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光と風をとりこみ、家の潤いを引き出す

光と風をとりこみ、場所の魅力を引き出すことで、いい家になりますよ!
というコトをプライベートでも、設計の打合せでも、Blogでも、SNSでも、話して来ました。
光と風をとりこむことが、素敵な家につながるという前提で、取り入れ方の工夫・方法を紹介してきましたが、そもそも光と風をとりこむことが、何故、心地よい住まいになるのか?
そもそもを、考えてみます。
普段の生活とは?仕事場での環境は選べない
仕事をしている私たちの生活は、普段、仕事場で過す時間が非常に多いです。
定時でも8時間の労働時間、残業や通勤時間も合わせれば、日常の半分以上は仕事に関する場所で過していることになります。
通勤の満員電車や、車通勤の渋滞など、どうしても不快になってしまう時間も社会生活をしている以上存在します。
※ご自宅で過す時間の長い方の話は、また後日、記します。
仕事場の環境は、なかなか選べません。
オフィスワーカーの方は、決められた空調・決められた椅子・机・決められた配置の場所、あてがわれたスペースで多くの時間を過ごすしかありません。
オフィスを借りる時に選定に関われる方や、席の配置、オフィス環境の改善に携われる方は別ですが、ほとんどのビジネスパーソンは、指定された空間で一日の多くの時間を過します。
オフィスは機械空調で気温の管理をするところが多く、夏なのに寒い!と感じる方の方が多くなっています。
クールビズが推奨されていますが、暑さ寒さを感じる個人差を、気温で管理しようとすると、どうしても冷房・暖房を効かせる方向に行き勝ちです。
更に、機械の空調でも、部屋全体を均質に気温を管理することが中々難しく、窓際は暑いけけれど、廊下側は寒いなどという事態もおきてきます。
窓もあけません。
オフィスは日当りを重視はしない為、日の光で部屋を明るくするのでは無く、照明の照度で明るさを確保します。
このように、光と風・オフィス環境というのは、隔離された人工の環境の中で業務に集中するという環境づくりがされています。
同様に、ものづくりの現場も快適な環境を自ら選べるものでは無く、建築設計を行っている身としては、夏場、工事現場に行き、余りの暑さに、大工さん足を踏む外して怪我をしないでねと、いつも話しています。
昔の農家では、お味噌汁が濃く塩分過多だと言われていましたが、あれは夏炎天下での作業で、塩分が少なくなりそれを欲する為です。
マラソンの市民ランナーで、夏のランニングで大汗をかく私も良くわかります。
夏と冬で、お味噌汁の濃さや食卓に乗る回数を変えていますから。
話しがそれちゃいました。。。。

仕事には無い潤いが、家には欲しい
隔離された人工的な環境だったり、屋外の現場だったり、仕事の場面では、作業性や効率、良い仕事をするその為だけに特化した環境づくりになっています。
仕事場にバーがあったり、筋トレマシーンがあったりという環境を整備している企業はまだ、極少数です。
仕事の生産性をあげるのが目的の、仕事環境ですから、潤いにかけます。
オフィスでは日の光を感じることも、空調を通さない生の空気に触れることもありません。
自然に触れることで体で感じる、潤いに欠けてしまいます。
仕事場で潤いを感じづらい以上、より潤いを他の場所で欲することになります。
住まいに必要なものの1つが、潤いだということが解ってきます。

潤いを感じる為の、光と風
光と風を上手に取り入れると、暖房冷房に頼る期間が少なくてすみます。
機械空調を否定するものでは無く、私も床暖房の恩恵に預かっているものですが、家を締め切るとどうしても空気がよどみます。
よどんだ空気を入れ替えるのには窓を開けることです。
夏涼しく、冬暖かい家をつくれば窓を開けておける季節が長くなります。
窓やひさし、部屋の配置の工夫などで、光の入り方、風の抜け方を調整すると、エアコン無しでも、涼しさと暖かさを味わいことが可能になります。
皮膚の感覚で感じる、自然環境
人の感覚には、皮膚で感じる触感があります。
緩やかな風は、体の熱をゆるやかにとってくれ涼しさを感じます。
日差しの熱射は、明るさだけでなく、皮膚で暖かさも感じます。
(夏の日差しをさけ、冬の日差しを入れると、感じられますね)
単純に風が気持ち良いね!
と、思った経験はだれしもあります。
オフィス環境では味わえない、風の気持ちよさや日差しの心地よさ・自然光明るい環境は是非、住まいで感じたいものです。
オフィスでは感じられないですから。
部屋数が生活の要望にあっているだけではなく、より潤いの環境を手にする為にも、光と風による心地よい住まいづくりの工夫が、効果的な理由がそこにはあります。