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平屋はどうして心地良いのか!間取りで考える。

|Plan by 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所|
平屋の住宅が見直されています。
平屋とは、1階建ての家の事です。
住宅と言えば、2階建てが普通?と思われてきましたが、なぜ平屋が人気になっているのでしょうか?
平屋には独特の心地良さが有ります。
平屋の心地良さと、平屋をつくるならオススメの設計方法を紹介します。
家族が繋がる、仲良くなる
家族が平屋で仲良くなる?
ちょっと不思議な話ですが、本当です。
1階と2階の間には、床という大きな壁が存在します。
(なんか変な表現ですね)
家の中が1階と2階で隔てられてしまいます。
この隔たりは思っている以上に大きなもので、2階の部屋に子供がこもってしまうと、どんな状態なのか全くわからなくなってしまいます。
なんと無くの気配を感じることが出来ないんです。
気配とは、不思議なもので、何をしているのか感じる事も有りますし、精神状態を察知する事も出来ます。
2階の子供部屋の配置では、感じるという事が出来ません。
感じる、つなぐ為に、1階リビングと2階子供部屋とを吹き抜けで繋げる設計をよくしていますが、より感じやすいのは、同一フロアの住宅である、平屋です。
階段の無い事の良さ
2階建て、3階建ての家には、必ず階段が出来ます。
階段が無い事で、移動が簡単になり、家事も時短が図れます。
家の中ってそんなに移動しないのでは?
いえいえ、意外と移動するのです。
1階の洗面所から、2階の物干しまで、洗濯物を持って上がる時。
洗ったばかりの洗濯物は水分を含んでいて、結構重たいものです。
掃除も1階と2階両方しなくてはなりません。
朝、中々起きてくれない息子がいると。。。。リビングが1階で、子供部屋が2階では、何度も階段を登りおりして、起こしに行かなくてはなりません。
吹き抜けで子供部屋をつなげれば、2階建てでも、その場から呼びかけられますが、そんな事も、平屋であれば、そのままで解決してくれます。
平屋+中庭で、広がりとワクワクと。
画像の図面は、私がプランニングした平屋の住宅です。
中庭を介して色々な部屋が繋がっています。
リビングも子供部屋も大人の部屋も。
中庭を囲んで、家の中をグルッと廻れます。
小さな子供は、間違い無く、家と中庭をグルグル廻り、家全体を遊具のして遊びます。
中庭は、外ですが、道路からは隔離されているから事故も安心。
遊んでいても親の目が届き安心です。
中庭は、光と風を取り入れる場所になり、明るく気持ち良い家になります。
しかも外からは覗かれませんから、プライバシーやセキュリティも良くなります。
洗濯物も簡単に干せますし、移動の距離も短くなっています。
階段が無い事で、床面積が小さくなり、その分のコストが削減できる事も大きな利点です。

天井の高さや形が自由に
部屋の上は、屋根だけです。
なので、写真の様に、片側だけが高い天井や、三角の屋根など、色々な形の天井を自由につくれます。
住宅の設計のだいご味は、3次元の空間である事です。
平面プランがそのまま、形になった住まいより、天井に変化のある家の方が、開放感が生まれ、光の取り入れ方も工夫が出来ます。
平面的な間取りは一緒でも、過ごしていてゆったり出来るのは、こういった空間に余裕がある場所だったりします。
平屋こそ、床下を使いたい
平屋の場合、床下の面積が大きくなります。
ですからこの床下を使わない手はありません。
収納にするも良し、1階の床を下げリビングの天井を高くした、大きな空間にするも良しです。
元々、日本の住宅は、平屋が基本でした。
ある時から、2階建てが標準住宅のようになりましたが、これは、プレハブ住宅が増えた時代に、効率的に家を供給するという時代背景があってのものです。
敷地に余裕がある場合、狭小敷地の場合と、家が立つ場所の条件はそれぞれ異なります。
敷地に余裕があっても、近所の住宅が2階建てだから、なんと無く2階建てにするのではちょっと勿体無い。
平屋お家。
1度考えてみてください。
公式ホームページはこちら【株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所】
【編集後記】
新しく出来たり、リニューアルした温泉の幾つかに行く機会がありました。プライベートと仕事で。
設えによって、受ける心の感情って変わってきます。心地よいな・ノンビリできるな・気持ちよい・あれ?偽者っぽい?色々な感情が。
やっぱりデザインが感情にうったえる影響は、大きいです。