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働く場のリ・デザイン

建物概要

所在地:東京都板橋区

構造:鉄筋コンクリート造

2F床面積:73.24㎡

用途:オフィス(内装・外装リノベーション)

Design:Ogino Takamitsu Atelier

Photo:Ogino Takamitsu

施主の想い

創業初期に建設した事務所ビルの、リデザイン・リノベーションです。経年による大規模修繕に併せて、リノベーションをする事で、現代的なスタッフが働きたくなる環境づくりと、働く場のイメージの刷新をしたいとの依頼でした。外装も、リニューアル・リデザインし、事業を推進していくきっかけにしたいとの事でした。市松天井のラボと同じ施主からの依頼です。

要望のポイント

・2階オフィススペースをリノベーションして、働く場の環境づくり

・現代的なスタッフが働きたくなる場への転換

・築50年以上の鉄筋コンクリート造建築の、劣化カ所の修繕・大規模修繕に併せて外装イメージをリニューアル

・求職者が働きたくなる、デザイン

 

提案・設計内容

創業の地であり、施主が創業初期に建てた思い入れのある本社ビル。外装は施主の思い入れを残しながら、企業イメージを更新する為、外壁自体は修繕のみに留め黒色の部材を差し色として設置する事で手数少なく場を引き締め、トーン&マナーを変えるリデザインを行いました。ブラック色の格子のルーバー設置、バルコニー手摺もブラック色のルーバー状に入れ替えています。横の格子(ルーバー)が現代的なイメージに繋がっています。

 

オフィス内装は、フリーハンドで描いた自由曲線のワークカウンターがオフィススペースをとり囲み、柔らかく居場所をつくりっています。自由曲線のワークカウンターは人の向きが多様な方向・角度に向く事で人と人の距離感をつかず離れずの自由な距離感にし、心理的安全性をもたらし、快適な働く場づくりをしています。

 

内装素材は、露出させたビンテージのコンクリート・木片が特徴的なOSB合板・白い木毛が美しい木毛セメント版など、素材感を持った材料で構成しています。異なる素材ですが、いずれも細かい模様を持っている為、材料が違っていても統一感のある素材づかいになっています。リノベーションゆえの古材であるビンテージ・コンクリートと、本来隠れてしまう下地で使うOSB合板・木毛セメント版を仕上材として使うという発想転換をした組み合わせをしています。古材(ビンテージコンクリート)と発想転換した素材の組み合わせは、これまでの事業を継続しつつ、発想を転換しながら新しい事業を起こし切り開いていく施主企業の姿を表しています。

 

完成後の施主の声

木毛セメント版という下地材を、そのまま仕上に使うという発想に驚きました。どの企業も人材確保に苦心している中、訴求力のある働く場としてスタイリッシュなオフィスになりました。

スタイリッシュなオフィスリノベーション

「美しいインダストリアル」上品なインダストリアルなデザインを目指して設計したリノベーションオフィスです。
隠れているはずの下地材を、見える仕上として使いました。下地材なので剥き身の質感凸凹があって、本来、ザラザラした感じになるところを、サラッとした質感になる様に素材を扱いました。

 

全ての素材が細かく模様が入っている素材で組み合わせている、統一感がポイント。施主お気に入りの格子でつくった窓の黒色が場を引き締めてくれますね。

オフィスの曲線カウンター・OSB合板の間接照明天井

天井のOSB合板・壁のビンテージコンクリート・曲線のタモ材のカウンター・木毛セメント版と素材感のある材料で構成しています。フリーハンドで描いた自由曲線のワークカウンターが、オフィススペースをとり囲み、柔らかく居場所をつくりっています。

人が居るオフィスの外観

ちょっと無個性なオフィスの外観に、少しだけ手を加える事で、現代的で事業を推進していくオフィスにリ・デザインしました。大きなガラス張りの壁面に、ブラック色のルーバー格子を差し込み、オフィスの顔を整えつつ、内部を覗かれづらくしました。

経年による大規模修繕に併せて、リ・デザインする事で、現代的なスタッフが働きたくなる環境づくりをしています。外装も、リニューアル・リデザインし、事業を推進していくきっかけにしたいとの事でした。

