間は、単なる広さやデザイン性だけでは成立しません。そこには、暮らしのリズム、感情の流れ、そして生き物としての猫の習性を丁寧に読み解いた設計が必要です。空間は、使う人によって生き方を変え、使う人によって意味を持ちます。だからこそ、設計者は空間を「つくる」のではなく、「育てる」ような視点で向き合うべきだと考えます。


猫が安心して眠る場所、子どもが笑いながら遊ぶ場所、家族が自然に集まる場所。それらが一つの空間の中で共存し、互いに響き合うことで、リビングは単なる部屋ではなく、「暮らしの舞台」となります。開放的でありながら、包み込むような優しさを持つ空間。それこそが、家族と猫が共に幸せに暮らす住まいの理想形であるといえます。



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