変化が、余白と溜まりを作ってくれ、家の大きさ以上に、余裕が感じられます。暮らしの中での心地良さに繋がってくれます。
天井に段差を作り、天井高さを変化させています。光りの廻り方が場所毎で変わり、質感が浮でています。何より高さに違いがある事で、高い場所がより大きく広がりを感じます。天井の低い場所には設備配管をまとめました。
戸建てリノベーション。4月半ば完成に向けて工事中。3月末には形が見えてくるかな。断熱改修もバッチリ。30年前と今では断熱に対する意識は、全く違っていて断熱はかなり弱いので、基本的な性能は上げておきたいです。今回は床壁天井、全面に断熱を負荷しました。工事中も明らかに暖かくなりました。
天井に高低差をつくる事で何故、抜け感、開放感が生まれるのか
天井に高低差をつけることで抜け感や開放感が生まれる理由は、視覚的な効果と空間の使い方に関連しています。以下のポイントが主な要因です:
視覚的な奥行き感: 天井に高低差をつけることで、視線が上下に広がり、空間が広がって見えます。高い天井部分が視覚的に広がりを作り、低い部分とのコントラストが奥行きを感じさせるのです。
光と影の効果: 高低差をつけることで、光が異なる角度から空間に入るようになります。これにより、部屋に自然な陰影が生まれ、立体感や開放感が増します。特に天井が高い部分には光が届きやすくなり、明るさが増します。
視線の誘導: 高い天井部分は視線を上に向けさせ、視覚的に空間が広がる印象を与えます。また、視線が上に向かうことで、空間の圧迫感が軽減され、開放感が生まれます。
空間のゾーニング: 高低差をつけることで、空間を視覚的に分けることができます。例えば、リビングルームの一部を高くすることで、他のエリアとの区別がつき、空間が整理されて感じられることがあります。
空気の流れ: 高低差があると、空気の流れが異なるため、より快適な環境が作られることがあります。特に高い部分には暖かい空気がたまりやすく、低い部分は涼しい空気が流れることがあります。
これらの要素が組み合わさることで、天井に高低差をつけた空間は、視覚的に広がりを感じさせ、より開放的で快適に感じることができます。
抜け感とは
「抜け感」とは、空間やデザインにおいて、圧迫感を和らげ、開放的で自由な印象を与える要素のことを指します。具体的には以下のような要素で表現されることが多いです:
視覚的な広がり: 空間の一部を高くしたり、天井を斜めにすることで、視線が広がり、視覚的に広がりを感じさせます。これにより、狭さや閉塞感が軽減されます。
光の取り入れ方: 大きな窓や天窓などで自然光を多く取り入れることで、明るく開放的な雰囲気を作り出すことができます。光が豊富な空間は、より広く感じられることがあります。
空間の連続性: 空間に段差や仕切りを設けることで、異なるエリア間に流れるような繋がりを作り出し、空間全体が広がりを感じさせるようにします。吹抜けやオープンプランの設計もその一例です。
シンプルなデザイン: シンプルな内装や家具配置も、空間に抜け感を持たせる要素です。過剰な装飾や物の配置を避けることで、空間にゆとりを感じさせることができます。
空気の流れ: 空気の流れが良いと、空間が爽やかに感じられ、開放感が増します。自然換気や通風を考慮した設計が効果的です。
これらの要素が組み合わさることで、視覚的に広がりを感じさせ、心地よい空間を作り出すのが「抜け感」の特徴です。
開放感とは
「開放感」とは、空間や環境において感じられる自由で広がりのある印象のことを指します。これにより、人がその空間にいるときに圧迫感や窮屈さを感じず、リラックスしたり、心地よく感じたりします。開放感を生む要素には以下のようなものがあります:
空間の広さ: 大きな部屋や天井の高さなど、空間が広いと自然と開放感が生まれます。広々とした空間は、心身ともにリラックスしやすくなります。
光の取り入れ方: 大きな窓や天窓を使って自然光を取り入れることで、空間が明るく、開放的に感じられます。光がたくさん入ると、視覚的に広がりを感じやすくなります。
視覚的な連続性: 部屋や空間が視覚的に連続していると、閉塞感が軽減され、広がりを感じやすくなります。例えば、オープンプランや吹抜けのデザインがこれに該当します。
シンプルなデザイン: 混雑したデザインや過剰な装飾は、空間を圧迫して感じさせることがあります。シンプルで整ったデザインは、より広く感じられることが多いです。