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​横格子のルーバーを新たに設置する事で、創業時の本社の質感を残しつつ、現代的な印象に生まれ変わりました。

創業の地であり、施主が創業初期に建てた思い入れのある本社ビル。外装は施主の思い入れを残しながら、企業イメージを更新する為、外壁自体は修繕のみに留め黒色の部材を差し色として設置する事で手数少なく場を引き締め、トーン&マナーを変えるリデザインを行いました。ブラック色の格子のルーバー設置、バルコニー手摺もブラック色のルーバー状に入れ替えています。横の格子(ルーバー)が現代的なイメージに繋がっています

オフィスの曲線カウンター・間接照明

自由曲線のワークカウンターは人の向きが多様な方向・角度に向く事で人と人の距離感をつかず離れずの自由な距離感にし、心理的安全性をもたらし、快適な働く場づくりをしています。

オフィスの水栓・コンクリート打ち放し・照明

​自由にお茶タイムを楽しむ、カフェコーナー。

オフィスの曲線カウンター・間接照明・リノベーション

​間接照明がスペースに抜け感をつくります。

曲線の執務カウンターと机は、人が座る方向を様々な向きに、ちょっとずつ違う角度してくれます。同一方向を向いて座るよりも、隣の人と目線が近くなったり、ヨコから声をかけやすくなったりするので、自由さが加わって、コミュニケーションが生まれやすくなりました。

格子の窓・オフィスリノベーション

窓廻りに格子をつくると、ただただサッシがあるだけでなく、窓に存在感が出てきます。

カウンターデスクは、合板に手書きでな〜んと無くの、フニャフニャ自由曲線描いてそのまま作って貰りました。ものづくり感溢れる古典的手法です。一旦、図面化して検討したんだけど、結局、現場でベニアに描きました。
建築も、ものづくりである以上、即興の部分が必ず出て来るので、そこが醍醐味だったりします。

現場楽しかったんだが。。。曲線で使われない側の木材も多いので、木取りとしてはロスが大きくなってしまいました。。カットした端材も使える様工夫はしたけどそれでも廃棄部分が結構あって、そこは反省点。

間接照明のオフィスリノベーション

​オフィスリノベーションの内容

・天井撤去、既存コンクリート表し+OSB合板貼り
・外壁ボード撤去、コンクリート表しボンドゴミなどケレン落としの上、防塵の為透明塗装。
・壁腰下、木毛セメント板貼り。
・床の長尺塩ビシート剥がし、ヘリンボーン貼り。
・窓サッシ、カバー工法で取替。内側木製格子、黒塗装。
・照明は既存撤去、ダクトレール+スポットライト+ダウンライトに変更。
・曲線カウンター、タモ集成材製作。
・カフェコーナー、シンク水栓

 

シンクと水栓があるオフィス

輸入シンクを入れたら、遊び(取り付けしろ)が小さいは、説明書は英語だわで焦る。deepl で翻訳して、据えてみたら取り付けシロは、必要充分で、簡単に施工できました。
国内メーカーは施工者に優し過ぎかな。遊び過多な分、モコっとしがち。

水栓は普通にTOTO。コンパクトで意外に良いです。

黒の扉

黒色にゴールド色の組み合わせは、相性が良いです。黒の扉に金色のハンドルをつけました。

オフィスの船舶照明

​外壁の照明を船舶照明に取替えました。錆感のある船舶照明は、ビンテージ感のあるオフィスビルの「サビ感」に良く似合います。照明器具は全て、LEDで省エネ仕様です。

窓の黒い格子

ちょっと重厚感のあるテイストになる、ちょっと不思議な、窓の格子。クラシックで、アジアンで、ヨーロピアンで。。。。。?なんだか色々な感じになりますが。窓廻りに格子をつくると、ただただサッシがあるだけでなく、窓に存在感が出てきます。格子は、少し部材の巾が大きいと存在感が出てきてくれます。

日本のサッシについている格子。実は細いです。その為、ちょっと存在感にかけるというか安っぽいというか。そこで、施工中のスモールオフィスリノベーションでは、サッシの内側に、木製で格子を作ってみました。少し太目の部材のサイズ。マットなブラックで塗り潰してみたら、とにかくカッコイイ!木感はある意味余り感じなくて、金属感すら感じる仕上がりです。

