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執筆者の写真t-ogino

回遊動線+家事動線で、効率的な動線にする設計手法の平面図。回遊式の間取りで、歩き回る。

更新日:8月25日


回遊式の間取り図平面図

ひとが歩く動きの道筋を動線と言います。

この動線、一方向へ動く動線ですと、どん詰まりになります。

回遊式動線という動線手法があります。

家の中をぐるっと歩き回る、動線のことです。

回遊式動線ですと、家の中での行動に奥行きが出来て、生活をする中で

家の中がゆったり感じてきます。

小道や路地を歩くときのようなワクワク感も味わえ、家の中に変化と流動性、

空気と行動の流れと動きが出来、家に奥行きを感じることが出来ます。

生活の奥行きと心地よさにつながります。

さらに、回遊式の動線に家事動線を取り込むことで、家事がしやすくなります。

家事は毎日のことですから。

動きやすい家事動線は効率的で快適な家事につながります。

画像の平面は、2世帯住宅の子世帯。

キッチンから直接、洗面所に出入りできる事で、料理をしながら洗濯も出来ます。

洗濯モノは浴室乾燥機で乾かした後、そのまま寝室で畳み、

隣のウォークインクローゼットに仕舞います。

洗面所には寝室からも入れ、朝起きたとき、隣で寝ているつれ合いを起こさず、

朝のしたくには入れます。

寝室からリビング・ダイニングへぐるっと廻り、キッチンに入ります。

右回り・左回り、2方向の動きでどの部屋へも行けることで、

家の中でも奥行きを感じます。



回遊式動線とは


回遊式動線(かいゆうしきどうせん)とは、建物内での移動経路が一方向に限られず、複数の経路やルートを通じて自由に回遊できるように設計された動線のことを指します。これにより、建物内を効率的かつ快適に移動することが可能になり、生活の利便性や快適性が向上します。


回遊式動線の特徴とメリット

  1. 自由な移動: 回遊式動線では、建物内を一方向に移動するだけでなく、複数のルートを選んで移動することができます。これにより、特定の部屋を通り抜けなければならないような不便さがなくなります。

  2. スペースの有効活用: 複数の動線を設けることで、家のスペースを有効に活用することができます。部屋と部屋のつながりが良くなり、無駄なスペースが減少します。

  3. 家族のコミュニケーション促進: 回遊式動線により、家の中で自然に家族が出会いやすくなり、コミュニケーションが促進されます。

  4. 視界の広がり: 回遊式動線を設けることで、視界が広がり、開放感を感じられる設計が可能になります。

  5. 生活動線の短縮: 必要な場所に迅速に移動できるため、生活動線が短縮され、家事などの日常の作業効率が向上します。


回遊式動線のデザイン例

  • リビングを中心にした回遊: リビングを家の中心に配置し、キッチン、ダイニング、玄関、廊下などから自由にアクセスできるようにする設計。

  • キッチンを中心とした回遊: キッチンからリビング、ダイニング、パントリー、洗面室などへのアクセスが容易な設計。料理をしながらも家族とのコミュニケーションを取りやすいです。

  • 寝室からバスルームへの回遊: 主寝室からバスルーム、クローゼットへの直接アクセスを設けることで、朝の準備が効率的に行えるようになります。


注意点

  • 動線の交差: 動線が交差しすぎると動きが煩雑になりかねないため、適切なバランスが重要です。

  • プライバシーの確保: 回遊性が高い設計にする際は、プライバシーを守るための工夫が必要です。たとえば、パーティションやドアで区切るなどの対策が考えられます。


回遊式動線は、現代の住宅設計において非常に人気があり、効率的かつ快適な生活空間を提供するための有効なアプローチです。


家事動線とは


家事動線(かじどうせん)とは、住宅の中で家事を効率的に行うための移動経路のことを指します。家事には掃除、洗濯、料理、片付けなど様々な作業が含まれており、これらをスムーズに行うために適切な動線設計が重要です。家事動線が良好であれば、無駄な動きが少なくなり、家事の負担が軽減され、時間の節約にもつながります。


家事動線の主なポイント

  1. キッチン: 料理、洗い物、食材の管理などが行われる場所で、家事動線の中心とも言える部分です。キッチン内では「三角形の動線」(シンク、コンロ、冷蔵庫の三角形の配置)がよく用いられます。この三角形の動線が短いほど、効率よく作業ができるとされています。

  2. 洗濯動線: 洗濯機、干す場所、収納場所の間の動線が重要です。洗濯機から干し場への移動が短く、洗濯物を片付けるクローゼットや収納スペースが近くにあると便利です。理想的には、洗濯機→干す場所→収納の順で無駄なく動けるレイアウトが望ましいです。

  3. 掃除動線: 掃除機やモップなどの掃除道具が収納されている場所から、各部屋やスペースへのアクセスが容易であることが重要です。また、汚れやすい場所に近く掃除道具を配置することで、手軽に掃除ができる環境を整えると良いです。

  4. 片付け動線: 使った物を元の位置に戻すための動線も大切です。収納スペースを各部屋に設け、使う場所の近くに収納があることで、片付けが簡単になり、家の中が散らかりにくくなります。


家事動線を良くするための設計の工夫

  1. オープンプラン: キッチンとダイニング、リビングが一続きになっているオープンな設計にすることで、家事をしながら家族とのコミュニケーションが取りやすく、移動もスムーズになります。