空気の流れ: 良い通風や換気は、空間に清潔感をもたらし、開放的な雰囲気を作ります。新鮮な空気が流れることで、より快適に感じられます。
視線の誘導: 空間における視線の誘導がスムーズであることも、開放感を感じる要素です。例えば、広い景色が見える窓や、広がりを感じさせるアート作品などがこれに該当します。
これらの要素が組み合わさることで、空間に開放感が生まれ、利用者が自由でリラックスできる感じが得られるのです。
天井高さを変える設計をする時の注意点
天井の高さを変える設計には、以下のような注意点があります:
空間のバランス:
視覚的バランス: 高い天井と低い天井を効果的に組み合わせることで、空間全体のバランスが取れるようにしましょう。急激な高低差は圧迫感を生む可能性があるため、適度なグラデーションを考慮します。
プロポーション: 部屋のサイズや用途に応じた天井の高さ設定が重要です。例えば、リビングやダイニングは高めにし、プライベートな空間(寝室など)は少し低めにするなど、プロポーションに注意を払いましょう。
光と影の取り入れ方:
自然光の取り入れ: 天井が高い部分に窓や天窓を配置し、自然光を効果的に取り入れることが大切です。逆に、低い天井部分では人工照明が重要になります。
影のコントロール: 高低差によってできる影を考慮し、空間全体が均等に明るくなるように工夫します。
空気の流れと換気:
空気の循環: 天井の高さによって空気の流れが変わるため、換気の配置や空気循環の工夫が必要です。高い天井部分には暖かい空気が溜まりやすいので、効果的な換気計画を立てましょう。
エアコンの配置: エアコンの位置や性能も考慮し、高い天井の空間での冷暖房効果を最大限に引き出すようにします。
音響効果:
音の反響: 天井が高いと音が反響しやすくなるため、音響対策が必要です。吸音材やカーテン、カーペットなどを使って音の反響を抑える方法があります。
プライバシーの確保: 高い天井部分がある場合、音が上下に伝わる可能性があるため、音漏れやプライバシーの確保にも注意が必要です。
構造的な考慮:
強度と安全性: 天井の高さを変更する際には、構造的な強度を考慮することが重要です。特に高い天井の場合、建物の構造に対する影響や荷重の分散について専門家と相談しましょう。
断熱性: 天井の高さによって断熱性能が変わるため、断熱材の選定や施工が重要です。高い天井部分では、熱が逃げやすくなるため、断熱対策が必要です。
デザインと機能性の調和:
インテリアデザイン: 天井の高さによって部屋の雰囲気やデザインが大きく変わります。家具や装飾の配置も考慮し、全体的に調和の取れたデザインにすることが大切です。
機能性: 高い天井が必要な場合でも、収納や使いやすさを考慮した設計が求められます。高い場所に収納を設ける場合、アクセスのしやすさを考慮する必要があります。
これらの注意点を考慮しながら天井の高さをデザインすることで、快適で機能的な空間を実現することができます。
天井に段差をつくる事での、光の廻り方の変化
天井に段差をつけることで、光の廻り方にさまざまな変化が生まれます。段差を作ることで得られる光の変化には、以下のような要素があります:
1. 光の屈折と反射
屈折: 天井に段差をつけると、光が異なる高さの部分で屈折します。高い天井部分と低い天井部分で光の角度が変わるため、光が空間全体に均等に行き渡りにくくなります。これにより、特定のエリアに集中した光や、異なる明るさのゾーンが生まれることがあります。
反射: 段差のある天井は、光が異なる角度で反射するため、壁や天井に複雑なパターンや陰影が生まれます。これにより、空間に立体感や深みが加わり、視覚的な興味が生まれます。
2. 影の形成
高低差による影: 天井に段差を作ることで、高い部分と低い部分で異なる影が形成されます。高い部分からは長い影が落ち、低い部分では短い影ができるため、空間に動きや変化を感じさせることができます。
陰影のコントラスト: 高低差によって、光と影のコントラストが強くなります。これにより、空間全体がよりドラマチックに見えたり、特定のエリアが強調されたりします。
3. 光の拡散
拡散の変化: 段差があると、光が異なる部分に均等に広がらなくなります。高い部分からは直接的な光が落ちる一方、低い部分では間接光が主となることがあります。これにより、空間全体で光の強さや質が異なることがあります。