塗装をブラウンにして木目が浮き出る塗装にすると、アジアンな感じになってきますね。リノベーションでサッシを交換しない場合でも、新築でも内側に格子の設置は良き方法。但し、窓廻りは建築・消防と色々な法律が絡んで来る処です。そこは専門家に必ず確かめて貰ってくださいね。

外観リノベーションオフィス

 

クリーニング以外は、ルーバーをつけ、看板を変えただけ。

クライアントが創業時に建てた思い入れあるビルです。手数少なく、元の質感残しつつ。思い入れを残してのメンテナンスしながらの外観リデザインです。シンプルなことだけど、これが一番最高。愛着を持って使い続けることの良さを感じられます。

 

小さなオフィスビルの外装リニューアル。ビルのメンテナンス(大規模修繕)時に、ルーバーをつけて、トーン&マナーを変えるリ.デザイン。 

外観オフィスリノベーション
黒の玄関扉

 

木製の装飾扉をクライアントには要望されましたが、防火関係の規定でそれは出来ず。鉄製のブラックの鋼板を三ツ割にする事で装飾性を持たせ、ゴールドのハンドルとの対比がカッコ良さと重厚感を合わせ持つ、エントランス扉を製作しました。ポストもブラックポストに取付直し。細かいところも大事です。

水栓とコンクリート打ち放しとタモ集成材カウンター

働く方の、ウェルビーイングが向上して貰う為の、カフェコーナー。普通にお茶が入れられる場所なだけだど、リラックス効果は無いんじゃないかなという想いから、ちょっと非日常なカフェらしいコーナーにしたいなと設計しました。このシンクは海外製の一品もの。シュッとしたエッジの効いたカッコ良さが、非日常のカフェ演出をしてくれます。

水栓とシンクとコンクリート打ち放しとタモ集成材カウンター

カウンターの角は、丸く面取りして危なくない様に。細かい機能も大事。

曲線のオフィスリノベーション

オフィスでも、間接照明って効いてきます。集中力が必要な業務をするオフィスの部署では、集中力を上げられる設えが必要になります。間接照明で天井を明るくし、天井から反射した光がオフィス全体を優しく照らします。光量が大きくして明るくしたい手元はスポットライトでテラス。タスクアンビエント照明という方法ですが、集中度が上がる照明方法です。

間接照明は、落ち着いた空間をつくり、集中力を上げてくれます。

オフィスの格子窓と曲線カウンター

働く人同士の距離感が、近すぎず・遠すぎず、集中できながらも、コミュニケーションが生れやすい。そんな距離感のオフィスにしようと設計をしました。

オフィスデスクとして使う、曲線のカウンター。
曲線が作り出す、「溜まり」はその人の場所(領域・テリトリー)を柔らかく線引きして生み出しくれます。働く人同士の距離感が心地の良い、お仕事環境になっています。

コンクリート打ち放し
コンクリート打ち放しと水栓とステンレスシンク

元々、コンクリートに貼ってあった石膏ボードを剥がして出て来た既存のビンテージコンクリート。白い水玉の様な模様は、コンクリートにボードを貼った時の、ボンドの跡です。型枠を止めている鉄筋や、サッシをコントロールに止付けた跡のモルタルなど、リノベーションらしい既存の味のある跡が残っています。

 

正面にある+1000という文字は、最初の新築工事の時に高さの基準を職人さんが書いた跡です。墨出し線なんて言います。

​既存のままだとかなり荒いコンクリートなので、人が肌を擦っても怪我しない様に、表面をサンダーで削って薄っすら透明の保護塗装をしています。

パリ、エッフェル塔の写真
リノベーションのディテール
セメント成型版とOSB合板の間接照明

間接照明のディテール。白で塗装した天井の一段低いところに、OSB合板の天井と間接照明を組み込んでいます。白が光を拡散させ、部屋を照らすと共に、OSB合板・木毛セメント版の木の質感が場をやわらげます。

格子の影
コンクリート打ち放しのリノベーション
リノベーションしたオフィス
リノベーションオフィス
赤い椅子のあるオフィス
グレージュの壁のトイレ

​トイレの壁はグレイッシュな塗装。床はヘリンボーン貼りのフローリングでオフィスのトイレをホテルライクに設計。

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