  2. 回遊式動線の取り入れ: 家事を行うためのルートが一方向だけでなく、複数のルートがあることで、動線が短くなり効率が上がります。たとえば、キッチンから洗濯機や洗面所に直接アクセスできるドアを設けると便利です。

  3. 適切な収納の配置: 各家事エリアに応じた収納スペースを設けることで、動線が短くなり、家事がしやすくなります。たとえば、キッチンにはパントリー、リビングには掃除道具の収納スペース、洗面所にはタオルや洗剤の収納などが挙げられます。

  4. ワークトライアングルの考慮: キッチンでは「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」を頂点とする三角形を意識して設計すると、動線が短く、料理が効率よく行えます。このトライアングルの各辺の合計距離が短すぎず長すぎないことが理想です。


家事動線を考慮するメリット

  • 効率的な作業: 動線が短いと、家事にかかる時間が減少し、他の活動に時間を割くことができます。

  • 体力の消耗軽減: 無駄な動きが少なくなるため、疲労が軽減され、家事が楽になります。

  • 家全体の整頓: 整理整頓がしやすくなり、家の中が片付きやすくなります。

  • ストレスの軽減: スムーズに家事が行えることで、ストレスが軽減され、家族全員が快適に過ごせます。


家事動線の設計は、家の使い勝手を大きく左右する重要な要素です。家の間取りを考える際には、どのような家事を行うか、どの順序で行うかを想定しながら、効率的な動線を設計することが求められます。


回遊式動線と家事動線を一体にすることで効率的な動線にする設計方法


回遊式動線と家事動線を一体化することで、住まいの使い勝手を大幅に向上させる設計方法があります。このような設計により、家事の効率が高まり、生活全体が快適になるだけでなく、家族とのコミュニケーションも自然に増えます。以下では、具体的な設計の方法とポイントについて詳しく解説します。


回遊式動線と家事動線を一体化する設計のポイント

  1. キッチンを中心とした設計キッチンは家事動線の中心となる場所です。回遊式動線を取り入れた場合、キッチンを中心に家の主要なエリア(リビング、ダイニング、洗面所、ランドリールームなど)にアクセスできるように設計します。たとえば、キッチンから直接洗面所やランドリールームにアクセスできるようにすることで、料理中でもすぐに洗濯物の処理が可能になります。


  2. リビング・ダイニングとつながる動線キッチンとリビング・ダイニングが直接つながるようにすることで、家事をしながらでも家族とコミュニケーションを取りやすくなります。回遊式動線を活用し、キッチンからリビングを経由してダイニングへ、またはその逆のルートが取れるように設計することで、家全体が一体化し、動きやすくなります。


  3. 玄関からの動線と収納の配置玄関から直接キッチンや洗面所、ランドリールームへの動線を設けると便利です。特に、買い物から帰宅した際に、すぐに食材をキッチンに運べるようにしたり、汚れた衣類をすぐにランドリールームに持ち込める動線は、効率的な家事の助けになります。また、玄関近くに収納スペース(コートクロークやシューズクローク)を設けることで、家に帰ってきたときにすぐに物を片付けられるようにします。


  4. 洗濯動線の効率化洗濯動線を効率化するために、ランドリールームと屋外の物干し場、収納スペースを近接させます。たとえば、ランドリールームから直接外に出られる動線を設けるか、バルコニーを配置し、干す場所を確保することで、洗濯物を運ぶ手間を減らします。さらに、洗濯物を取り込んでそのまま収納できるクローゼットやファミリークローゼットを近くに設けると、動線がさらに短縮されます。


  5. 階段を使った回遊動線の工夫2階建ての家の場合、階段を中心に回遊式動線を設計することが有効です。たとえば、階段の位置をキッチンやリビングの近くに配置することで、1階と2階の移動がスムーズになり、家事の合間に簡単に上階へアクセスできるようになります。これにより、掃除や片付けなどの作業が効率よく行えます。


  6. 収納スペースの分散配置家事動線の効率化のためには、各エリアに適した収納を分散して配置することも重要です。たとえば、掃除道具は各フロアに収納場所を設け、リビング近くにリネン収納を設けることで、日常の片付けが楽になります。さらに、キッチンにパントリーを設けて食材やキッチン用品の収納を効率化するなど、収納スペースを動線に合わせて設計します。


回遊式動線と家事動線を一体化した間取りの例

  1. 「L字型キッチン+ランドリールーム」L字型のキッチンを設け、その隣にランドリールームを配置します。キッチンから直接ランドリールームへ移動できることで、料理と洗濯を同時に進めることができます。また、ランドリールームから屋外の物干しスペースやクローゼットへの動線も確保します。


  2. 「センターリビングプラン」家の中央にリビングを配置し、その周囲にキッチン、ダイニング、寝室、浴室を配置する設計です。リビングを中心に回遊できる動線があり、各部屋へのアクセスが容易になります。リビングからキッチンへはもちろん、浴室や洗面所へもアクセスしやすいように動線を考慮します。


  3. 「ウォークスルークローゼットの活用」主寝室からバスルーム、クローゼットを経由して直接洗面所にアクセスできるような設計を行います。この場合、回遊式動線と家事動線が一体化し、朝の身支度や洗濯物の管理が非常に効率的になります。


回遊式動線と家事動線を一体化することで、家事の効率が向上し、生活の質も高まります。ポイントは、動線が重ならず、自然に家事が進められるように設計することです。家族の生活スタイルや家事の優先順位に応じて、どの動線を重視するかを考慮し、柔軟に設計を行うことが求められます。


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