間接光の利用: 高い部分に取り付けた照明や、段差によって反射させた光を利用することで、柔らかく拡散した間接光を得ることができます。これにより、空間に優しい明るさを加えることができます。
4. 空間のゾーニング
ゾーンの分け方: 段差を使って空間を視覚的に分けると、光が異なるエリアに異なる影響を与えます。例えば、リビングとダイニングのエリアを段差で分けることで、それぞれのエリアに適した光の演出が可能になります。
視線の誘導: 段差を使って光の流れや影をコントロールすることで、視線を特定の方向に誘導することができます。これにより、空間の一部を強調したり、視覚的な焦点を作ったりすることができます。
5. デザインの強調
デザイン要素の強調: 段差によって、天井の一部を特定のデザイン要素やアートを強調することができます。例えば、段差の部分に間接照明を組み合わせることで、その部分が際立ち、デザインのポイントとなります。
天井に段差をつけることで、光の屈折、反射、影の形成、光の拡散、空間のゾーニング、デザインの強調など、光の扱い方に大きな変化が生まれます。これらの変化を上手に活用することで、空間に立体感や深み、視覚的な興味を加えることができるのです。
変化と余白がある、住まい
「変化と余白がある住まい」の良さには、以下のような点があります:
1. 空間の柔軟性と適応性
多用途性: 空間に変化を持たせることで、住まいが多用途に利用できるようになります。例えば、可動式の仕切りや段差、家具の配置によって、リビングがパーティーの場にも家庭の仕事場にも変わるといった柔軟性を持たせることができます。
将来の変更に対応: 住まいに余白や変化を取り入れておくと、ライフスタイルの変化に応じて空間を再配置したり、リフォームしたりする際に容易に適応できます。
2. 視覚的な興味と美しさ
デザインのアクセント: 変化のある空間は視覚的に興味深くなり、デザインのアクセントとして機能します。段差や天井の変化、異なる素材や色の使用などが、空間に動きと魅力を加えます。
余白の美学: 空間に意図的に余白を作ることで、デザインに呼吸を与え、視覚的に落ち着いた印象を与えます。余白があることで、家具や装飾品が際立ち、全体的に洗練された印象を与えることができます。
3. 心理的な快適さとリラクゼーション
開放感と自由: 変化がある空間は、単調さを避け、視覚的に楽しませてくれます。余白を取り入れることで、圧迫感が軽減し、開放感を感じやすくなります。これにより、心理的なストレスが軽減され、リラックスしやすい空間が作られます。
落ち着ける空間: 余白があることで、空間に余裕が生まれ、物理的にも心理的にもストレスを感じにくくなります。忙しい日常からの逃避や、リラックスするための静かな場所として機能します。
4. 空間の動きとダイナミズム
視覚的な動き: 天井の高さや段差、照明の変化など、空間に変化を持たせることで、視覚的な動きを感じることができます。これにより、空間が単調になることなく、動きとエネルギーを感じさせることができます。
機能的なゾーニング: 変化のある空間は、自然に異なるゾーンを作り出すことができます。例えば、リビングとダイニングのエリアを段差で分けることで、機能的な分割が生まれます。これにより、空間がより使いやすく、効率的になります。
5. 個性の表現
パーソナライズ: 住まいに変化や余白を取り入れることで、自分自身の個性や好みを反映させることができます。カスタマイズ可能な要素やデザインを取り入れることで、オリジナリティのある住まいが実現します。
創造性の発揮: 変化のある空間は、住まい手の創造性を引き出し、個性的なインテリアデザインやレイアウトを実現しやすくします。余白があることで、自由にデコレーションや配置を楽しむことができます。
「変化と余白がある住まい」は、視覚的な魅力や機能的な柔軟性、心理的な快適さを提供します。空間に動きやダイナミズムを加えつつ、余裕を持たせることで、使い勝手が良く、落ち着きのある住まいを作ることができます。また、個性を反映させるための自由度も高く、住まい手にとって快適で満足度の高い空間を実現することができます。
戸建て木造リノベーション設計プロジェクトの解説
Comments