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かんたき 異なるボリューム感が、空間の方向性を決めている

lphoto by Ogino Takamitsu atelier l
工事中の「かんたき」中心となる、吹抜けのリビングダイニングも仕上がって来ました。
この「かんたき」異なる天井高さが繋がっている空間の連続で、異質なボリューム感が、空間の質を方向づけています。
異質なボリューム感とは、通常私達が体験する、空間の大きさとは、違う空間の事です。
介護.看護施設でのリビングダイニングの大きさと、この「かんたき」の空間の大きさや形は明らかに違い、他の施設には、無い新たな魅力が生まれています。求心性と開放感の同居、おこもり感と外部との繋がりの相乗効果など、相容れないはずの質が同時に存在する効果も存在しています。
建築の設計では、普通の天井高さはこのくらいという、なんとなくの標準仕様があります。
住宅の部屋は、天井高さ2.4mが標準。それよりちょっとだけ高くして2.5m。
2.3mだとちょっと低いなんて言います。
場所によっては、2.1mの低い高さの部屋の方が、心地良かったり、天井を高くするなら、思い切って3.0mの高い空間の方が、抜け感が出るのですが。
標準的な高さに根拠は、無く、過不足無い高さが標準になっています。
この良くある天井高さや、空間の大きさを変えることで、その場所に方向性を生み出せます。
「かんたき」のリビングダイニングの天井高さは、8m以上。平面の形も6角形。
このボリュームはホールの様な印象を生み、そのことで、建物全体を繋げる、施設の中心性を強化しています。
吹き抜け部分以外の他の場所は、決して高い天井高さではありませんが、天井高さの変化が、抜け感と開放感を逆に大きくしており、この建築の魅力を創造しています。